「定義」の意味と使い方｜わかりやすく・数学/IT・定理との違い

「定義」とはいろいろな分野で使われていますが、どのような意味があるでしょうか。

まず「定義」の意味ですが、それぞれの言葉に対する決まりを作ることです。その内容が正しいかどうかと言ったことではなく、誰もが同じ意味として認識できるように言葉を決めることが「定義」と呼ばれています。 おおげさな言い方になっていますが、それ自体は難しい意味を持っているわけではありません。わかりやすい言葉で言い換えると、「みんなで決めた呼び名」と表現できるでしょう。学問的に高度なことでも、小学校で使っている言葉でも何でも意味が共通認識できれば「定義」と考えることができます。

数学ではたくさんの「定義」が出てきます。学生として初めて「定義」という言葉に接するのも数学の授業でしょう。そのために「定義」が非常に学問的な言葉としてイメージされています。 例えば直角とはどのような意味を示しているでしょうか。角度が90度の状態を直角と定義しているだけです。直角に特別な意味を与えているのは「定義」に他なりません。何のために定義するかと言えば、多くの人が議論する時に言葉の意味を明確にしておかなければなりません。直角という定義がなければ、「角度が90度となった状態」などと表現しなければなりません。それでは次の議論へ進むことができなくなるでしょう。

プログラムにおいては機械が相手ですから、特定の文字列に意味を与えてやる必要があります。それが「定義」と呼ばれています。プログラムで使用する変数名などを定義することになります。企業など複数人で作業する場合には、定義された変数名と意味を共通化することが重要です。会社としてプログラムの作り方や記述の仕方を整理します。その中には変数の定義の手順も決められているはずです。 もちろん、それに意味を与えることは企業内での決め事ですから完成したアプリケーションの性能を左右するものではありません。

それからIT関連の作業では要件定義という言葉が使われることが多くなります。この意味は用件を定義することですが、要件とは求められているアプリケーションが持つ機能です。プログラムやシステムを構築する場合に、何のために構築するのか、構築することでどのような作業の効率化が可能となるのかを意識しなければなりません。 ただ、依頼主であるエンドユーザーには、その具体的な意味がわからない場合も少なくありません。たくさんの労力をつぎ込んで作り上げたシステムがほとんど使われなくなってしまうケースも現実には少なくありません。つまり、要件定義をあいまいにしたままシステム構築に進んでしまったからです。

エクセルでプログラムを作る場合はいろいろな関数が定義されています。これはエクセルそのものを作ったプログラマーが関数名を定義しているだけです。その名称と意味は一般の人がわかりやすい綴りになるように考慮しているでしょうが、特別な意味があるわけではありません。多くの場合は一般的な数学で登場する名称を関数の定義として使っています。関数の機能をしっかりと理解してプログラムに活用することが大切です。 あらかじめ準備されている関数だけではなく、自分で関数を定義することもできます。その意味も自分で与えることになりますから、しっかりとデバッグしなければなりません。

数学ではいろいろな言葉が定義されています。代表的な定義と意味を紹介します。もちろん、多くの人が常識として知っている言葉もあるでしょうが、それは学校で習ったからです。定義されている理由は言葉を決めるだけで議論する時の共通認識を保つことができるからです。

確率変数とはある確率事象を観測している場合、その事象が起こる確率を表現するための変数です。実験などによって確立は変わっていきますが、それを数式で表す時に確率変数と表現しています。

自然対数とはネイピア数を底とする対数のことですが、これは数学的に重要な定義です。いろいろな自然現象や社会現象を数式として表現する時に自然対数を使うことで的確な表現となります。自然対数の定義そのものは高校の数学で登場しますが、学生たちは学校の授業で教えられているだけでその価値や意味を深く考える余裕はないでしょう。ただ、これまでの数学者たちが考えてきて、現代でも利用されていることだけでも重要性はわかるのではないでしょうか。