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【業界研究】中食業界の現状・動向・課題について

更新日:2023年12月11日

業界・企業研究

「中食(なかしょく、ちゅうしょくと読みます)」は、家庭で調理をするための食品を扱う「内食」と、飲食店で食事する「外食」以外の形態を指します。代表的なのは、持ち帰り弁当、宅配ピザ、テイクアウト専門店など。他にもベーカリーやコンビニエンスストア、スーパーなどの業態が参入しています。

平均年収は533万円。「ほっともっと」「やよい軒」などの店舗数が安定的に増えており、それに伴い平均年収の上下が少ないことが大きな特徴として挙げられます。

平均年収は515万円。都市圏に惣菜店「オリジン弁当」を展開しており、仕事帰りのサラリーマンなどがよく利用しています。豊富な品揃えが好評で売上も安定しており、平均年収もここ数年は横ばいです。イオンが主要株主であることでも知られており、盤石な経営基盤を確立しています。

業界の動向

業界の動向として一番特徴的なのは、継続的な伸長傾向になることです。外食産業の市場規模は減少傾向にありますが、それに反して市場規模は着実に拡大。変化し続けるニーズに対して柔軟に対応している業界であると言えます。

また、今後は高齢化社会が進むことに伴い、今までにはないニーズが生まれてくることも考えられます。たとえば、高齢者向けの給食事業を始める企業が増えているのも、そんな動向を象徴する事例のひとつ。大きな変化がいつ生まれてもおかしくない状態です。

動向1:市場動向

まず、大きな動きとして挙げられるのは、消費者が外食から中食に切り替えつつある、ということです。長期のデフレ、不景気の影響を受けて「飲食代を減らしたい」という気持ちが多くの消費者の中で芽生え、外食を少なくする風潮が出てきました。

その代わりにテイクアウトの惣菜を買ったり、弁当を購入して家で食べたりする消費者が増加。そんな背景が、中食の需要増加を生み、市場の拡大につながっています。

次に、女性の社会進出も動向を左右する大きな要因となっています。働く女性が増え続けている昨今。「ワークライフバランスを」と世の中で叫ばれますが、実際は、仕事と家事を両立するのは簡単なことではありません。働くことに重きを置いた分、削られる時間と体力を家事の軽減でカバーする女性が増えており、中食産業にも需要の増加という波をもたらしています。

もうひとつ忘れていけないのが、高齢化社会の進展です。単身、または夫婦二人で居住する高齢者世帯が増加しており、食卓にもスーパーの惣菜が並ぶ機会が増えてきています。コンビニエンスストアでも惣菜を購入する高齢者の数は年々増加しており、高齢化社会のさらなる進展がニーズ拡大をもたらすことが予想されます。

動向2:業界の課題

様々なニーズが生まれてくる業界ではありますが、新業態全てが継続的に拡大するかは話が別。一過性の新ビジネスも少なくないことが予想されます。たとえば、社会がデフレから脱却して、経済の状況が好転した時。そうなれば、リーズナブルな価格帯の事業だけでなく、高価格帯の惣菜や弁当の売上が伸びてくるでしょう。

しかし、再度デフレに陥ったとしたら、改めて程価格帯の惣菜・弁当へのニーズがグンと上がり、高価格帯の商品が求められなくなるケースが増えてきます。「この事業を展開していれば未来永劫大丈夫」というものはなく、常に変化を求められる業界だけに、淘汰される企業も増えてくるかもしれません。

また、販売チャネルも常に変化し続けています。これまでは路面店やデパ地下などが主流でしたが、今ではインターネットや通信販売などの販売形式を求める消費者も増えています。もちろん現状が最終形である、というわけではありません。

インターネットに代わる新しいツールが出てきたら、消費者はそれを利用することを求めるでしょう。「消費者は、どのような形で購入を求めているのか」という点をしっかり調べ、把握しておくことも、企業の存続と成長について大きなポイントになります。

加えて、職場環境の改善も、業界として解決するべきテーマかもしれません。「平均勤続年数はこれからも増加する」と前述させていただきましたが、待遇・福利厚生、勤務時間、休日・休暇などについては、さらに改善できる可能性がおおいにあります。どの業界にも共通することではありますが、ワークライフバランスの追求は、中食業界にとっても命題であると言えます。

動向3:業界の今後の将来性

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