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【業界研究】農林水産業界の現状・動向・課題について

更新日:2023年12月23日

業界・企業研究

水産業と農林業をまとめて農林水産業といいます。農林水産業とは人々の生活に必要な食料や木材を生産する仕事のことで、総務省の「日本標準産業分類」では、第一次産業として分類されています。

農業機械大手のクボタは農業法人の全国展開を進めています。2015年に第1弾として新潟で輸出米を作る法人を設立し、2019年までに各地域と連携して法人を15社まで増やす予定となっています。

北海道の農業ベンチャー企業と共同で機能性野菜の生産販売を開始。野菜の種類はタマネギで、血糖値を整える効果があるとされています。

給食受託のシダックスは本格的に農業に参入し、千葉県の農場で野菜の生産をはじめました。受託先の社員食堂を中心に農場で収穫した野菜を提供する計画となっています。

農業法人サングレイスに出資し、2015年からトマト栽培の効率化に取り組んでいます。同社がこだわっているのは糖度で、高品質のトマトを安定して調達したいという意向を持っています。

水産業界は訪日外国人観光客に

近年、日本を訪れる外国人観光客が増えています。2015年には前年の約2倍となる約2,000万人の外国人観光客が訪れました。

観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によれば、訪日外国人の26%が日本食を楽しみに来日しています。そして実際に日本に来て満足した食事を訪ねると寿司や魚料理と答えた人が合わせて34%となっており、寿司を中心とした水産物が訪日外国人の強い関心を集めていることがわかります。

また、漁村やその伝統文化も外国人観光客をひきつける有力なコンテンツとなっています。訪日外国人のなかには、次回以降の訪日で漁村を含めた自然豊かな地方を訪れたいと答えた人が15%も存在しており、漁村やその文化に観光スポットとしてのポテンシャルがあることを示しています。

市場動向

水産業界の市場規模は1兆5,057億円

水産庁の「水産白書」によると、2014年の漁業・養殖業生産額は1兆5,057億円で前年比4.4%の増加となりました。これは、海面漁業・養殖業と内水面漁業・養殖業がともに増加したことが要因となっています。

主要部門別に生産額をみると、海面漁業は9,693億円で同2.2%増、海面養殖業は4,435億円で同8.4%増、内水面漁業・養殖業は929億円で同7.9%増となりました。

農林業界の市場規模は8兆7,979億円

農林水産省の「農林水産統計」によると、2015年の農業総産出額は8兆7,979億円で前年比5.2%の増加となりました。これは、畜産、野菜、米等の各部門において農産物価格が上昇し産出額が増加したためです。

主要部門別に構成割合をみると、畜産は3兆1,179億円で農業総産額の35.4%を占め、次いで野菜が2兆3,916億円で同27.2%、米が1兆4,994億円で同17.0%を占めています。

業界の課題

難航する6次産業化法

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