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行動指針とは?意味と作り方・企業理念/行動理念との違い

経営

ビジネスでよく耳にする行動指針という言葉。実際にどれぐらいの人が正しく理解できているでしょうか。企業理念、行動理念など似た言葉は色々ありますが、同じではなく、どれも厳密には違っています。今回は「行動指針」とは何か解説していきます。

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行動指針とは?

行動指針とは一体なんでしょうか。辞書通りの意味であれば、行動するための基本方針。どのように考え、どのように行動するかの方針という言葉で説明されています。大部分はこのままですが、ビジネスにおいてはここからさらに意味が加わってきます。

ビジネスにおける「行動指針」とは?

ビジネスにおける行動指針の意味は一概に同じとは言えません。その意味は企業ごとに少しずつ異なってきます。大枠で考えるなら会社の社員が実現すべきことです。それに向かって行動するための取り決めとなります。 企業は組織で動かなければなりません。人が増えれば増えるほど企業は大きくなり、成長したと言えますが、人の数だけ個性があります。個性は重視されるべきですが、組織で働くということに関して言えば強すぎる個性は邪魔になります。組織では個性よりも協調性、仲間意識というものが重視され、一丸となって働くことが求められます。様々な個性を持ちながらも一つの目標に向かって仕事をするために行動指針が必要になります。

「行動指針」の例とは?

行動指針の意味は分かっても実際にどんなものがあるのか分からないという人も多いです。次に実際に企業が使っている行動指針をいくつか紹介していきます。

ニトリ

ニトリの行動指針は「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」です。行動指針は実際に何をすべきなのかという具体的な行動例が記されているわけではありません。この行動指針の文言を達成できるような行動を心がけるように社員に促すものです。ニトリの社員は住まいの豊かさ、そしてそれを世界の人々に提供することを考えて仕事をしているのです。

Google

Googleでは行動方針が10か条掲げられています。そこから一部だけ紹介しますと、「1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。」「悪事を働かなくてもお金は稼げる。」「「すばらしい」では足りない。」などが代表的な行動指針です。 Googleは世界でもトップクラスの大企業で常に時代の先端を走り続けている企業です。企業は人から作られますから、その社員たちが常に時代の一歩先を行く努力をしているということになります。Googleはクリエイティブな企業なので行動指針にもその性格が反映されています。行動指針は会社の性格や性質によっても大きく異なってきます。

パルコ

パルコもGoogleと同じく10か条の行動指針を掲げていますので、一部のみ紹介します。「顧客第一主義」「先見性」「おもてなしの心(ホスピタリティ)」などです。パルコの場合はサービス業、接客業なので、お客様第一であるということが行動指針に色濃く出ています。ニトリの場合も同じ販売の仕事ですが、販売と接客を差別化しているということも伺えます。また常に先を見て、お客様が求めているものを探求するという意味でも先見性が掲げられています。パルコでは「全ての仕事の先にお客様がいる」と考えています。

「行動指針」の作り方とは?

会社を作り、行動指針を作ろうと考えた場合、どのようにして作成していけばいいのでしょうか。

その会社で何を実現したいのか

行動指針は何かを実現するための行動の方針です。行動指針を決めるなら、まずその会社で何を実現したいのかを決める必要があります。実現したいものは具体的に設定しましょう。実現するといっても形のあるものを作るということだけではありません。形のないサービスだったり、形には残らないものでも人の心に残るものはあります。それを実現して相手にどう思ってほしいのか、世間からどういう評価を受けたいのかということから考えるのもいいでしょう。

やることではなくやらないことから決める

行動するための方針と考えると何かをやることをイメージしがちですが、やらないことを行動指針にするのも一つのやり方です。前述したようにGoogleの行動指針にも「悪事を働かなくてもお金は稼げる。」というものがあります。悪事を働かない。他人に迷惑をかけないなども立派な行動指針になります。迷ったら一度自分がこれだけはやりたくないということを思い浮かべるのもいいでしょう。

「企業理念」と「行動理念」、行動指針の違いとは?

行動指針と間違えられやすい言葉として企業理念や行動理念という言葉があります。言葉だけではなく意味も近かったり、重なる部分がある場合もあるので同じ意味だと間違われがちです。しかし厳密にはそれぞれに違いがあります。

企業理念

そもそも理念とは考え方という意味です。なので企業理念とは企業の考え方というように考えましょう。企業の考え方、つまり企業の存在意義やあり方、事業を通してどんなことを達成するのかの目的自体を指します。あくまで考え方であり、この段階では社員に対して行動を促すものではありません。

行動理念と行動指針

行動理念とは行動するための考え方です。行動指針と間違いやすい部分ですが、行動理念は、行動を起こす理由となる考え方、判断をするための心の拠り所という意味があります。そして企業理念や、行動理念などを達成するために行動指針があります。行動指針は何を達成すべきかを掲げたもの、行動理念はどのような理由でそれを達成するのかを掲げたものであると考えましょう。 グループで考えるのなら、一番上に企業理念がいて、その下に行動理念、そしてその中に行動指針がいるということになります。行動指針は実際の働き方や動き方の方針なので、先に企業理念などの考え方が作成されるのが一般的です。

「行動指針」の浸透のさせ方とは?

行動指針は企業を成長させるためには欠かせないものです。仕事をする上での理想の在り方なので、それが達成されれば企業が想定した通りに会社は成長していくと考えられます。しかしどれだけ理想は素晴らしても、現実にそれが達成されなければ意味はありません。どれだけ立派な行動指針を掲げていても、社員がそれを守らなければ何の意味もありません。行動指針は作成し、社員に浸透させるということが大切です。

行動指針と現在の仕事を照らし合わせる

行動指針が浸透していない多くの場合は理想が高すぎて実現できなかったり、抽象的すぎてどう行動すればその指針に沿っているのか分からなくなっています。浸透させるためには、実際の仕事、業務と照らし合わせて、行動指針に沿って仕事をしているということを証明する必要があります。またこのときにもただ行動指針を確認しながらするのではなく、仕事を通じて得た喜びや苦労など、経験の部分に照らし合わせることでより行動指針を実感し、身近に感じることができるでしょう。強い実感は充実感をもたらしますし、行動指針に沿って仕事をすればそのような喜びが得られると分かれば、進んでその通りに行動するでしょう。

評価に直結させる

行動指針に沿って仕事をすることを従業員自らに考えさせ、行動させるように仕向けるのがこのやり方です。行動指針を守れているものの人事評価を上げる、昇給させる、表彰制度など社内表彰で取り上げるなど、行動した結果を分かりやすい形で従業員に還元することで行動指針の浸透を促します。 報酬が出るとなればモチベーションも上がりますし、行動指針について自ら考えることでその理解度も増します。初めは報酬目的だったものの、いつの間にか行動指針や経営理念に共感し、働くようになるという人も出てくるかもしれません。成功報酬という形で分かりやすく示すのも効果的だといえるでしょう。

「行動指針」は企業の原動力である

行動指針は、企業の社員が実現すべきことへの取り組み方を定めたものです。しかしルールという面だけでは収まらない力が行動指針にはあります。行動指針には、その企業で働くことにはどんな意味があるのか、その一員になれることにはどんな喜びがあるのかを社員に伝えるためのものでもあります。ただ行動のためのルールを決めるのではなく、社員がここで働きたいと思わせるメッセージが必要になります。浸透しない行動指針にはこのメッセージが足りていません。正しく伝われば社員は必ず、期待以上の働きを実現してくれるでしょう。行動指針は企業の原動力になります。会社を会社たらしめる重要なものであるということを覚えておきましょう。

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