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内々定の取消の可能性・取消事例と理由・取消が不安なときの対処法

ビジネスマナー

近年、「内々定の取り消し」という言葉が話題に上るようになりました。この記事では、内々定についてと、その取り消し、事例、事由、対処法を載せています。「内々定の取り消し」に対しての知識を深めて、もし自分の身に降りかかった時の備えにしましょう。

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内々定の取り消しとは

「オワハラ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。「オワハラ」とは、就活終われハラスメントの略語で、主に新卒の就職活動をしている学生に対し、人材の囲い込みをすることです。 内々定の通知もその「オワハラ」の一端を担うこともあり、悪質な企業だと内々定を理由に様々な手で就職活動を終了させようというケースもあります。しかし、決して内々定という経緯が悪いわけではなく、悪用する会社が存在するだけで、この通知自体に大きな欠陥はありません。 まず内々定とはどういうものかを理解して、実際に内々定の取り消しが行われた場合に、それがどういった経緯で行われたのか、どういう意図で取り消しとなったのかを知る手掛かりとしましょう。

内々定

内々定とは、企業側が求職者に対し内定予定通知を行うことを言います。内定予定通知とは、「○月○日に内定を予定しています」といったように労働契約を結ぶ口約束のようなもので、実際に労働契約が結ばれたわけではなく、採用を確約するものではありません。あくまで予定通知ということで、何らかの理由・事由があれば、その約束は反故となる場合があります。 内々定は、企業が正式に労働契約を結ぶ間に可能な限り優秀な人材を確保しておきたいという囲い込みの手段であり、会社と求職者の両者には契約による拘束は存在していません。

内々定の取り消し

内々定は、企業が求職者を出来るだけ確保しようという活動の域を超えるものではなく、その取り消しとは、囲い込みの破棄であり、内定の契約を破るものではありません。よって、企業側は社会通念を別にすれば、内々定を取り消すことができ、採用するものを選ぶことが可能です。 ただし、求職者が内々定の取り消しによって、他の会社への就職活動を損害されたとして裁判を起こすケースは何件もあり、企業側が一方的に取り消しを行うことはリスクが生じると言えるでしょう。損害賠償は、企業が求職者に対して「契約締結における過失」や「内定準備段階の過失」を行ったものとして責任を追及するケースが多くあります。 企業が求職者に対する損害、ひいては損害を受けて求職者が裁判を起こすリスクがあることから、内々定の取り消しには慎重になっている会社がほとんどで、社会全体を通じて常態となっているわけではありません。

内々定の取り消しの可能性

社会通念上、悪質な企業ではない限り基本的に発生することのない「内々定取り消し」ですが、それでも内々定の通知がなされたにもかかわらず、キャンセルされるといった場合があります。 通知を受け取った側からすれば、一方的な約束の反故としかとれないこの取り消しは、求職者側にとってどれほどの可能性があるのでしょうか。

内定取り消しとの違い

「内々定取り消し」の可能性を知る前に、さらに重大な「内定取り消し」を見ていきましょう。内定とは、両者合意の労働契約が締結されたことを言います。その合意は、主に企業側からの通知によって行われ、それに求職者側が意思確認を見せたことで結ばれます。内定の通知とは採用通知であり、その通知は様々な方法にて内定の条件を満たします。 例えば、「入社日や入社後の条件の通達」であったり、「入社における研修通知」、「入社書類の提出」を求めること、または「採用確約の趣旨を含む文言」を伝えることも内定になり得ます。内定取り消しは、その通知の破棄であり労働契約の反故です。これは社員に解雇を通達すると同等の重要さで扱われ、内定を受けた求職者は、その契約が破棄されたことで契約違反を訴えることが可能です。 ですが、契約違反にならない内定取り消しも存在し、それは一定の判断に基づいたうえで、解雇と同等の理由において取り消すことができるのです。理由には就業規則に抵触する程度のもので、「卒業や退職、資格取得の未完了」や「書類提出の不備、虚偽申告」、「健康状態の問題」、「犯罪行為」などのケースが挙げられます。加えて、企業側の理由も有効となる場合があり、業績不振などの事由がそれに当たります。しかし、企業側の理由により「内定取り消し」となる場合には、多くの要件をクリアしなければならなく、単に業績が悪いからといった条件では、「契約条項の過失」に見なされることもあります。

「内々定取り消し」は、契約成立した状態にない分、企業側が「内定取り消し」をする程のハードルが下がっていると言えます。「内定取り消し」は解雇と同等であるのに対し、「内々定取り消し」は解雇程の重要性は持ち得ないでしょう。 しかし、内々定の通知が内定通知の条件に近似していれば、「契約準備段階の過失」としてその取り消しと不当な、求職者に対し損害を与えたものとして届け出を出すことは可能です。程度の問題とはいえ、近年は求職者の活動を損ねるものとして、内々定の取り消しも内定の取り消し程として扱われていることはその判例から窺うことができます。

内々定取り消しが行われる場合とは

内々定は、言ってしまえば「約束」であるために取り消しが行われることは容易です。しかし、労働契約の予約行為として認められるにつれ、「内定取り消し」と同程度のリスクが生じるようになったことから、余程のことがない限り発生しない限り行われることはないでしょう。そのことから、内々定の通知があった後の書類や研修、または面談などで新たに選考され、入社を拒否されるといった場合はほぼないと言ってもいいでしょう。 しかし「内定の取り消し」にも相当する、会社の深刻な業績悪化や倒産、被災による甚大な被害があった時や、または通知を受けた求職者が当人に重大な過失が認められた場合は、企業側が受け入れた時のリスクを考慮して、「内々定取り消し」が行われるケースがあります。

過去にあった内々定の取り消し事例

新卒予定者が5月に内々定、9月末に取り消し

大学を卒業予定のAさんは、春から就職活動を始め、不動産会社に5月30日付で内々定の通知を受け取りました。その通知には、入社承諾書が付いていて、10月1日に内定の発令を行うことが記載されていました。Aさんは入社承諾書を翌日5月31日に返送し、内々定は会社と求職者の両者に周知されました。 そして9月29日、Aさんは受け取ったのは不動産会社から封書を受け取りました。そこには業績悪化のため内々定を取り消す旨が書かれており、Aさんは突然のことに驚き、そしてそれまで連絡がなく、内定予定日近くに内々定が取り消されたことから損害を受けたとして不動産会社を訴えました。 裁判所の解釈として、内々定の取り消しは「内定発令が可能となる間に、求職者が他の企業に流れるのを防ぐ活動」として契約違反には触れていないことを説明しました。その上で、金融危機による業績悪化とはいえ、内定が決まる直前に一方的な取り消しを通知したことは一般的な信義則に反するとして、減額したものの会社側へ75万円の支払いを命じました。

最終面接通過後、内々定を受け、翌日取り消し

新卒予定者であるBさんは、英語能力を必要とする会社に応募し、最終面接を受けました。そして1週間が経ち、メールで内々定の通知を受けました。Bさんはメールを返信しましたが、しかし翌日返ってきたメールは内々定取り消しの内容のものでした。 メールにはBさんのコミュニケーション能力が高く、受け答えも素晴らしいものだったことが書かれていましたが、改めて選考した末、社風に合わないことや英検が所持しているが、英会話の能力が満足ではないことが内々定取り消しの理由として挙げられていました。会社は事業戦略として今後海外に展開し、中小企業として採用人数が限られる中、他に英語能力が高い者を採用するとの主張で、Bさんはこの内々定に納得できませんでした。 しかし、裁判沙汰にするほどの決定的な根拠はなく、通知の期間も比較的早く、就職活動がまだ間に合うため、訴えを出すことはしなかったそうです。

転職求職者が面接後に条件を提示されるも、採用見合わせ

Cさんは転職活動中、とある会社の一次面接を受け、その後会社の人事担当から電話で「望んでいた条件とは異なる条件だが、よければ採用を前提に再度面接を行いたい」と連絡を受け、了承しました。一週間後、再度面接を受けたCさんは、面接の場で具体的な業務内容や条件を提示され、その場で了解して、詳細や細かな質問等を連絡する旨を受けました。内々定という言葉は出なかったものの、採用を前提とした話だったため、実際には「内定の予約」として内々定の取り決めがそこで為されました。 しかし翌日、会社側から連絡があり、採用を見合わせたいという内容を伝えられました。理由として、最終的な判断を下す人間が若い人材から検討する方針を打ち出したためとのことです。Cさんは内々定を得られたとして、他の面接を断っていたこともあり、会社に再選考を申し入れましたが、採用の見合わせは覆ることなく、また就職口を探すこととなったといいます。

内々定取り消しの主な理由・事由

企業側の業績悪化

内定を取り消す理由に、会社の業績悪化や倒産、災害の被害があった時、または求職者が自身の重大な過失が認められた場合を挙げましたが、内々定の取り消しにも同じ理由が多く挙げられます。 ですが、内々定に法的拘束力はないことから程度を軽くみた企業側の中には、度合いの不明な業績悪化や不当な求職者の不備を理由にするところもあるそうです。内定取り消しの理由に業績悪化が認められるケースには、「経営上、人員削減が必要と認められる」、「人員削減を避けるための経営努力を行ったか」、「理に適った人選の削減か」、「労働組合や社員との合意は果たされているか」といった解雇要件を満たさねばならず、そう簡単に内定取り消しが行うことはできません。 しかし内々定の場合はそうはいかず、これらの要件を満たさなくとも取り消すことが可能なため、求職者は注意する必要があります。

求職者側の過失

また求職者自身の過失として、「卒業や退職ができない、資格を取得していない場合」や「書類提出に不備がある、経歴詐称していた場合」、「重大な健康上の問題が発生した場合」、「犯罪を犯して逮捕された場合」が内定取り消しにあたりますが、これはもっともな条件でしょう。 しかし内々定が通知された後、実務能力や学歴、人柄、性格、態度の良し悪し、趣味嗜好で取り消しとなる場合はほとんどなく、例えあったにしても社会通念と照らし合わせて過剰な逸脱が見られなければ、就職活動における企業側からの損害として被害を訴えることもできますので、不安な方は安心して下さい。

内々定取り消しにならないための対処法

なにかあった時のための証拠を保存

内々定には必ず通知があります。メールならばそのメールを、電話なら通話記録や録音した音声を、書面ならその書類を、必ず通知日と共に記録しておきましょう。 同時に意思表示をしておくのも肝心です。電話やメールには内々定の通知があったことを記載した感謝の言葉をメールで返信しておきましょう。書面であれば、内容証明郵便で郵送するようにしましょう。

いつまでも連絡がなければこちらから連絡をする

内々定取り消しの通知を行わずにいつまでも何の連絡もなかった場合や、取り消しの通知をしてから返信したがなにも帰ってこなかった場合は、あきらめて連絡を絶ってしまうと取り消しを飲んだと取られる場合があります。その場合ははっきりと書面で取り消しを撤回する文章を送りましょう。内定を出してほしいと思わなくとも、裁判になった場合自分の意思を明確に示した材料として残すためです。

弁護士・労基局に相談する

取り消しの理由が悪質な場合、損害賠償を求めることも可能です。早い行動が重要となってきますので、法に強い弁護士や労働基準監督署、公共職業安定所に申し出ましょう。また相談だけでも心強い味方になってくれるはずです。

内々定にくれぐれも注意しましょう

繰り返すこととなりますが、内々定はあくまで内定を予定した「約束」です。その点をしっかりと理解した上で、通知を貰った後も慎重に行動しましょう。特に会社側が内々定を軽んじる兆候があれば、怪しむべきでしょう。一般的な企業は就活にて悪いニュースを噂されることを決して望みませんので、内々定においても慎重に対応してくれます。過度な囲い込みや幾たびにも渡る面談がある場合は、注意して対処しましょう。

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