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個人事業主に必要な開業届の書き方・提出場所

独立ノウハウ

事業を開始すると、税金を納付する義務が生じます。その区分けが「法人」「と「個人事業主」です。開業届は、「(法人ではなく)個人事業主として事業を開始します」ということを税務署へ届け出るための、「最初の税務書類」です。開業届は、納税地を管轄する税務署に提出します。

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開業届とは個人事業主になるための届出書

開業届は、正確には「個人事業の開業・廃業等届出書」というもので、事業を開始した個人は、「事業開始日から1カ月以内」に開業届を税務署に提出して個人事業主にならなければなりません。 事業を開始すると、税金や保険料を払うなどの義務が生じます。その区分けが「法人」「と「個人事業主」です。「個人事業主」とは、「株式会社」「有限会社」などの法人格を持たない事業主体です。開業届は、「(法人ではなく)個人事業主として事業を開始します」ということを税務署へ届け出るための、「最初の税務書類」です。 「法人」「と「個人事業主」の税務上の得失などは「個人事業主ってなに?+会社員となにが違う?+自営業となにが違う?+個人事業主になるメリット・デメリット」で解説しています。 開業届の提出は、期限を過ぎても罰則はありません。これは実際には確定申告の際には必要となるので、その時期に同時に提出することもできます。提出しないと、これは脱税につながり、脱税は違法行為となります。

開業届とはどんなもの

開業届の用紙は、税務署にも用意されていますが、国税庁のホームページの[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続の[申請書様式・記載要領]からダウンロードすることもできます。 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm ダウンロードした書式では、入力欄を設定されたPDFが入手でき、次の図のグレーの部分に入力できるようになっています。

開業届とはどんなもの

この届出書の用紙には「書き方」が付属しており、非常に丁寧に書かれていますが、以降で逐次解説していきます。

開業届の提出先はどこか

これは「納税地を所轄する税務署長」となっていますが、この言い回しは官庁特有のもので、提出に行ったからといって税務署長が会ってくれるわけではありません。 国税庁ホームページの「国税庁紹介」の「国税局の所在地及び管轄」から、事業主が自宅で開業する場合にはその住所、あるいは「事業用の事務所」が「納税地)となり、その地を管轄する「税務署」の窓口に提出します。つまりこの開業届を提出した税務署が、今後の納税の窓口になるわけです。 http://www.nta.go.jp/soshiki/kokuzeikyoku/kankatsukuiki/syozaiti.htm なお、この開業届は、事業の開業のみならず、「事業用の事務所」の「新設、増設、移転、廃止」にも必要であり、その所在地が納税地と異なる場合には、それらの事務所の所在地を所轄する税務署にも提出します。

個人事業主の納税地とは

個人事業主の納税地は「国内に住所を有する者はその住所地」と決められていますが、「国内に住所を有せず居所を有する者はその居所地」、「どちらもないが事務所を有する者はその事務所等の所在地」と決められています。もし個人事業主が選択した納税地が、「その事業者の行う資産の譲渡等の状況からみて納税地として不適当」と税務署が判断すると、税務署はその納税地の国税局長又は国税庁長官名義で納税地を指定しなおすことができます。

開業届の書き方…その1

右上部分の届出者:個人事業主の情報の入力例を示します。上半分のフィールドの高さが少ないので、こんなに文字が小さくなりますが、提出には問題ありません。以降は新規開業に絞って説明します。

開業届の書き方…その1

税務署名

「納税地」(多くの場合は個人事業主の住所)を管轄している税務署名を書きます。

提出日

開業届の提出日を和暦で書きます。窓口で書き込んでもいいでしょう。

納税地

自宅で仕事を行う場合は[住所地]を選んで自宅住所を、住所地以外のところにお店や事務所などがある場合は[事業所等]を選んでその住所を記載します。電話番号は、固定電話でも携帯電話でも構いません。

上記以外の住所地・事業所等

納税地に[事業所等]を選んだ場合は、自宅の住所と電話番号を書きます。

氏名

氏名にカタカナでフリガナをふります。印鑑は認印でもOKです。

職業

事業の内容を簡潔に記述します。事業の内容がわかれば、特に制約はありません。

屋号

屋号とは、事業を行う店名や事業名称のことであり、登記・登録などがされている必要はなく、個人事業主がどんな名前で商売したいかを表すものです。必須ではないので空欄でも構いませんし、後で変更することもできます。

開業届の書き方…その2

届け出内容の上半分の入力例を示します。フィールドの高さが小さいので、かなり文字が小さくなりますが、提出には問題ありません。

開業届の書き方…その2

届出の区分

新規で開業する場合は開業に○を付けます。

所得の種類

多くの場合[事業所得]でしょう。不動産・山林にかかわる事業の開始の場合には、それぞれを選びます。

開業日

開業日とは、事業を開始した日のことを言います。どんな日を選ぶかは個人事業主の自由です。この日から1カ月以内に開業届を提出するわけですが、期限を過ぎても罰則はありません。

開業に関する届出書提出の有無「青色申告承認申請書」

青色申告を選ぶ予定かどうかを記入します。もし初年度から青色申告を選択する事業者は、次の期限までに申請書等を提出します。 ① 1月15日までに、新たに事業を開始した場合……その年の3月15日 ② 1月16日以降に、新たに事業を開始した場合……事業を開始した日から2か月以内

開業に関する届出書提出の有無「消費税課税事業者選択届出書」

課税事業者を選ぶ予定かどうかを記入します。もし初年度から課税事業者を選択する事業者は、事業開始暦年の年末までに申請書等を提出します。初年度は、「課税事業者」を選択しない方が得です。これは最後に少し説明します。

開業届の書き方…その3

届け出内容の下半分の入力例を示します。このあたりは、事業内容や陣容と給与に関する事項です。

開業届の書き方…その3

事業の概要

上の[職業]欄で記載した内容を、より具体的に書きます。これも事業の内容が分かれば、特に制約はありません。

給与等の支払の状況/ 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無/給与支払を開始する年月日

これらは、開業届を提出する時点でわかっている範囲を、実情に合わせて記入しますが、これらは事業規模の把握に必要なものであり、開業届に全て正確に記載する必要はありません。確定申告時に再度提出することになります。従業員、パート、アルバイトがいない場合は空欄にします。

開業届に関連する2つの申請:消費税課税事業者とは何か

開業届に関連する2つの申請:消費税課税事業者とは何か

個人事業主であれば、前々年に1000万円を超える課税売上高がある場合は消費税を納税する義務が生じます。ということは、該当する年の売上高が1000万円以下の場合は、免税事業者となって消費税の納付義務を免除されることになります。 したがって、開業年は消費税の納付義務を免除されていますが、ここで課税事業者を選んだ方が有利な場合はこれを選択できます。この予定であることを記述し、確定申告までに個人事業主は、「消費税課税事業者届出書」を税務署に提出します。

課税事業者を選ぶメリット

次のような場合には、個人事業主は課税事業者になった方が税の還付が受けられます。 ○設立初年度で仕入れ>売上の場合 ○売上が免税となる輸出取引 消費税は国内取引のみに適用されるので、輸出取引による売上は消費税が免除されると同時に、仕入れにかかる消費税は個人事業主に全額還付されます。

開業届に関連する2つの申請:源泉所得税の納期の特例

源泉所得税は、原則として徴収した日の翌月10日が納期限となっていますが、「給与の支給人員が10人未満」である場合は、源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の納税を年2回にまとめて納付できます。この特例制度を利用する予定であることを記述し、確定申告までに「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出します。

個人事業主にはもう1つの開業届が必要

開業届は税務署に提出するものですが、実はもう1つの開業届があります。それは都道府県に提出する「事業税の開業届」です。個人事業主に課される税金は、所得税や住民税だけではなく、個人事業税もあり、これは、国が課税する「国税」ではなく、都道府県が課税する「地方税」です。そして、この事業税についても「開業届」の提出が必要となります。

個人事業税の開業届は様式や提出期限が地域によって違う

個人事業で利益が出た場合、個人事業主は個人事業税も納付しなければなりません。個人事業税は、事業所得から事業主控除、事業専従者控除、繰越控除等を差し引いた課税所得に税率をかけて得られます。事業主控除は定額の290万円です。この税率は、業種によって違いますが、あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅうなどが3%、畜産業や水産業、薪炭製造業などは4%、その他はほぼすべて5%なのですが、指定業種に当たらなければ非課税であり、たとえば文筆業は非課税です。なお、個人事業税は経費に計上することができます。

開業届は国税のためのものなので全国共通ですが、事業税の開業届は地方税のためのものなので、その様式、提出期限は各都道府県によって異なります。事業税の開業届の用紙は、各都道府県の窓口で入手できるほか、各都道府県のホームページからダウンロードすることもできます。たとえば、東京都の開業届の様式はこちらから入手できます。 URL:http://www.tax.metro.tokyo.jp/shomei/03-a.pdf

個人事業税の開業届は様式や提出期限が地域によって違う

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