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IT業界・IT企業の志望動機例|未経験の場合・新卒の場合

転職ノウハウ

ITバブルなんて言葉は最近聞かなくなってきましたが、それでも未だ夢が詰まったIT業界。そんなIT業界に初めてチャレンジする際に最も困るのが志望動機を考える事です。当たり障りのない、誰もが書いてしまう志望動機では通りません。重要なポイントをお伝えします。

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ポテンシャル採用で志望動機は最重要ポイント!

IT企業の人事として毎年、200名の面接を行なっており、うち半数の100人は新卒や未経験者です。みんな未経験でスキルもない中、面接で最も差がつくのが志望動機です。そんな最重要ポイントでありながら、何故か大半の方は、ことごとく面接官を落胆させる事しか言えないんです。 逆に、ここさえ抑えればライバルに大きく差を付けることが出来るので、以下のポイントを是非参考にして下さい。後半に良くない例、良い例もご紹介しています。

「自分らしく」よりも「自分なりに」が大切!

まず、初めにお伝えすべき最も大きな勘違いポイントは、今回のテーマであるITに限らず、学生や若者が志望動機を考える際にやりがちな、「自分にとって最もらしい理由」を考えてしまう事です。 過去の自分を真面目に自己分析した結果なのでしょうが、大抵はありきたりな根拠しかでて来ません。その自分らしさを一生懸命考えるより、その仕事、その会社で活躍する未来の自分を想像し、自分の言葉で素直に伝える、その方が面接官は色々聞きたくなってきます。 何故ならば、今回の応募に関して、職種の内容や業界、企業の事を時間を掛けて調べ、「自分なりに」考えてきた事が伝わってくるからです。

そして何より、未来を語る事は前向きな印象を与えます。未経験での応募では特に、過去の経験がないわけですから、熱意のみしかアピールポイントがありません。その熱意を伝える為に、かならず過去だけでなく未来を入れましょう。

きっかけと、志望動機は違うという事!

上の話の極端な例は、きっかけのみを志望動機にする方が非常に多いという事です。その場合、志望動機ではポイントを獲得する事はできません。結果、ほぼNGだという事です。 「もともとPCが好きで」 「モノづくりが好きで」 「数学が好きで」 「興味を持ち、やってみたいと思いました!」と言う人は非常に多いです。 本人も根拠がしっかりしていて、自分に出来る事がロジカルに伝わっていると思い込んでしまいます。

でも、これでは根拠として弱すぎます。何故ならば、きっかけだけでは、ちょっと言葉尻を変えれば、今回の応募についてだけでなく、どんな職種、どんな企業の仕事に対しても使える、特徴のない動機に聞こえてしまうからです。その結果、やりたい熱意がほとんど伝わってこないのです。

きっかけ重視は、IT業界ならではの罠

IT業界は、プログラマーやシステムエンジニアのイメージから、特に適正が大きく影響してくると思いがちです。その適正を、自分の過去から最もらしく考えることに注力していると、興味を持ったきっかけばかりを伝えてしまう罠に陥ってしまいます。採用する面接官は、未経験者からスーパーエンジニアを採用しようとは思っていません。 大抵の場合は入社後にしっかりとした研修を行ってくれる企業が多いので、ITについて興味がありさえすれば適正はそれほど求めていません。それよりも、入社後の研修や、その後の自己学習をしっかりと継続してくれるだけの熱意や覚悟を示してくれること、そのことの方が重要です。

志望動機は1日にしてならず

志望動機の難しいところは、各応募ごとに考えなければいけない、時間と手間が掛かるという点です。一人平均10社も応募すると、志望動機を毎回考えるのは正直面倒になってきます。結果、汎用性の高い当たり障りのない物になってしまうのです。

ただ、毎回イチから考えるのは現実的ではありません。業種や職種ごとにしっかりとベースを作り込んでおき、そのベースに対して会社の特徴をアレンジしていきます。「研修が充実」、「顧客に強みがある」、「商品の市場優位性が高い」など特徴は様々です。 その特徴をただ述べるのではなく、それに対して自分がどうしたいのか、どうなりたいのかを連結して、自分なりの志望動機にしていきます。 ・業種や職種ごとのベースを作る ・応募企業の特徴を調べる ・自分なりに応募企業を志望する理由を考える これだけのステップをきちんと踏んでいくには、一夜漬けでは到底無理です。履歴書作成の段階から余裕を持って取り組まなければ、志望動機を考える事は出来無いのです。

なぜIT業界?「自分なり」の思いを伝えるのは難しい。

それでは、「熱意」や「覚悟」は一体どうやって伝えれば面接官に伝わるのでしょうか。ただ単純に「頑張ります!」や「やる気があります!」だけでは誰だって言えます。 そこで重要なのが具体性です。IT業界に応募して何をやりたいのか、将来どんなエンジニアになって活躍したいのか、その内容を具体的に「自分なりに」考えることが大切です。

では、「自分なりに」を表現するにはどうすれば良いのでしょうか。これは非常に難しいのですが、IT業界の専門用語をあえて使わない、ことがポイントの一つです。 「要件定義から実装までを一貫して行えるエンジニアになりたい」と言うより、「お客様のやりたい事、望んでいる事をしっかりと確認し、その要望がプログラムになるまで仕組みを自分で考えて作れるようなエンジニアになりたい」と言う方が良いです。 表現が稚拙に思えるかもしれませんが、薄っぺらさはなく、自分の言葉で話している印象が伝わります。

知らないから使いたくなる、IT業界のテンプレフレーズ

ネットワークエンジニアなどITインフラ系と呼ばれる職種で多いのが「御社では運用保守からスタートして設計構築ができると考え志望しました」という志望動機です。 設計構築とは、自分で考えて、作る事を行う作業ですが、あくまでそれは作業工程の名前であって、具体的に何作りたいの?という当然の疑問が面接官には出てきてしまいます。 ただのイメージでやってみたい、と思っているとこうなります。

一方、自分事として一生懸命、本気で考えてきた人には、「御社は銀行のネットワークの設計構築までやっていらっしゃいますが、私は外部からの攻撃から銀行の情報を守れる強いネットワークを作る事に魅力とやりがいを感じ、志望しました」というような、具体的なキーワードが出てくるはずです。 これらは企業の情報を詳細に知っていなくては考えられない事では決してありません。 いかに、具体的に考える手間を惜しまないか、そして、内容が正しいか正しくないかではなく、自分が興味を持っている事をぶつける勇気を持っているか、そういう真摯な姿勢を持つ事が重要なのです。

また、「これまでにない画期的な機能を考え、1000万ダウンロードするスマホアプリを作りたい」というよいな、非現実的で夢見がちな志望動機では、いくら具体性があっても面接官に真摯な姿勢を印象づけるのは難しいでしょう。

具体的なのはOKだが、それに固執しすぎるのはNG

ここで一点注意して頂きたいのが、あまりに熱く思いを伝えようとするが故に、自分がやりたい事に固執してしまう事は決して良くないという事です。 例えば「御社のWEBサービスをAndroidアプリとしてリリースしたいです。それを何としても実現したいと思います」という志望動機はどうでしょうか。 一見相当な覚悟や思いを持っているという強さが伝わってくるのですが、一方で仮に何らかの事情でそれが叶わない状況があった場合、「この応募者は辞めてしまわないだろうか」という不安に駆られてしまいます。

また、この一点を強く度々主張するような場合は、意志が強いというプラスの印象から、頑固で意地っ張り、というマイナスの印象へ変わってしまう恐れもあります。 従って、「もし機会を頂けるのならば、Androidアプリのリリースを担当させて頂きたく、志望しました」というニュアンスに留めておく方がリスクは無いという点で効果的です。

志望動機にはエビデンスをプラス

志望動機を考える、という事からは少し外れてしまいますが、志望動機の後に続く質問として多いのが、「そのために貴方が今実行している事は何ですか」という質問です。 せっかくこれまでのポイントを押さえて、しっかりと志望動機を語れるようになったとしても、それに中身が伴っていなければ張りぼてに過ぎません。しっかりとした志望動機の「エビデンス=証拠」が必要です。 張りぼては一点を突かれると、取り返しのつかない所まで深く追求され、面接が終わる頃には灰になってしまうくらいの敗北感を味わう事もあります。そうならないために、中身をしっかりと詰め込んでおく事が大切です。

ITの技術は高度化、多様化が進む一方で、いつでも誰でも勉強できるような書籍や教育サービスが充実しています。特に、「schoo」を代表とするオンラインサービスの成長が著しく、これらをやってないと逆に「なんでやらないの?」と思われてしまう事もあります。

とはいえ、IT未経験の段階でオンライン学習をしている人は、まだまだ多くないのが現状です。 そこまで踏み込んでいなくても、「書籍を買って勉強しています」や「OracleMasterの資格取得を目指して勉強しています」という事で良いのです。志望動機で述べている思いが本物である証拠を、今現在の行動で示してあげれば良いのです。 志望動機を述べる際に、今取り組んでいる事まで含めて、こちらから伝える事が出来れば、よりしっかりと相手に伝わる志望動機にする事が出来ます。

IT業界にありがちな「研修が充実」の大きな落とし穴

これまで記載してきた内容が、志望動機の主な要点となりますが、IT業界にチャレンジする若者が陥ってしまう落とし穴がもう一つあります。 それは、入社時の研修に焦点を当ててしまう事です。IT業界は定常的な人材不足が続いており、大手求人サイトでは、大小の規模を問わず各社が新卒や未経験者の募集を行っていますが、そのほとんどが「充実した研修で未経験からエンジニアへ!」という手厚い研修を売りにしています。 そして、当然応募する側も、企業の特徴を志望動機にするわけですから「御社の研修制度に大変魅力を感じ志望いたしました」となるわけです。

ところが、募集している企業としては「研修を受けて欲しい」と思っているわけではなく、「研修を受けスキルを身につけ、一刻も早く現場で活躍して売り上げに貢献して欲しい」と思っているに決まっています。 そこの思惑を履き違えて研修を受ける事をゴールにしてしまうと、ほぼ間違いなくNGとなってしまいます。研修はあくまで通過点であって、ゴールは現場でのエンジニアとしての活躍である、という事は必ず肝に銘じておく必要があります。

IT業界を未経験から応募する際に言ってはいけない例文集

さて、ここまででIT業界に未経験からチャレンジする際に知っておくべき、志望動機を考える際のアドバイスは終了です。 最後にそれぞれのポイントを踏まえて、志望動機の例文を幾つかご紹介いたします。良くない例を多く紹介していますが、良い例も記載しますので、是非参考にしてみてください。

志望動機として良くない例

(例文1) 私は元々パソコンが好きで良く家でインターネットをして利用しています。パソコンに携わる仕事がしたいと思って御社に応募しました。 (解説1) きっかけが志望動機の全てになってしまっています。きっかけだけでは志望動機として弱いです。

(例文2) 前職の飲食店の店長をしていた際に、POSシステムを利用していましたが、その便利さや重要性を強く感じ、私もエンジニアとして技術を磨いてみたいと思い応募しました。 (解説2) 自分の過去の経験から「自分らしい」理由を考えていますが、これも「きっかけ」に過ぎません。また、一般的なITの特徴である「便利さや重要性」を述べている事も、応募者なりの考えが無く、非常に薄い印象を与えてしまっています。

(例文3) インターネットやスマートフォンをよく利用していて、その裏側がどうなっているのか興味を持ちました。そこでプログラミングについて調べたところ、私もやってみたいと思いました。 (解説3) ITに関する興味と、行動について述べられている点は良いのですが、応募する企業に関する具体性が無く、IT業界の非常に表面的な部分しか関心が持てていない印象を与えます。興味本位であり仕事として取り組む思いにまで至っていません。

(例文4) 御社のように、システムの保守や実装だけでなく、要件定義や設計まで携われる企業に魅力を感じています。保守からスタートして、将来は要件定義を行なっていきたいです。 (解説4) IT業界の専門用語に逃げてしまうパターンです。一生懸命調べた言葉を使っているつもりだと思いますが、正直面接官は聞き飽きています。「保守からスタートし」という言葉を聞いた瞬間に「ダメだ」と判断してしまっているかもしれません。

(例文5) 私はVRの技術を使って、学生時代に勉強してきた福祉の現場の問題を解決したいと考えています。将来必ず重要な技術となってくるVRのスペシャリストとして御社に貢献したいと思っています。 (解説5) あまりにもVRばかりにフォーカスを当てすぎています。VRはあくまで一つの技術要素であり、そこに目的を置きすぎてしまっては、そのニーズがない場合は全くの的外れとなってしまいます。

(例文6) 私は、これまで営業職を5年間続けてまいりましたが、その中でITエンジニアの方の仕事ぶりに感銘を受け、断固たる決意を持って退職して転職活動をしています。やる気と覚悟だけは誰にも負けません。今の所は、まだITの技術についてネットで調べた程度ですが、これからITパスポートの勉強をしようと思っています。 (解説6) 志望動機に対するエビデンスがないです。強い覚悟が行動に表れていないので信憑性がありません。「これから始めようと思っている」ではなく、行動に移す、もしくは行動の具体的なプランを伝えるくらいでないと、応募者の思いは信じてもらえません。

(例文7) 御社の2ヶ月間の研修に魅力を感じ応募しました。また、入社後もしっかりとしたサポート体制があるのも安心感があります。 (解説7) 「充実した研修」の落とし穴にはまっています。また入社後も自分で何かを実現したいのではなく、企業の良い所を紹介するような志望動機では、受け身の姿勢である事や、「自分なり」に考えていない事がすぐにわかってしまいます。

志望動機として良い例

(例文8) 前職の店舗運営で新しくシステムを導入する機会がありITに興味を持ちました。それから自宅に無料で作れるサーバを構築した時、とても面白さを感じましたので今回思い切って御社の募集業務に応募しました。御社の業務を通じて、サーバに関する経験を積んでいき、お客様の課題に広く対応できるエンジニアになりたいと思い志望しました。 (解説8) きっかけだけでなく、行動のエビデンスがあり、入社後のイメージを自分なりの言葉で伝えているため、素直で前向きな印象を与えます。具体性が弱いので企業の特徴に関連した業務内容にするとより良いです。

(例文9) 自分のやりたい事が明確でない中で、フロントサイドエンジニアの仕事を知りました。正直まだまだ知識不足ではありますが、顧客の要望を聞いて形にする、という点で前職の法人営業でのヒアリング経験を生かすことが出来ると考えています。先日購入した書籍を参考に今月中にWEBサイトの制作を一通り実施する予定です。 (解説9) あまり知識もなく、まだまだ行動もできていない状態です。ただし、自分なりにエンジニアとして活躍するイメージを考えている点や、今後取り組むことを計画している点にいおいて、内容に具体性があり受け身でない、積極的な行動が期待できると思います。

(例文10) 未経験でも受けることが出来る御社の研修を知り、チャンスを頂けるのであれば、是非受講させて頂き、1日でも早くお客様のアプリケーション開発に携わりたいと思い応募しました。研修に甘んじることなく、配属後も自己研鑽を欠かさず、その時々に必要となる知識を習得していきたいと思っています。 (解説10) 研修を目的とすることなく、現場での活躍を見据えていることが伝わります。また、研修後も意欲的に成長する事を伝える事で、有効な人材として継続的な育成が可能であると面接官に期待を持たす事ができます。

志望動機が内定への鍵

志望動機は内定を引き寄せる最大のチャンスです。少しの努力で面接官との距離をグッと近付けてくれます。自己PRやこれまでの経歴、頑張ってきたことなど、他の項目よりも時間を掛けて作るに値するのが志望動機です。 そのためにも、志望動機以外の項目はしっかりと作り込んで、志望動機の作成に時間を割けるようにしましょう。IT業界の経験もない、資格もない、学歴もない、そんな貴方を救う救世主になる志望動機に全力で魂を吹き込んで下さい。 今回ご紹介したポイントを参考にしていただけると、きっと、これまでとは違う結果が舞い込んでくるでしょう。

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