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「お伺いします」の意味と使い方・敬語は間違いなのか|メール

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ビジネスシーンに限らず、普段の生活において「お伺いします」という言葉。自然と使っている人が多いのではないでしょうか。この記事では敬語の「お伺いします」の意味と使い方だけでなく、使い分けするポイントや誤った表現内容についてもご説明しています。ぜひご覧下さい。

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「お伺いします」の意味と使い方は?

この「伺う」という単語の意味は、「聞く」「質問する」「尋ねる」「訪問する」「行く」というの意味の謙譲語です。「伺う」という言葉は謙譲語になりますが、行為が及ぶ先の人や聞き手(読み手)が目上の人の場合にだけ使うことができる「謙譲語Ⅰ」ですので、使い方には注意しましょう。

まずは謙譲語の種類について理解しよう!

「お伺いします」の説明の前に、簡単に謙譲語の種類についてご説明します。そもそも謙譲語というのは、自分を下に置いてへりくだった敬語表現です。ですが、謙譲語は「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」の2つに分類することができます。 謙譲語Ⅰは「動作の先にいる人」を立てた表現で、目上の方に対して使われます。たとえば、「お客さまの家に訪問する」という場合、「お客さまの家に伺います」になります。ですが「部下の家に行きます」を「部下の家に伺います」は不自然な表現です。このように、「動作の先にいる人」が「高めるべき相手(=目上)」の時は謙譲語Ⅰに当たります。 一方、謙譲語Ⅱは「身内(自分と同等、もしくはそれ以下)」の話をするときに使う敬語表現です。たとえば、「部下が来た」は「部下が参りました」と言い換えることができます。この他にも謙譲語Ⅱは、聞き手や読み手を高める場合にも使われます。

「聞く」「質問する」という意味の「伺う」の正しい使い方は?

以上の「伺う」=「謙譲語Ⅰ」=「目上の方に使う敬語」であることを念頭に置いて、「聞く(質問する)」という意味の「お伺いします」を使う場合についてご説明します。 たとえば、「その件について、お客さまより詳細を伺いたく存じます」「分からない点は、先生にお伺いします」「担当者さんに○○についてお伺いしました」の例文は正しい使い方をしています。これらはすべて「動作の先」が立てるべき人(=目上)にあたるので、適切な表現です。

間違った表現例

では、悪い例はどうでしょうか。たとえば「妹に○○についてお伺いしました」「分からないことがあるので、明日父にお伺いします」「この件について、部下にお伺いしました」という例文は誤りです。 上述したように、「伺う」は謙譲語Ⅰで目上の方に対してだけ使われます。この例文にある「妹」や「父」「部下」は身内(目下)ですので、身内(目下)にこの謙譲語Ⅰを用いるのは不適切になります。

身内(目下)に敬語表現するにはどうすればいいのか?

前述したように、「妹・父」「部下」などの身内や目下の人に対して「お伺いします」(謙譲語Ⅰ)は不適切だと説明しましたが、これらを敬語表現するには「聞く」に「参ります」の謙譲語Ⅱをつけた表現が適切です。 上述したように、身内(目下)の話をする際に使えるのは謙譲語Ⅱです。なので、「妹に聞いて参りました」「父に聞いて参ります」「部下に確認して参りました」というような表現になります。

「行く」「訪問する」という意味の「伺う」の正しい使い方は?

「行く」「訪問する」という意味で使われる「お伺いします」の使い方を例文を使ってご説明します。 正しい例文として、「明日お客さまのところへお伺いします」「御社へは何時にお伺いしてよろしいでしょうか」などが挙げられます。これらは行為の及ぶ先(=お客さま、御社)が目上で、立てるべき相手をきちんと立ててる表現になりますので、謙譲語として適切な使い方をしています。

間違った表現例

「今日の午後3時頃、部下の家にお伺いします」「○○の用事があるので、明日弟の職場に伺います」などは不適切な表現です。 「伺う」は謙譲語Ⅰで目上の方に対してだけ使われるので、身内や目下の人に対しては使われません。この例文の場合、「伺う」の行為が向かってる相手が「部下」や「弟」で身内(目下)になっています。これらを敬語で表すには、「部下の家に参ります」「弟の職場に参ります」が適切な表現になります。

「お伺いします」と「参ります」の違い

では、前述で「参ります」という言葉が出てきましたが、「お伺いします」とどう違うのでしょうか。 「お伺いします」も「参ります」もどちらも謙譲語ですが、この2つは使い方が違います。「お伺いします」は目上の方にだけ使われる謙譲語Ⅰなのに対し、「参ります」は身内(目下)の人に対して用いる謙譲語Ⅱです。

「行く」という意味の「伺う」「参る」の例文

「お客さまのところへお伺いします」「打ち合わせのため、御社には○時頃伺う予定です」などのように、「お客さま」「御社」を高めるべき相手に対しては謙譲語Ⅰの「お伺いします」という表現をします。 「弟のところへ参ります」「部下の家に参ります」のように、動作の向かう先が「弟」「部下」などの身内、目下(もしくは同等)の場合には、謙譲語Ⅱの「参ります」を使った表現をします。 このように、「お伺いします」と「参ります」は、「動作が向かう先」が「目上」か「目下(身内・同等)」かできちんと使い分けしましょう。

「お伺いします」の敬語は間違いなのか?

先に結論から言いますと、間違いではありません。その「間違いではない」という根拠の解説をします。 「お伺いします」という言葉を分解してみると、「伺う」+「お~する(します)」に分けることができます。「伺う」という言葉自体が謙譲語なのは前述で説明したとおりですが、「お〜する(します)」という表現も実は謙譲語になります。つまり、この「お伺いします」という表現は二重敬語になります。

二重敬語はNG!

二重敬語は、その名のとおり同じ種類の敬語が二重に重なって表現されてるもので、これは文科省の「敬語の指針」でも「適切な表現ではない」とされています。ですが、「語によっては、習慣として定着しているものもある」とされています。 この「お伺いします」は後者の「習慣として定着しているもの」とされていますので、「明日お伺いします」と使っても何ら問題はありません。詳しくは文科省「敬語の指針」をご参照ください。

一番正しい表現は「伺います」!

「お伺いします」が二重敬語だけど、習慣として定着しているから問題ないという話をしました。文科省で「習慣として定着しているものは認める」という内容のことが記されていますが、やはり二重敬語なので、「使ってもいいよ」と認められてるだけで、正しいのか間違いなのか、白か黒かで言ったら「黒」になってしまいます。 「それじゃあ一番正しい表現方法はどうなの」という疑問が湧いてきます。その答えは「伺います」が一番正しい表現になります。二重敬語にもなってませんし、「伺う」という謙譲語に丁寧語の「ます」がついた一番最適な形です。 ですので、「明日お客さまのところへ伺います」「何時頃伺えますか」など「伺います」と表現するのが最適な敬語表現になります。

「お伺いします」と「お伺いいたします」どちらが正しいのか?

「お伺いします」と同じような言葉で「お伺いいたします」という表現があります。ですが、これは実は間違いです。 先程も言いましたように、二重敬語は適切ではありません。この「お伺いいたします」は「お〜する(します)」+「伺う」+「いたす」に分解することができ、「いたす」は「する」の謙譲語です。つまり、これは3つの謙譲語が重なってできた過剰な敬語表現になりますので不適切です。人によってはくどい表現だと受け取られることもありますので、十分にご注意ください。

「お伺いします」のメールの書き方

「お伺いします」を使ったメールの書き方をご紹介します。 上述したように、「お伺いいたします」を用いるのは不適切です。ビジネスメールで「お伺いさせていただきます」などと表現するのも不適切になります。これも「伺う」「させて」「いただく」がそれぞれ謙譲語になるので、上述したのと同様に、過剰な敬語表現です。くどい言い方になりますので、ご注意下さい。 正しくは「伺います」「お伺いします」を使って表現します。

「伺う」を使った例文

では実際にいくつか例文を挙げてみます。 「この度は、弊社商品をお買上げいただき、誠にありがとうございます。つきましては、商品説明のためにお客さまのところへ伺いたく存じます。ご都合の良い日時がございましたら、担当○○までご連絡の程、よろしくお願いいたします。」 「機械の点検のため、○月○日○時より伺います。ご都合が悪ければご連絡、よろしくお願いいたします」 「○○の件について、お伺いしたいことがございます。お忙しい中恐れ入りますが、ご回答いただけますようお願いいたします」 以上のように、二重敬語にならないよう「伺います」という表現を用いるようにしましょう。「お伺いします」は厳密に言うと二重敬語ですが、使っても問題はありません。ただし、間違っても「お伺いいたします」「お伺いさせていただきます」のような過剰な敬語は使わないよう注意して下さい。

「行きたい(訪問したい)」は「お伺いしたいのですが」を使おう

お客さまとのアポイントを取るために、「○日の○時にそちらに行きたいんだけど大丈夫ですか」という気持ちを伝えることは多々あります。このように「行きたい」「訪問したいと思う」という文章を、「伺う」を使って二重敬語にならないような表現をご紹介します。 「お伺いしたいのですが」という言葉を使いましょう。この他にも「伺いたく存じます」「伺いたく思います」「お伺いしたく思います」「お伺いしたく存じます」も同じ意味として使われます。

実はこれらは二重敬語ではない!

「伺う」と「存ずる」の2つの謙譲語が入ってるので、ぱっと見た感じではこちらも二重敬語で間違いなんじゃないかと思われがちですが、実はこれは二重敬語にはなっていません。「伺う」と「存ずる」は別の言葉として使われているからです。 「行く」という意味の「伺う」と「〜と思う」という2つの動詞が組み合わさっているだけなので、二重敬語ではありません。ですので、この表現方法は正しい敬語になります。

日頃から正しい表現を心がけよう!

意外とよく使われてる「お伺いさせていただきます」や「お伺いいたします」は、二重敬語になるので実は間違った敬語表現です。正しくは「伺います」です。 「お伺いします」も二重敬語ですが、習慣として広く定着していることから、使っても問題ないというのが文科省で認められています。ですが、二重敬語は二重敬語です。できるだけ「伺います」を用いて表現するようにして下さい。「伺います」がベスト、「お伺いします」はベター、「お伺いいたします」「お伺いさせていただきます」はNGだと覚えておきましょう。 そして、これらは目上の方にしか使えません。目下の人の場合は「参ります」などと別の言葉に言い換える必要があります。適切な表現ができなければ相手を不快な気持ちにさせてしまいます。なので、正しい使い方をして相手を不快な思いにさせないようにしましょう。

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