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「いただいた」の意味と使い方・正しい敬語なのか・例文

敬語

「お菓子をいただいた」や、「お越しいただいた」などのように使われる「いただいた」という言葉はよく聞く言葉です。普段なんとなく使っている人が多い言葉ですが、正しくはどういう使い方をする言葉なのでしょうか。この記事ではそんな「いただいた」についてご紹介いたします。

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「いただいた」という言葉

「いただいた」という言葉

「今ご紹介いただいた〇〇です」、「あの時、いただいた言葉が今でも忘れられません」などのセリフや言い回しを、聞いたことがある方多いことでしょう。ですが、この「いただいた」という表現が、どのような意味があって、どんな使い方をする言葉か、自信を持って答えられるという方は、そう多くはないのではないでしょうか。 この記事では、そんな「いただいた」という表現について、その意味や使い方、そもそも敬語として正しい言葉なのかについてなど、詳しくご紹介します。記事を読んで使い方や意味をしっかり抑えて、正しい敬語をさらりと使えるようになりましょう。

「いただいた」の意味と使い方

「いただいた」の意味と使い方

「いただいた」という言葉は、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。この項ではその意味をご紹介します。

「いただいた」は「いただく」の活用形

「いただいた」という言葉は、「いただく」という言葉の敬語表現の活用形です。ですので、その意味は「いただく」の意味を調べると見えてきます。 「いただく」は敬語の種類でいうと、謙譲語(相手に敬意を示すために、あえて自分や自分に関することをへりくだっていう言葉)にあたる言葉で、「もらう」や「食べる」、「飲む」といった意味がある動詞です。 「いただいた」は、この「いただく」の連用形です。連用形は動詞を、「〜した」、「〜きます」という形にした言葉の形態なので、「いただいた」は、「もらった」、「食べた」、「飲んだ」という意味の言葉だと言えます。

「いただいた」は正しい敬語なのか

「いただいた」は正しい敬語なのか

では、「いただいた」は正しい敬語なのでしょうか。先ほど見たように、「いただいた」は「いただく」の連用形です。「いただく」は、敬語の表現で謙譲語にあたる言葉ですので、その連用形の「いただいた」も当然敬語であると言えます。 では、なぜ「いただいた」という言葉が正しいか、間違っているか、というお話になるかというと、その使い方が問題になっていると言えるでしょう。

「いただいた」は謙譲語

先ほど、「いただいた」の意味をご説明したときに少しお話ししましたが、「いただいた」は謙譲語にあたる敬語の表現です。謙譲語は、「自分や自分に関わる物事をへりくだっていうことで相手をに敬意を示す言葉」です。ですので、本来、「自分がすることやされたこと」に対して、「いただいた」という言葉は使います。 しかし、最近よく見られるのが「相手がすることやされたこと」に対して、「いただいた」を使ってしまうケースです。 例をあげると、職場の人と食事に行って自分より先に相手の方に食事が運ばれてきたときに、「どうぞ先にいただいて下さい」と言ってしまうというようにです。

「相手のこと」をいう時は「丁寧語」か「尊敬語」を使おう!

先ほどの例の場合、食事をするのは「相手の方のすること」ですので、「自分がすること」について語る謙譲語の「いただいた」は使いません。正しい敬語を使うなら、尊敬語(目上の方やお客様に使う敬語)の「召し上がる」を使うか、丁寧語(相手を選ばない丁寧な言葉使い)で「お食べになる」と使うかです。 ですので、この例で相手の方に「先に食べて欲しい」と伝えたい時は、「どうぞ先に召し上がってください」、または、「どうぞ先にお食べになってください」と言うのが正しい表現です。 このように、相手がする動作に「謙譲語」を使っているシーンが多く見られるようになったので、「いただいた」という言葉が正しい敬語か、と言う問題が浮上したといえます。「相手がすること」には「丁寧語」か「尊敬語」を使うと覚えましょう。

「いただいた」の例文

「いただいた」の例文

それでは実際にはどのような時に、「いただいた」という言葉を使うのでしょうか。いくつか例を見ていきましょう。

いただいた次第です

「次第」という言葉は、「物事のなりゆき」や「状況」という意味を持つ言葉です。ですので、上の文章をひらたく言うと、「〜もらった状況です」という文章であるということになり、「〜もらったということです」という意味の文章であると言えます。 ビジネスのシーンなどで、「どうしてこのメールを送っているか」や、「どうして話し合いの場を設けることになったのか」など、理由を述べる時によく使います。 例をあげると、取引先の方に来ていただいたときなどに、「(理由)でしたので、弊社に足を運んでいただいた次第です」というように使います。メールで連絡をして欲しいと自分が頼んでいて、どうしてそう頼んだのか理由を述べるときなども、「(理由)でしたので、ご連絡いただいた次第です」というように使うことができます。 このように、相手に何かしてもらったときにその理由を述べるフレーズといえます。

紹介いただいた

自分を誰かに紹介してもらったときに使うフレーズです。「〇〇様からご紹介いただいた△△と申します」というように使います。例のように「紹介」の前に「ご」をつけて、「ご紹介いただいた」と言うこともあります。 この「ご紹介いただいた」という言葉は「二重敬語じゃないのか」とお思いになる方も少なくありません。ですが、「ご紹介いただいた」は二重敬語ではありません。 二重敬語は「一つの言葉に二つの敬語表現がついた言葉」です。「ご紹介いただいた」は、「紹介する」という言葉に「ご」という敬語表現が一つ付いていて、それに「もらった」という言葉が謙譲語になった形である「いただいた」という表現が続いているのみです。ですので、二重敬語にはなりません。

いただいたメールで恐縮ですが

相手からもらったメールの返信に、そのメールの返信内容と別の用件について聞きたかったり、話したかったりするときに使います。「メール」以外にも、「電話」でも同じように話題を変えたいときや、別の用件を話したいときに使え、「いただいたお電話で恐縮ですが」というように使います。

いただいたにもかかわらず

「相手の方に〜してもらったけれど、それでも望む方向にいかなかった」というとときや、「せっかく〜してもらったけど、最初選んだ選択と違う選択を選ぶことにした」、というときに、謝罪の言葉と一緒に使います。 例えば、もらっていた内定を辞退するときに「(面接に)貴重なお時間をいただいたのにも関わらず大変申し訳ありません」と言ったり、相手の方がプロジェクトを支援してくれていたのに、失敗してしまったときに、「支援していただいたのにもかかわらず、このような結果になってしまい、申し訳ございません」というように使います。

「いただいた」の類語

「いただいた」の類語

ここでは、「いただいた」という言葉と同じ意味を持つ別の表現をご紹介します。別の言い回しを知って表現の幅を増やしましょう。

賜(たま)わった

「いただいた」と同じように、「もらった」という意味を持つ謙譲語です。「賜った」は少し古風な言い回しで敬語の中でも特に固い表現なので、文章の中で使う言葉となっています。「この度はご支援賜わり誠に感謝いたします」、「ご愛顧(あいこ)賜わりありがとうございます」という風に使います。

与(あずか)った

こちらも「もらった」という意味を持つ言葉です。「ご紹介与った」や、「恩恵に与った」というように使います。 「ご紹介いただいた」も自分が紹介されたときに使う表現ですが、「ご紹介いただいた」が「自分以外」のものを紹介するときにも使うのに対して、「ご紹介与った」という表現は自分について紹介されたときに使う表現となっています。

「いただいた」と「頂戴した」の違い

「いただいた」と「頂戴した」の違い

「いただいた」という表現に似た言葉に、「頂戴した」という言葉があります。では「いただいた」と「頂戴した」にはどのような違いがあるのでしょうか。

「頂戴した」の意味

「いただいた」との違いに迫る前に、「頂戴した」の意味についておさえておきましょう。「頂戴した」は「頂戴する」の連用形で、「目上の方から何かをもらうことや、何かしてもらうこと」という意味を持つ、敬語の謙譲語にあたる言葉です。 例えば、ビジネスのシーンであれば、名刺をもらったときに「頂戴します」と言ったり、送られてくるべきメールが送られてきたときに、「確かに頂戴しました」というように使います。 ちなみに、よく「お名前を頂戴します」という言い回しを聴きますが、こちらは間違いです。「頂戴する」は「言葉やものをもらう」という意味の言葉です。「もらう」ということは、「自分のものになる」ということなので、「あなたの名前を自分のものにします」という意味になるからです。 ですので、名前を聞きたいときは、「お名前を伺ってもよろしいですか」と尋ねるのが正しい表現となります。

実は同じ意味の言葉

実は同じ意味の言葉

ここまで記事を読んできた方は、「頂戴した」の意味をきいて、「いただいた」と使い方も意味も同じではないかと思ったことでしょう。実は、「いただいた」も「頂戴した」も同じ意味を持つの言葉です。それは「頂戴」という漢字をよく見ることでも気づくことができます。 「頂戴」の「頂」は「頂く」という漢字ですし、「頂戴」の「戴」も「戴く」という漢字です。つまり、「頂戴した」は「いただいた」と同じ意味を持つ漢字2つでできた言葉だったので、意味も当然のことながら「いただいた」と同じ意味になると言えます。

「いただいた」と「頂戴した」は場面で使い分けられる

では「いただいた」という言葉と、「頂戴した」という言葉には全く違いはないのか、というと、その使い方に少しだけ違いがみられます。 例えば、名刺をもらったときに、「もらいます」、「受け取ります」と伝えたいときに、「いただきます」というのは、言葉の使い方としては、全く問題がありません。ですが、なんとなく変な感じがするな、と感じる方は多いのではないでしょうか。その理由は、「いただきます」という言葉は、「食事の時の挨拶」としても使われるからです。 こういうときに、「名刺を頂戴します」なら変に聞こえません。それに「頂戴した」なら、「いただきます」と全く同じ意味で、同じ使い方ができます。 このように、「いただいた」ではニュアンスがおかしく感じてしまう場面でも、「頂戴した」という表現は使える表現であると言えます。そこが二つの言葉の微妙な違いであると言えるでしょう。

覚えておきたい!「ひらがなで書く時」と「漢字で書く時」の違い

覚えておきたい!「ひらがなで書く時」と「漢字で書く時」の違い

「いただいた」という言葉の、「いただく」という言葉は、「頂く/戴く」と書くこともあるし、「いただく」と書く時もあります。何かこの違いに意味はあるのでしょうか。実は、「いただく」とひらがなで表記するときは、「『いただく』という言葉が補助動詞として働いているとき」と文部科学省によって、決められています。 具体的な例を見て見ましょう。「お菓子をいただいた」と言うときの「いただいた」は「もらう」という動詞の意味を持っています。しかし、「お越しいただいた」というときの「いただいた」は、「来てくれた人が勝手に訪ねて来たのではなく、こちらが頼んだから来てくれた」という意味を示す「もらった」の意味です。 このように、「〜してもらった」という形で使う「いただいた」は、ひらがなで表記し、他の「食べる」「もらう」というときは「頂いた/戴いた」と表記すると定められています。

合わせて覚えたい「頂く」と「戴く」の違い

もう一つ知っておきたいのが、「頂く」と「戴く」の違いです。「食べる」、「もらう」の意味で「いただく」と書き表わしたいとき、通常は常用漢字(学校で習うことがある日常生活で使う漢字)の「頂く」を使います。「戴く」は表外漢字(学校で習ったり、ニュースで使われたりしない漢字)ですので、あまり使われません。 それでもあえて、「戴く」を使うときは、同じ「食べる」「もらう」というときでも、「食べたもの、もらったもの」がとてもありがたいものだった時です。 例えば、滅多に食べれないお菓子だったり、そうそうお声をかけてもらえない方からの励ましの言葉だった時は、「戴く」という漢字を使います。

たまには普段使っている言葉に注目してみよう!

いかがでしたでしょうか。「いただいた」という言葉の意味と使い方、その言葉の正しさについてご紹介してきました。 普段何気なく使っている言葉でも、改めて正しい意味と使い方を確かめてみると、意外と知らなかったことや、思いもよらないことに出会います。そうしたことに出会うことでまた、より良い言葉の表現を探すこともできます。 言葉は自分の思いを人に伝える道具です。「いただいた」に限らず、たまには普段当たり前に使っている言葉に注目して、より自分らしい言葉の使い方や、自分が望むニュアンスの言葉が見つけてみてはいかがでしょうか。

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