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もらい事故の慰謝料相場・保険の申請手順・弁護士費用特約利用法

社会人常識

もらい事故に遭ったらまず知っておくべきことは、自賠責保険と任意保険の仕組みや、弁護士特約の利用方法やメリット、過去の事例を基準とした慰謝料の算出方法など、様々な要因が挙げられます。もらい事故で損をしないためにも、必ず知っておきたい知識を身につけましょう。

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もらい事故と一般事故の違い

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「もらい事故」と「一般事故」の違いを端的に言うと、自分に事故の責任があるかないかです。例えば、駐車場に車を停めていたらぶつけられた、信号待ちや踏切待ちで停止中に追突された、といったような、こちら側の過失がどう見てもゼロのケースを「もらい事故」と一般的に言われています。 ほとんどは、こういった停車中にぶつけられたケースの事を言います。一方、一般事故は、それ以外の事故、つまりこちら側に少しでも責任がある場合の事故、またはどちらにも過失が認められる事故です。少しでもこちら側が動いていたり、急停止した場合、いくら相手が悪くてもこちらの過失がゼロにはほぼなりません。

もらい事故の定義

「もらい事故」はあくまでも俗称なので、きっちりとした定義はありません。ぶつけられた方の過失が限りなくゼロに近い事故も「もらい事故」に含める人もいれば、過失が全くゼロの場合のみに「もらい事故」と言う人もいます。何れにしても、もらい事故とは、自分は悪くないのにぶつけられてしまった事故のことを言います。

もらい事故の慰謝料相場

交通事故を起こした場合、もらい事故にかかわらず、どんな事故でもまず警察に連絡します。警察はそこで事故見分をします。ぶつけた側は保険会社に連絡します。もらい事故の場合は相手が入っている保険会社との直接交渉となります。 車の破損や怪我をした場合は、損害賠償の請求ができます。例えば、「Aさんは停止中に追突され、むち打ちになってしまった。3ヶ月の間、計30回、接骨院に通って電気治療した。」という場合は次のように計算します。 1日あたり4200円×通院30回×2=25万2千円 「治療した期間(この場合3ヶ月、例えば91日)」と「実際に通院した日数×2」の少ない方の数字を使って計算します。Aさんの場合はもらい事故で実際に通院した日数が30日なので×2で60、ということは、治療期間の91日より少ないので実通院日数を使った計算になります。

もらい事故にあった場合の保険の申請手順

自賠責保険は、車1台につき必ず加入義務がある保険ですので、必ず最低限請求できる金額が保証されています。これはいわゆる強制保険であり、車検の明細にある法定費用の中に含まれてます。加害者側がまず保険会社に連絡すると、保険会社を通して、自賠責保険の範囲で手続きが進められます。 被害者側は、連絡先を加害者またはその保険会社に知らせ、車の修理や怪我の治療をするときに修理会社や病院に事故による修理または治療であることを伝えると、修理業者や病院への支払いが保険会社に直接請求されます。

損害賠償の基準には段階がある

人身事故の損害賠償は、120万円まで国の保証で賄われます。それ以上になると、任意保険会社からの支払いになります。ここからが任意保険会社基準が入ってきます。120万円までは国の支払いとなるので、保険会社は傍観です。もらい事故で治療が思いの外長引いて120万を超える前に、保険会社から連絡があります。そこで示談成立となれば、一通りの手順は終わりです。 例えば、まだ治療が必要で、痛みが治らないという場合は、弁護士を通して保険会社との交渉を続けると話がスムーズになります。つまり、算定される賠償金額は次のような順番になります。 自賠責保険基準<任意保険基準<弁護士基準

不当な請求は詐欺罪に

ただし、明らかにもらい事故が軽いものであり、車の損傷が極めて軽度であったのにもかかわらず、いつまでも首が痛いなどと言って治療をわざと長引かせると、保険会社は当然不審に思い、事故の程度から判断して治療を打ち切るように言ってきます。もらい事故での不当な請求は詐欺罪にもなるので絶対にやめましょう。

もらい事故で保険の等級は左右されるのか

自動車保険には、保険料を決める大きな要素として、「等級」があります。最初は6等級から始まり、事故を起こさなけれは、翌年には1等級上がり、7等級となります。無事故で最大20等級までいくと、割引率は64%にもなります。 事故を起こせば、内容によって異なりますが、1〜3等級下がります。ただし、もらい事故の場合は、保険の等級は下がりません。当然のことながら、過失がゼロなのに等級が下がったとしたら、そんな不条理なことはありません。

もらい事故での弁護士特約の利用方法

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被害者が過失ゼロ、つまりもらい事故の場合、被害者側が入っている保険会社は示談交渉の代行はしてくれないので注意が必要です。それは保険会社が加害者側に支払うお金が発生せず、その示談がどうなろうと、保険会社には利害関係がないからです。 したがって、もらい事故では加害者側の保険会社と被害者が直接示談交渉をすることになります。相手の保険会社は少しでも支払う金額を抑えようと考えるので、被害者側が全く知識を持たないまま挑むと、かなり不利な交渉となり、被害者なのに逆に損をすることもあり得ます。

後遺症障害

もらい事故を起こした直後には症状があまりなくても、後々痛みが出てきて症状が悪化し、場合によっては後遺症としてずっと残ってしまうという可能性があります。保険会社の言いなりに早く示談を成立させてしまうと、まだ完治してないのに最低限の賠償金で決定されてしまいます。 そうならないように、保険会社との交渉は、弁護士特約を使って弁護士に相談するのが最善策と言えます。保険会社の提示する金額が、弁護士に相談して交渉を進めた結果倍になったというケースは少なくありません。弁護士に相談すれば確実に賠償金は増額します。中には10倍にもなったケースもあります。 自動車保険のオプションとして、弁護士特約をつけておいたほうが事故を起こした際には大変役立つと言えます。逆に、弁護士特約なしに弁護士に相談すると、相談料や着手金など余計に費用がかかってしまい、賠償金をもらっても場合によっては損をすることもありえます。

後遺症障害慰謝料と等級

もらい事故で後遺症が残った場合、状態に応じて1級から14級の認定がなされます。この等級のことを後遺障害等級といいます。ただ何もせずに後遺症といえば保険が下りるわけではありません。この後遺症障害等級の認定を申請しないと、保険金は支払われません。

後遺症障害等級の認定手順

後遺症障害等級の認定には、2種類の方法があります。一つは事前認定、もう一つは被害者請求です。事前認定とは、加害者側の任意保険会社を通じて後遺障害等級申請を行うことです。 ただし、加害者側から被害者に有利な申請がされるのかどうかはグレーな部分と言えます。保険会社はあくまでも慰謝料を安く抑えようとするので、中には実際の症状より軽く申請されてしまうケースもあります。

被害者請求と弁護士特約

一方、被害者請求とは、交通事故の後遺障害等級の申請を被害者自ら行うことをいいます。被害者自らが書類を提出することで、被害者に有利な申請ができます。とは言っても、どのような書類が有効で、どうすれば上の等級が取れるか、医師にどんな依頼をすれば申請に有利な書類を作成してもらえるのか、といった知識がないと、なかなか思うように進められません。 そこで利用したいのが、弁護士特約です。弁護士には、交通事故専門の弁護士が数多く存在します。そういった専門の弁護士に相談することによって、より適正な慰謝料を請求できる道が開けます。何も知識がないまま、もらい事故に遭い、相手の保険会社の言いなりにことが運んだとしたら、全く別の道に進むことになります。

弁護士特約の保険料

そうは言っても、毎年更新する自動車保険、できれば少しでも抑えたいと思うのが常です。では、弁護士特約をつけるとどれくらい保険料が加算されるのでしょうか。保険会社やその内容によって異なりますが、相場としては1600円〜3000円程度です。いわゆるネット保険会社でしたら比較的安い費用でオプションがつけられます。 因みに、もらい事故で弁護士特約を使ったとしても、等級には関係ありません。したがって、もらい事故では保険料が翌年から上がる心配なく弁護士特約を使うことができます。

もらい事故に遭った場合の修理はディーラーで可能なのか

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もらい事故で車が損傷し、修理が必要な場合、できれば購入したディーラーや行きつけの整備工場で修理したいところですが、保険会社は大抵、指定工場や提携工場を勧めてきます。 これは、保険会社側が、提携工場で修理してもらうことによって、修理費をなるべく安く抑えようとしているからです。提携工場は、保険会社から紹介されれば仕事が安定的に増えるでしょうし、その分、保険会社からの修理依頼に対して料金を割引するという双方のメリットがあります。 また、提携外の工場で修理となれば、そのもらい事故と関係のない部分の修理までされて請求に上乗せされるという可能性を考えるので、保険会社はあくまでも提携工場での修理を勧めてくるのです。ただ、保険会社は修理工場を強制的に指定することはできないので、どうしてもディーラーで直したいと言えば、保険会社はダメとは言えません。

もらい事故の過失割合が決定する流れ

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過失割合とは、事故の当事者双方の、交通違反や不注意による事故原因になる責任の割合を言います。もらい事故では、この過失割合は「10:0」となります。ただし、そう簡単に判断できない状況下においては、すぐに過失割合が決まらない場合もあります。

過失割合によって変わる賠償金額

過失割合は、保険会社同士、または加害者の加入する保険会社と被害者、または当事者同士の話し合いで決められます。警察は事故の調書を取りますが、この過失割合の決定には関与しません。警察は、民事不介入だからです。 停車中の追突など、明らかなもらい事故であれば、この過失割合は「10:0」ということになります。その場合は賠償金額の満額が被害者側に支払われます。話し合いの末に「9:1」となれば、車の修理の費用や、治療費やその他経費など、賠償金が支払われるすべてにおいて過失割合が加味されます。

過失割合を決定する根拠

複雑な事故では、この過失割合の決定が難航することも多々あります。保険会社は少しでも自社の負担を軽減しようとしますので、被保険者に有利に話を進めたいからです。しかし保険会社や裁判官、弁護士によって判断が異なるようでは、被保険者にとって不平等になります。 そこで、この重要な過失割合を決める根拠として、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準・別冊判例タイムズ」や「交通事故損害額算定基準(通称:青本)」・「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(通称:赤本)」があります。 判例タイムズは 、3000円(税込)で書店で注文することもでき、オンラインでも購入可能です。これらは、交通事故における過去の裁判例を基に記載されているもので、保険会社をはじめ、弁護士や裁判での判断基準となっています。

もらい事故で得する方法

もらい事故が起きた時、冷静な判断と行動ができるかどうかで、その後の生活に大きく関わってきます。では、どういったことを気をつけるべきなのか、幾つかの視点から掘り下げていきます。

車の買い替えの判断

もらい事故によって、車を大きく損傷してしまった時は、修理するのか、買い替えを考えたほうがいいのか迷うところです。修理代金が、後々車の下取り価格より高くつくような場合は車を手放した方が得であると言えます。ただ、まだまだ車のローンが残っていたり、資金に余裕のない場合は無理をしないようにしましょう。 まずは車を保管している業社と加害者の保険会社に買い替えの意思があることを言い、修理の見積もりだけ出してもらいます。そして早急に事故車の買取をしてくれる専門業者、最低3社は相見積もりをしてもらいます。間違っても廃車にはしないことです。処分手数料や廃車手続きなど、廃車するの費用が余計にかかるからです。 もらい事故では修理の見積もりが保険金額となるので、買い替えの場合は保険金を買い替えの資金に当てることができ、また事故車をできるだけ高く買い取ってもらい、そのお金も車購入の足しにできます。

保険会社の立場

もらい事故で得する方法は、まず加害者側の保険会社の言いなりにならないことです。保険会社であれば適正な判断と専門知識で公平な審査をしてくれているだろう、と考えがちですが大きな勘違いです。 保険会社も営利目的での業務ですので、当然自社の損害はできる限り少なくしようとするのが自然な流れであり、そこをとやかく言えないのが、資本主義社会で生きる上で消費者として賢くならなければならない所以です。保険会社は素人を相手にすると、自社が有利なように優しく諭してくるのですが、実は内容を調べると被害者が損していることがしばしばあります。 もらい事故では特に、被害者側の保険会社は動いてくれないので、保険会社は素人相手に強気かつ優しく粛々と話を進めようとします。被害者からすると、よくわからないので保険会社がやってくれるならそのようにお願いしよう、と思ってしまい、保険会社の思う壺となってしまうので注意が必要です。

少しでも体に痛みがあれば診察を受けるべき

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もらい事故に遭い、その時は大した衝撃ではなかったので、手がちょっと痛かったけどこれくらいならなんてことはないだろう、と素通りしてませんか。車にコツンと当たって、これくらいならよく見ないとわからないし、保険とか示談とか面倒くさいのでまぁいいです、とやり過ごしてませんか。 ズバリ、それは損をしています。そういうときのために、自賠責保険、任意保険に入っているのですから、必ずしっかりと受け取るべきものは受け取り、修理すべきところはきっちり修理してもらいましょう。

接骨院と整形外科

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多くの人が勘違いしているのは、接骨院と整形外科の違いです。接骨院とは、正式には柔道整復師という名称で、医師とは全く違う職業です。医師以外が医療行為を行うことは周知の通り法律で禁止されています。 接骨院で施術を受けられるのは、捻挫と打撲、慢性的な腰痛や関節の痛みを和らげる電気治療などです。接骨院は、あくまでも医療の補助的役割であり、外科的手段や薬に頼らず、マッサージや電気治療などで回復を図る場所です。 以上のことから、もらい事故で怪我をした場合、必ず整形外科を受診するべきです。なぜなら、医師の診断書が後々の示談交渉に有効だからです。接骨院に1ヶ月通った場合と、整形外科に1ヶ月通った場合では、全く扱いが違ってきます。

他覚症状と自覚症状

もらい事故や一般事故で体に何らかの支障をきたした場合、他覚症状があるかないかに分けられます。他覚症状とは、医師の診断により、はっきりと痛みの根拠が証明できる症状のことで、骨折や靭帯損傷などは他覚症状ありになります。逆に他覚症状なし、つまり自覚症状でしか伝えられない痛みの場合は他覚症状なしとされます。 もらい事故において、むち打ちなどはどうしても他覚症状なしとして、後遺症障害等級が取りづらい症状ではありますが、医師の診断や検査、状態によって等級を取れるケースもあります。保険会社に、治療はもう打ち切りです、と言われても、まだ痛みや痺れがある場合は、そこで引き下がらずに弁護士に相談することが得策と言えます。

接骨院の不正請求が問題視されている

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近年、次のようなことが問題視されています。接骨院などによる不正請求です。自賠責保険内で行う施術は120万円まですが、実際に行った施術を水増し請求し、まだ治療を続けたいのに早く治療打ち切りになってしまった、などといったケースがあります。 そうならないためにも、もらい事故で接骨院に通った場合、施術内容や治療を受けた回数を自分でメモするなどして覚えておいたり、柔整師にメモしていることを知らせたりしておいた方が後々保険会社とのやりとりでも話がこじれないで済みます。

カネへの執着心が患者の心身を癒やす整骨院の屋台骨をむしばんでいた。患者と結託して実際の施術日数を75倍に水増しし、損保会社から交通事故の保険金をだまし取ったとして、大阪府池田市の整骨院の経営者ら2人が4月、詐欺容疑で大阪府警に逮捕された。5月には再逮捕され、詐取額は少なくとも計約150万円に上る。 この整骨院をめぐっては、以前から「施術日数を水増ししてくれるとの噂があった」(捜査関係者)という。整骨院が開業したのは約5年前。池田市の男性市議(36)が議員になる前に立ち上げた。男性市議は産経新聞の取材に不正への関与を否定したが、所属していた大阪維新の会に「迷惑をかけた」と離党届を提出した。「説明責任」を果たすよう求める声が上がっている。

知らないと損することが多いもらい事故

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このように、もらい事故に関する知らないと損することが、どれだけ多いことでしょう。保険会社、加害者、被害者、そして弁護士、整形外科、接骨院、それぞれにおいての利害関係、そして自賠責保険と任意保険の仕組み、すべてを理解することが、もしもの時に慌てず行動する指針となり、適切な慰謝料の請求につながります。 知識がない人が損する世の中である以上、自らが自助の意識を持ち、賢く世の中を渡っていかなければなりません。

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