総合商社業界研究「現状」「今後の動向・将来性」を学ぼう

「特定の商品を売りたい」という企業と、「特定の相手や場所に対して商売したい」という企業を結び付ける役割を果たしている「総合商社」。今回は、総合商社業界にスポットを当てて、業界の現状や動向、将来性などをご紹介していきます。

総合商社業界研究:現状

最初にご紹介するのは、総合商社業界の現状です。総合商社業界では、今どのようなことが起こっているのでしょうか?基本情報や業界シェアを通して見ていきましょう。

総合商社業界の現状:基本情報

以下は、平成25年~平成26年の、総合商社業界のデータを元にした情報をまとめたものです。
•市場規模:31兆1307憶円
•労働者数:28499人
•平均年齢:42.2歳
•平均勤続年数:17.4年
•平均年収:1286万円

引用元:「業界動向SEARCH.COM(総合商社業界)(※1)」

総合商社業界の基本情報で最も注目したいのは、市場規模の大きさです。他の業界と比較して、ゼロが1つ多い数字となっています。しかし、労働者数は、他の業界と同じ程度。巨大な市場規模の割には、少ないくらいです。

また、平均年齢や平均勤続年数に関しては、他の業界と比較しても、標準的と言える数字となっています。

平均年収は、かなり高額だと言えるでしょう。2015年の労働者の平均年収は、440万円と言われています(※2)。この金額を標準と考えた場合、総合商社業界の平均年収1286万円は、標準を800万円以上も上回っていることになります。

総合商社業界の現状:業界シェア

続いて、総合商社業界の業界シェアをご紹介していきます。総合商社業界の大きな市場は、どのような内訳となっているのでしょうか?以下は、平成25年~平成26年の、総合商社業界の売上高を元にしたランキングです。
•業界シェア1位:三菱商事
•業界シェア2位:丸紅
•業界シェア3位:三井物産

引用元:「業界動向SEARCH.COM(総合商社業界)(※1)」

総合商社業界の業界シェア1位は、三菱商事です。業界シェアの比率は24.5%、売上高は7兆6351憶円となっています。続いて、業界シェア22.7%、売上高7兆0557憶円で2位は丸紅。3位は、三井物産です。業界シェアは18.4%、売上高は5兆7319憶円となっています。

商社業界研究:動向

続いて、総合商社業界の動向を追っていきます。刻々と変化していく社会情勢や景気の中で、総合商社業界もまた、変わりつつあります。今、総合商社業界ではどのような変化が起こっているのでしょうか?総合商社業界が抱えている課題や業界規模の推移を学び、それらの情報から業界の将来性について考察していきます。

総合商社業界の現状:課題

まずは、総合商社業界の課題をご紹介していきます。課題を知ることで、総合商社業界の現状だけでなく、今後や将来性についても、見えてくるものがあるのではないでしょうか?

総合商社業界の課題1:資源ビジネスの停滞

総合商社業界は、原油ビジネスと中国・インドを対象としたビジネスで、業績を伸ばしてきました。これらは、総合商社業界にとって3つの支えと言われていましたが、近年は原油ビジネスと中国を対象にしたビジネスでは、収益を得られにくくなりました。その為、現在はインドを対象にしたビジネスのみで支えられている状況です。今後、原油ビジネスと中国向けビジネスに代わる支えとなるビジネスを開拓していく必要があります。(※3)

総合商社業界の課題2:ポートフォリオ・マネジメント

総合商社業界にとって、世の中の流れは社会情勢に合わせてビジネスのポートフォリオを変えていく姿勢は、とても重要だと言われています。企業の形態や部署を柔軟に変えて、社会の変化に対応することができるという強みをいかして、今後も世界の変化に合わせた経営をしていけるかどうかが、総合商社業界の成長の鍵を握っていると言えるでしょう。(※4)

総合商社業界の課題3:付加価値をつけること

単に仲介するだけでなく、付加価値をつけたトレーディングや交渉をすることが、総合商社企業の課題と言われています。単純に、メーカーなどから商品を購入して海外などに売りさばくのではなく、現地で新しいサービスや企画を提供するなどして、付加価値をうけた商品を提供することが大切なのです。(※4)

総合商社業界の現状:市場動向

次に、総合商社業界の市場動向を追っていきます。近年の業界規模の推移を細かく見ていき、その情報を元に、総合商社業界の将来性について考察していきます。

総合商社業界の市場動向:業界規模の推移

以下は、平成17年~平成25年までの、総合商社業界の業界規模の推移について示しているグラフです。

引用元:「業界動向SEARCH.COM(総合商社業界)(※1)」

総合商社業界の業界規模は、平成17年~平成19年にかけて、順調な成長を見せていました。しかし、平成20年になると、成長が伸び悩みます。そして、平成21年になると、大幅に減少し、落ち込んでしまします。一連の流れの背景には、中国経済の減速や、石炭などの資源価値が低下したことが関係していると言われています。

しかし、平成22年になると、回復傾向に転じます。その後、平成24年までは、横ばい~微増傾向でしたが、平成25年になると大幅に増加。平成17年以降で、総合商社業界の業界規模は最も大きくなりました。円安傾向が、このような好業績の追い風となったとされています(※1)。

総合商社業界の現状:将来性

これまでご紹介してきた現状や動向、業界規模の推移などを参考に、総合商社業界の将来性について考察していきます。

現在、総合商社業界は、転換期に突入しつつあると言えるでしょう。長年支えとしてきた、原油などの資源ビジネスが、近年は不振となっている為です。また、総合商社業界の課題をご紹介した際にも話題にあがりましたが、中国経済も減少しつつある為、中国向けのビジネスも、高い収益は期待できないでしょう。

このような流れを受けて、総合商社業界では、非資源分野へと、ビジネスの分野を移行しつつあります。ビジネスの領域の移行をスムーズに行いつつ、新たなビジネスや市場を開拓していけるかどうかで、総合商社業界の今後の明暗は、大きく分かれるでしょう。

商社業界研究:業界研究本

これまで、総合商社業界について現状や動向、将来性をご紹介してきましたが、総合商社業界についてまだまだ研究したいという方に向けて、おすすめの業界研究本をご紹介していきます。

1.図解入門業界研究最新総合商社の動向とカラクリがよ~くわかる本[第3版]

業界研究の定番シリーズ。総合商社業界のシステムや動向について、広く深く学ぶことができます。

2.BUSINESS PRODUCERS 総合商社の、つぎへ

総合商社業界の大手企業・三菱商事にスポットを当てて、総合商社の「これまで」と「これから」について学ぶことができる書籍です。

3.総合商社の研究―その源流、成立、展開

総合商社業界の発展の歴史を学べます。総合商社業界を目指しているなら、読んでおいて損はないでしょう。

終わりに

総合商社業界は、世界の情勢や景気によって、刻々と変化していく業界でもあります。今後も業界研究や情報収集を進め、最新の動向を追っていって下さいね。

業界の動向・課題と合わせて、各企業のランキングから、優先順位を付けて、それぞれの企業の研究を行っていきましょう。こちらの記事がおすすめです。

[参考資料・引用元]