【業界研究】出版業界の現状・今後の動向・将来性を学ぶ

私達の生活にとって、出版業界は非常に身近な存在。読書を趣味にしている方も多いと思いますが、そういった娯楽や趣味を支えてきたのも、出版業界です。今回は、そんな出版業界にスポットを当てて、現状や動向、将来性を見ていきましょう。就職活動や業界研究の一環として、ぜい参考にしてみて下さいね!

私達の生活にとって、出版業界は非常に身近な存在。読書を趣味にしている方も多いと思いますが、そういった娯楽や趣味を支えてきたのも、出版業界です。

今回は、そんな出版業界にスポットを当てて、現状や動向、将来性を見ていきましょう。就職活動や業界研究の一環として、ぜい参考にしてみて下さいね!

出版業界研究:現状

まずは、出版業界の現状を見ていきましょう。基本的なデータや業界シェアを見ていくことで、出版業界が今どのような状況なのか、把握していきます。

出版業界の現状:基本情報

以下は、平成25年~平成26年の出版業界の各情報を元にいたデータです。

・市場規模:1兆0515憶円
・労働者数:8638人
・平均年齢:38.2歳
・平均勤続年数:9.7年
・平均年収:610万円

引用元:「業界動向.SEARCH.COM(※1)」

出版業界の基本情報は、他の業界と比較すると、全体的に平均的と言えるでしょう。強いて言えば、労働者の人数は、市場の大きさを考えると、やや少ない印象を受けます。また、平均年齢と平均勤続年数に関しても、標準的~やや小さい数字と言えそうです。

一方で、平均年収に関しては、標準的~高めと言える金額です。ちなみに、業界や役職などに関係なく統計されたデータによると、2015年の労働者の平均年収は440万円とされています(※2)。この金額を標準と考えた場合、出版業界の610万円という平均年収は、高額な方だと言えますね。

出版業界の現状:業界シェア

続いて、出版業界の業界シェアを見ていきましょう。出版業界の市場の内訳は、どのようになっているのでしょうか?出版業界企業の力関係などにも、注目したいところです。

・業界シェア1位:ベネッセホールディングス
・業界シェア2位:KADOKAWA
・業界シェア3位:ぴあ

引用元:「業界動向.SEARCH.COM(※1)」

上記は、平成25年~平成26年の、出版業界企業の売上高を元にしたランキングです。

業界シェア1位に輝いたのは、ベネッセホールディングス。子供向けの学習教材などで有名な、大手企業ですね。業界シェア率は44.3%、売上高は4663憶円でした。業界全体の市場の半分近くを独占しており、大変高い業績だと言えます。

続いて、シェア率14.4%、売上高1511憶円のKADOKAWAが、2位にランクイン。1位のベネッセホールディングスと比較すると、大差をつけられていますが、全体の市場の1割以上にあたる売上高は、好業績と言えるでしょう。

出版業界のシェアランキング3位にランクインしたのは、ぴあ。シェア率は12.2%、売上高は1281憶円となっています。2位との差は僅差となっているので、今後の業績や経営次第では、逆転も十分狙えそうですね。動向が気になる企業の1つです。

出版業界研究:動向

続いて、出版業界にどのような変化が起こっているのか、動向を追っていきます。業界が抱えている課題や業界推移を見ていき、それらの情報を元に将来性について考察していきます。

出版業界の現状:課題

今、出版業界はどのような課題や問題を抱えているのでしょうか?また、どのようにすれば、それらの課題や問題を解決できるのでしょうか?それらを考えながら、課題と向き合っていくことで、出版業界の今後や将来性について、新たに見えてくるものがあるかもしれません。

・出版業界の課題1:「出版」という過程の融通のきかなさ

出版業界の欠点の1つとして、「出版」という過程の融通のきかなさがあげられます。例えば、webサイトやアプリケーションであれば、ユーザーや消費者の意見を元に、事前に決めていたサービス内容や商品などを改善し、よりユーザーの需要にフィットしたコンテンツへと仕上げていくことが可能です。しかし、出版業界の場合、1度出版することを決めてしまうと、途中での変更や中止が難しい場合が多いのです。その為、ユーザーや消費者の需要と一致しない書籍を作成してしまうリスクが高く、読者のニーズとすれ違ってしまうこともしばしばあります。このような融通のきかなさは、雑誌や小説の読者を減らしてしまう可能性があり、更には出版業界全体の市場を縮小するきっかけとなることも考えられます。今後は、出版という工程にとらわれず、ユーザーや読者の需要にフィットした商品を生み出していく為にも、新たなビジネスモデルや製造過程を考える必要がありそうです。(※3)

・出版業界の課題2:電子書籍の売上の低さ

電子書籍こそ、出版業界の新たな担い手と見られてきましたが、定着率はそんなに高くなく、当初の想定よりも売上は伸びていないようです。紙媒体が廃れてきても、電子書籍の売上が伸びれば、出版業界としては問題ありません。しかし、その電子書籍も予想外の苦戦を強いられている為、出版業界には思わぬ逆風となっています。電子書籍をより普及させていくことは、出版業界にとって大きな課題であると言えるでしょう。(※4)

・出版業界の課題3:雑誌の売上の低迷、コミックスの売上の増加

全体的に、発行部数が減少傾向にある出版業界ですが、その中でも特に目立っているのが、雑誌とコミックスです。雑誌の売上は年々減少し、落ち込んでいます。一方で、コミックスは、売上を落とすことなく、むしろ微増傾向にすらあるそうです(※5)。出版業界は今後、このような流れに対応し、落ち込んでいる雑誌の売上の回復と、増加傾向にあるコミックスの売上の更なる強化をしていく必要がありそうです。

出版業界の現状:市場動向

続いて、出版業界の市場動向に注目していきましょう。業界規模の推移を詳しく見ていき、最終的には将来性について考察していきます。

出版業界の市場動向:業界規模の推移

以下は、平成17年~平成25年までの出版業界の業界規模の推移を示したグラフです。

引用元:「業界動向.SEARCH.COM(※1)」

平成17年~平成20年まで、出版業界の市場は微増傾向でしたが、平成21年になって、減少します。このような流れの背景には、世界的な金融危機の影響があり、各企業が広告や宣伝を控えた為だと考えられています。

平成22年からは、再び微増傾向に転じますが、大幅な成長は見られません。スマートフォンなどが普及し、紙媒体の衰退や消費者の書籍離れが深刻化した為だと見られています。平成25年まで、わずかに増加し続けている出版業界の業界規模ですが、頭打ちの印象を受けます。

・出版業界の現状:将来性

これまでご紹介してきた現状や動向などから、出版業界の将来性について考察していきます。

出版業界は現在、転換期を迎えています。スマートフォンやタブレット端末などの普及によるデジタル化、それに伴う紙媒体の衰退、そして消費者の書籍離れ…問題は山積みです。

一方で、今後伸びしろがありそうな分野が、電子書籍と、コミックス・児童書籍です。電子書籍は、まだまだ普及率や定着率が低いので、出版業界の今後の展開や企画次第では、普及率が上がり、そちらの分野での売り上げ増加が期待できそです。また、雑誌や新書などの売上が低迷し続けている中、コミックスは売上維持~微増傾向となっています(※5)。熱狂的なファンが多く、またマンガなどを原作にした映画やドラマの実写化が、近年多い為でしょうか?コミックス分野のユーザーの需要に応えるような書籍を作成していくことで、今後も売り上げが増加していく可能性は大いに考えられるでしょう。

出版業界の課題は多数ありますが、現在伸びていく見込みのある分野やジャンルに力を入れ、いかに新規層を取り入れていくかによって、出版業界の将来の明暗は分かれることになりそうです。

出版業界研究:業界研究本

最後に、出版業界について更に研究したいという方におすすめの、業界研究本をご紹介していきます。

1.書籍文化の未来――電子本か印刷本

電子書籍と紙媒体を切り口に、出版業界の将来性について解説しています。電子書籍の可能性や現状を知ることができます。

2.出版大崩壊

大手出版社に長年勤務した経験がある著者が、出版業界の裏側について述べています。また、電子書籍にもスポットを当てており、電子書籍は出版業界の救世主になり得るのかどうか、解説しています。

3.図解 出版業界ハンドブック〈Ver.1〉

出版業界の仕組みや流通システムを学べます。出版業界への就職を目指しているなら、読んでおいて損はないでしょう。

終わりに

現在、さまざまな課題を抱え、転換期に差し掛かっている出版業界。しかし、私達の生活から、読書という娯楽が完全になくなってしうとは、考えたくありませんね。出版業界が今後、低迷した売上を回復し、新たなビジネスモデルを展開していく為には、どのようにすれば良いのでしょうか?業界研究をしている方は、ぜひ業界が抱える課題の解決方法などにも目を向けて、情報収集を続けて下さいね。

業界の動向・課題と合わせて、各企業のランキングから、優先順位を付けて、それぞれの企業の研究を行っていきましょう。こちらの記事がおすすめです。

[参考資料・引用元]
※1「業界動向.SEARCH.COM
※2「DODA 平均年収ランキング2015
※3「Social Change
※4「ZOWEB
※5「ガベージニュース

【業界研究】出版業界の現状・今後の動向・将来性を学ぶ

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