建設業界の現状・今後の動向・将来性・課題

今回は、そんな建設業界に焦点を絞って、現状や動向、将来性などをご紹介していきます。建設業界への就職を考えている方、建設業界について研究している方はぜひ御覧ください。

さまざまな建物を建設し、人々の暮らしを支え、文明を築き上げてきた建設業界。その歴史は古く、いつの時代にも、人類の暮らしと共に住居や建物が在りました。それは、現代社会でも代わりません。住居や施設を次々に建設していく建設業界は、現在の文明的な生活を維持するのに、欠かせない存在と言えるでしょう。
最近では2020年の東京オリンピックに向けて、多くの建物が建設されています。

今回は、そんな建設業界に焦点を絞って、現状や動向、将来性などをご紹介していきます。
建設業界への就職を考えている方、建設業界について研究している方はぜひ御覧ください。

建設業界研究:現状

最初にご紹介するのは、建設業界の現状です。
基本的な情報や業界シェアなどを通して、建設業界の「今」を客観的に見ていきましょう。

建設業界の現状:基本情報

以下は、建設業界の平成25年~平成26年までのデータを元にした情報です。

市場規模:15兆1956憶円
労働者数:109423人
平均年齢:43.9歳
平均勤続年数:17.6年
平均年収:638万円
引用元:「業界動向SEARCH.com(※1)」

建設業界の基本情報は、市場規模がとても大きく、労働者数も非常に多いです。
平均勤続年数は、他の業界よりもやや長めであり、建設業界で仕事をするには、専門的な知識や技術が求めらる為かもしれません。
専門性の高いベテランが、長く活躍していると考えられます。
そのため比較的、業界の平均年齢は高くなっており、平均年収もそれに伴い高くなっております。

建設業界の現状:業界シェア

次に見ていくのは、建設業界の業界シェア。
以下は、平成25年~平成26年の各企業の売上高を元にしたデータになります。

業界シェア1位:大林組(シェア10.6%)
業界シェア2位:大成建設(シェア10.2%)
業界シェア3位:鹿島建設(シェア10.0%)
引用元:「業界動向SEARCH.com(※1)」

上記のような背景から、建設業界の現状は、大手1社が独走しているわけではなく、複数の大手企業の業績が拮抗していると考えられます。

建設業界研究:動向

今、建設業界は、どのように変わりつつあるのでしょうか?業界が抱えている課題や、業界規模の推移から、建設業界の動向を追っていきます。

建設業界の現状:課題

まずは、建設業界が抱えている課題について、ご紹介していきます。現在、業界が抱えている問題点などを知り、建設業界が今後向かうべき道や、業界全体の将来性を見ていきましょう。

建設業界の課題1:人材確保

2011年に起こった大震災の復興事業や、東京五輪の決定により、建設業界の需要は高まり続けています。業界の成長として、大変好ましい傾向ですが、それに伴い、建設業界は人手不足に陥っています。特に、技術者や技能者の不足が深刻で、震災の復興事業は予定よりも進捗が遅れているとされています。また、建設業界に就職する若者は減少の一途を辿っているとされ、東京五輪が開催される2020年までに、合計で15万人もの労働力が不足すると予想されています。(※3)

建設業界の課題2:合併によるメリットの少なさ

震災の復興や東京オリンピックなどによる需要が一巡した後は、需要が落ち着き、建設業界企業は合併によって経営力を強化すると予想されています。他の業界であれば、それで業界全体や各企業の更なる成長や安定した経営が見込めるでしょう。しかし、建設業界企業の場合は、合併しても機能面で重複する点が多く、他業界の企業の合併よりも、メリットが少ないとされています。その為、合併以外の方法で生き残っていくことも、検討していく必要がありそうです。(※3)

建設業界の課題3:利益率の低さ

需要が高まりつづけている建設業界ですが、利益率は決して高くありません。需要が上がったとは言え、供給過剰の状態はまだまだ続いており、各企業間では熾烈な価格競争が繰り広げられています。所謂「オーバーカンパニー」と言われる状況が続いている為、格安で案件を引き受けている業者も多数存在しているのです。(※4)そのしわ寄せは、現場で働く労働者に来るでしょう。職場環境や労働条件が悪くなれば、労働者は建設業界から離れていってしまうかもしれません。その結果、更なる人材不足へと追い込まれる可能性も、低くはないと考えられます。

建設業界の現状:市場規模

続いて、建設業界の業界規模の推移をご紹介していきます。また、その変化から、建設業界の将来性について、考えていきましょう。

建設業界の市場動向:業界規模の推移

以下は、平成17年~平成25年までの、建設業界の業界規模の推移をあらわしている資料です。

平成17年~平成18年にかけて、建設業界の規模は微増していますが、既に成熟している印象を受けます。平成19年はほぼ横ばいですが、平成20年になると、わずかに減少。そして、平成21年~平成22年にかけて、大きく落ち込みます。その原因としてあげられるのが、国内の民間需要の縮小。また、民主党による公共事案の廃止なども、建設業界にとっては逆風となりました。

しかし、平成23年に入ると、建設業界の業界規模は回復傾向に転じます。震災による復興需要が、その要因と考えられます。その後も、順調に回復を見せています。

建設業界の現状:将来性

これまでご紹介してきた基本情報や動向、業界規模の推移などから、建設業界の将来性について考察していきます。

上記でも何度か話題として挙げた、震災による復興事業や東京五輪の影響により、短期的に見れば、建設業界の未来は明るいと言えるでしょう。また、2027年開業予定のリニアモーターカーに関する工事(※4)などもあり、しばらくは需要が高まり続けそうです。

しかし、現在抱えている課題を解決できなかった場合、長期的な目で見ていくと、建設業界の未来は前途多難と言えるでしょう。上記でも取りあげた人材不足の問題は、現在現場で活躍している世代が定年を迎える頃には、更に深刻になる可能性があります。また、復興事業や東京五輪、リニアモーターカーなどによって高まった需要が一巡した後は、経営や方針次第では、存続が厳しくなる企業も出てくるかもしれません。

上記の課題や問題に対する解決方法や答えを、今のうちにいかに見つけておけるかが、建設業界の今後を左右すると考えられます。

建設業界研究:業界研究本

最後に、建設業界を更に深く研究したい方におすすめの、業界研究本を3冊ご紹介します。

1.図解入門業界研究最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第2版]

業界研究本の定番シリーズ。建設業界の仕組みやシステム、最新の動向がチェックできるので、ぜひ読んでおきたい1冊です。

2.建設業界のしくみ (図解雑学)

ゼネコンや工務店など、建設業界のさまざまな形態の企業や経営についてまとめられています。タイトル通り、図解タイプになっているので、視覚的に建設業界の仕組みを学ぶことができます。

3.非常識な建築業界 「どや建築」という病

建設業界の問題や闇を追究する1冊。新国立競技場の問題など、最新の情報をチェックできるので、建設業界への就職を考えているなら、目を通しておいて損はない内容です。

終わりに

いかがでしたでしょうか?今回は、建設業界の現状や動向、将来性について、研究しご紹介しました。

復興事業や東京五輪などで、一見先行きが明るい建設業界ですが、問題点や課題も決して少なくはありません。しかし、建設業界で働いていくのであれば、業界の良い面だけではなく、悪い面や問題点なども、把握しておく必要があります。良い点、悪い点、全て含めて、建設業界なのです。就職を目指すのであれば、さまざまな面を知った上で、建設業界と向き合っていきましょう。

[参考資料・引用元]