海運業界研究|「現状」「今後の動向・将来性」を学ぶ

海運業界研究|「現状」「今後の動向・将来性」を学ぶ

業績ランキング1位の日本郵船の売上高は非常に高く、その金額は2兆2372憶円、37.9%を占めています。2位の商船三井の業績も非常に高く、1兆7292憶円で業界シェアは29.3%です。3位の川崎汽船の売上高は、1兆2241憶円。

1位~3位の企業だけで、海運業界全体の市場規模の87.9%を占めていることになります。

海外との貿易において、大量に重量のあるものを長距離で移動させることができることから、日本の産業を支えている「海運業界」。例えば日本の主要産業である自動車産業もまた、海運によって海外へ輸出入することができています。

世界を舞台に活躍することや、日本の貿易を支えている重要な役割であることから、海運業界を目指しているかたも多いでしょう。今回は、海運業界に注目して、現状や動向、将来性などをご紹介していきます。海運業界の今や、これからを知り、抱えている課題を解決できる企業や、将来性が高い企業探しの一つの手がかりとしてみてください。

海運業界研究:現状

最初にご紹介するのは、海運業界の現状です。基本情報や業界シェアを通して、海運業界の「今」を見ていきましょう。

海運業界の現状:基本情報

以下は、平成25年~平成26年の海運業界の各データを元にした情報です。以下は、平成25年~平成26年の海運業界の各データを元にした情報です。

・市場規模:5兆9043憶円
・労働者数:5151人
・平均年齢:39.4歳
・平均勤続年数:13.1年
・平均年収:746万円

出典:http://gyokai-search.com

業界動向SEARCH.com(※1)

注目したいポイントは、市場規模の大きさと、労働者数の少なさです。他の業界と比較して、海運業界の市場規模は、大きい方だと言えます。しかし、労働者数は、他の業界よりも少なめ。少人数で、大きな市場を動かしている業界だと考えられますね。

また、平均年収が高い点も、海運業界の特徴と言えるでしょう。一般的に、労働者の平均年収は、440万円と言われています(※2)。海運業界の平均年収は、746万円なので、水準と言われている440万円を、300万円以上も上回っていることになります。かなりの高額年収と言えそうです。

海運業界の現状:業界シェア

続いて、海運業界の業界シェアを見ていきましょう。以下は、平成25年~平成26年の各企業の売上高を元にしたランキングです。

・業界シェア1位:日本郵船
・業界シェア2位:商船三井
・業界シェア3位:川崎汽船

出典:http://gyokai-search.com

引用元:「業界動向SEARCH.com(※1)」

業績ランキング1位の日本郵船の売上高は非常に高く、その金額は2兆2372憶円、37.9%を占めています。2位の商船三井の業績も非常に高く、1兆7292憶円で業界シェアは29.3%です。3位の川崎汽船の売上高は、1兆2241憶円。

1位~3位の企業だけで、海運業界全体の市場規模の87.9%を占めていることになります。

海運業界研究:動向

続いて、海運業界で今、どのような変化が起こっているのか、動向を追っていきましょう。海運業界が現在抱えている課題や、業界規模の推移を見ていき、最終的には将来性について、考察していきます。

海運業界の現状:課題

大手企業が巨大な市場を動かしている海運業界ですが、さまざまな課題や問題を抱えています。今後、海運業界が成長していく為には、どのように経営や展開をしていくべきなんでしょうか?

・海運業界の課題1:省エネ性能の高い機材の導入

世界中で環境問題やエコが叫ばれている現代社会。環境問題も例外ではなく、省エネ性能や環境性能が高い機材の導入が求められています。しかし、環境面を配慮しすぎて、競争力が維持できなくなることは、ビジネスとして避けたいところ。海運業としての性能と、環境や省エネに対するエコな性能、どちらも両立した機材の開発・導入をしていく必要があります。(※3)

・海運業界の課題2:労働者の負担

現在、海運業界では、価格競争が激化しつつあります。各社がコスト削減を徹底した際、航海士などの労働者への負担が増す可能性があります。現在は、比較的待遇が良いとされている海運業界ですが、価格競争や値下げ競争の激化、またグローバル化の影響などで、海運業界労働者の負担が増すことは、避けなければなりません。(※3)

・海運業界の課題3:高めの自己資本比率の維持

海運業界は、景気の波を受けやすい業界だと言われています。自動車などの運搬を主な業務としている場合は、輸出量が減少した場合、運ぶものがなくなり、船が余る状況に陥りやすいのです。反対に、好景気になれば一気に業績を回復できる点は、海運業の強みではありますが、安定性に欠けるため、自己資本比率を高めに保つことが重要だとされています。(※4)

海運業界の動向:市場動向

次に、海運業界の市場動向を追っていきます。最近の業界規模の推移を見て、そこから将来性について考察していきます。

海運業界の市場動向:業界規模の推移

以下は、平成17年~平成25年までの、海運業界の業界規模の推移をあらわしているグラフです。

引用元:「業界動向SEARCH.com(※1)」

平成17年~平成19年にかけて、順調に伸びていた海運業界の業界規模ですが、平成20年に減少傾向に転じます。そして、その翌年の平成21年に、大幅に落ち込み、グラフ上の9年間の中でも、最も小さな規模となりました。一連の流れの背景には、アメリカの金融危機が関係しています。また、燃料が高騰したことも追い打ちをかけたと考えられます。

平成22年になると、やや回復しますが、平成23年には再び減少。本格的に回復傾向に入ったのは、平成24年になります。平成25年には、更なる回復を見せ、安定してきた印象を受けました。この流れの背景には、平成24年頃から始まった、円安傾向が大きく関係していると考えられそうです。

・海運業界の現状:将来性

海運業界の動向や上記の業界規模の推移から、将来性について考察してきます。

海運業界は、今後もしばらく安定した業績を残せると考えられます。その理由としては、アメリカのシェールガスがあげられます。近年、アメリカでは格安でシェールガスを増産しており、さまざまな国へと輸出しています。そのシェールガスを運ぶ為に用いられるのが、LNG船。現在、LNG船の需要が、大幅に上がっているのです。(※1)

しかしながら、景気の影響を受けやすいと言う特徴を持つ海運業界。世界情勢などには、気を付けていく必要があります。上記の課題でもあげたように、自己資産比率を高めに維持しておくなど、万が一景気が悪くなった際に、耐え抜けるだけの体力を今のうちにつけておけるかどうかで、海運業界の今後は大きく左右されるでしょう。

海運業界研究:業界研究本

最後に、海運業界について更に研究したい!という方に向けて、おすすめの業界研究本をご紹介していきます。

1.ビジュアルでわかる船と海運のはなし

海運業界の歴史や仕組みを解説している業界研究本です。この本を読むことで、海運業界のことを更に好きになれるのではないでしょうか。

2.完全図解 海から見た世界経済

激しく変動する世界情勢や経済を、海を中心にして研究していくという、新しいコンセプトの書籍です。海運業界に特化しているというわけではありませんが、海と経済に関係がよく分かるようになっているので、目を通しておいて損はない1冊だと思います。

3.内航海運

内航海運について、詳しく解説している書籍です。海運業界を目指すなら、ぜひ読んでおきたい1冊と言えるでしょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか?今回は、海運業界にスポットを当てて、現状や動向、将来性などをご紹介してきました。

遥か昔から、地球は海に覆われています。そして、それは今でも変わりません。広大な海を、人や物を乗せて行き来し、世界と世界を繋いできた海運業界。これから先も、海を渡り歩き、人類の発展に貢献していくことでしょう。

[参考資料・引用元]