「諭旨解雇処分」と「諭旨退職処分」の違い・退職金の扱い

諭旨解雇と諭旨退職という言葉を新聞やテレビで聞く事がありましたが、諭旨解雇と諭旨退職、言葉は似てるけど何が違うんだろう?解雇についても意外と知らない事が多いんですよね。今回はそんな諭旨解雇と諭旨退職の違いと退職金の扱いはどうなるのかを解説していきます。

解雇の種類と諭旨解雇と諭旨退職の意味

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テレビのニュースを見ている時に聞く言葉で「諭旨解雇処分」や「諭旨退職処分」という言葉が出てきますが、耳にする事はあっても、実際「諭旨解雇」や「諭旨退職」とはどんな意味のある言葉なのか分かりませんよね。調べてみても、いまいちよく分からない言葉です。

もっと諭旨解雇や諭旨退職について具体的に理解していくためにも、まずは諭旨解雇や諭旨退職に関係のある解雇について理解していきましょう。

解雇のルール 解雇事由を明記する必要がある

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まずは企業が解雇をするためのルールを理解していきましょう。企業には従業員を解雇するための解雇のルールがあります。

従業員を雇用する際に従業員に就業規則や労働契約書を書かせますが、その際にこのような事をしてしまったら解雇しますよという解雇するための理由をあらかじめ明記しておく必要があります。それが解雇事由です。

解雇するためには解雇事由と状況の確認が必要

就業規則や労働契約書の解雇事由が書かれていても、その解雇事由に該当したからと言って全て認められるわけではありません。

例えば解雇事由に無断欠勤したら解雇すると書かれていたとしても、無断欠勤した理由が通勤中に横断歩道を横断中に車に轢かれてしまった等の事故にあってしまった場合は、どう考えても連絡不可能でありその従業員は悪くないですよね。

無断欠勤したという解雇の事由に該当しただけで、すぐに解雇する事はできません。解雇をするためには解雇ルールと解雇に至った時の従業員の状況も確認する必要があるのです。

3種類の解雇処分「懲戒」「整理」「普通」

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解雇には3種類の解雇があります。
1つ目は「懲戒解雇」、2つ目は「整理解雇」、3つ目は「普通解雇」の3種類に分ける事が出来ます。以下に詳しく解説していきます。

懲戒解雇 最も重く即日解雇が可能

懲戒解雇は悪質な規律違反や犯罪行為を行った従業員に与える最も重い処分です。即日解雇も可能なのが懲戒解雇です。

例えばセクハラや経歴詐称や情報漏洩等や交通違反をしてしまった場合に懲戒解雇の処分を受ける事になります。

整理解雇 リストラ解雇

整理解雇とは会社経営の悪化により会社の都合による人員整理による解雇、いわゆるリストラです。

リストラは以下の4つの条件を満たす必要がある
①客観的に見て整理解雇の必要性があるのか
②解雇を避けるために努力を出来る限り会社がしていたのか
③解雇の退職者を選ぶ基準や運用が合理的にされていたのか
④会社だけではなく従業員との間での協議がされていたか

普通解雇

普通解雇は整理解雇、懲役解雇以外の解雇処分で引き続き労働契約をしていくのが難しい事情がある場合にされる解雇処分。



・指導をされても勤務成績が悪いなど改善の余地がない場合
・健康上の理由により今後の職場復帰が難しい場合
・協調性が無い事で業務に支障を与え、改善を試みても改善できない場合。

解雇の種類による退職金や手当の違い

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解雇の種類は退職する前後に支給される手当や退職金にも影響します。懲戒解雇は自己都合退職と同じ扱いの解雇処分なので、失業手当は出ますが、そのほかはもらえ無い事もあります。会社の従業規則によって対応は違う場合もあります。以下に詳しく解説していきます。

懲戒解雇

・自己都合退職扱い
・支給されるのは失業手当のみ

整理解雇

・会社都合退職扱い
・退職金、解雇予告手当、失業手当の支給有り

普通解雇

・会社都合退職扱い
・退職金、解雇予告手当、失業手当の支給有り

解雇と処分の重さの比較

以下に解雇と処分の重さの違いを①から⑥の数字を付けて分類してみました。数字が①に近いほど重い処分で⑥に行くほど軽い処分になります。

見ていただくとお分かりの様に懲戒解雇は一番重い処分です。諭旨解雇と諭旨退職はその次に重い処分だとお分かりいただけますね。

①懲戒解雇
自己都合退職 就業規則次第では退職金なし
  
②諭旨解雇
懲戒解雇の一種。会社の温情により、普通解雇と同等の扱いにしてくれたため退職金・解雇予告手当・失業手当はもらえる
  
③諭旨退職
懲戒解雇の一種。従業員に退職届を提出させ自己都合退職として扱うため失業保険のみ支給
  
④出勤停止
退職にはならないケース 一定期間出勤できない
  
⑤減給 
給料が減給される処分
  
⑥けん責
始末書などの提出で済む処分

諭旨解雇とは懲戒解雇を軽くした解雇処分

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それでは諭旨解雇について解説していきます。諭旨解雇は懲戒解雇の一つ軽い解雇処分だというのは上記でご理解いただけましたよね。更に理解を深めるためにはもっと諭旨解雇の事を知る必要がありますね。そのために以下に詳しく解説していますのでさらに理解を深めてみましょう。

諭旨解雇は退職金・解雇予告手当・失業手当ももらえる温情措置

懲戒解雇との違いは諭旨解雇は従業員が犯した規律違反した事を深く反省と謝罪をしており、情状酌量の余地ありと判断された場合の温情措置です。懲戒解雇と同等の規律違反をしてはいますが温情措置として、多めに見て普通解雇にしますよという事なのです。

懲戒解雇が即時退職ができる事や退職金等が出ない事に対し、諭旨解雇は普通解雇と同等の扱いにしているため退職金や解雇予告手当や失業手当も給付されます。ここが大きな違いですね。

諭旨退職とは従業員から退職願を提出させるための温情策

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それでは諭旨退職についても解説していきます。諭旨退職も諭旨解雇と同等の規律違反をした場合に出される退職処分です。

諭旨解雇との違い

諭旨解雇との違いは従業員自ら退職願を提出させる所と自己都合退職として扱う所です。

諭旨退職は企業による交換条件だと考えると分かりやすいですね。懲戒解雇にはしないがその代わり期日までに自ら退職願を出して自己都合の退職をしてくれと迫るのが諭旨退職です。

諭旨退職は自己都合退職扱いなので解雇予告手当はもらえない

諭旨退職は温情措置によって退職願を提出させる自己都合退職扱いになります。そのため解雇予告手当はもらえません。他は諭旨解雇と同じで退職金や失業手当はもらえます。

会社が諭旨退職を選択する理由 会社のイメージを守るため

会社によって対応は様々で諭旨解雇ではなく諭旨退職を迫るケースもあります。
なぜ会社は諭旨退職を選択するのでしょう。

悪質な規則違反をしてしまった従業員が悪いとはいえ、諭旨解雇を選択してしまうと、会社のイメージに傷をつけてしまうので、それを避けるために諭旨退職を選択するケースもあります。

また解雇をするためには、退職金や解雇通知手当等会社に負担がかかります。このような会社の負担を軽減するために、諭旨解雇ではなく、諭旨退職を選択するケースもあります。

諭旨解雇と諭旨退職 再就職への影響

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諭旨解雇と諭旨退職で会社を辞めてしまう事は再就職にどのような影響があるのでしょうか。ここからは諭旨解雇や諭旨退職になってしまった場合の再就職への影響について解説していきます。

諭旨解雇でも再就職は可能

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諭旨解雇になってしまっても再就職はできます。ただしやってしまった不祥事は提出する書類によって判明してしまう事もあります。以下に再就職する際はどのように履歴書に書けばよいのかを解説していきます。

諭旨解雇は履歴書に退職と書けば良い

諭旨解雇になってしまった場合は履歴書の職歴欄には「退職」と書けば良いのです。諭旨解雇は前の会社の温情により再就職に影響しないようにしてくれたため、具体的に退職理由を書く必要もありません。そのため履歴書の職歴には退職と書くだけで問題ありません。

諭旨解雇は面接時に自己申告不要

履歴書の職歴欄に具体的退職理由を書かなくても良いので、諭旨解雇された事を就職面接時に自己申告する必要はありません。

離職票や退職証明書で諭旨解雇だと判明してしまう

面接先の企業によっては離職票や退職証明書を提出を求められる場合は退職の理由が諭旨解雇だと判明してしまいます。その場合はその詳細を話さなくはいけないので覚悟が必要ですね。

諭旨退職も再就職は可能

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諭旨退職になってしまっても再就職はできます。ただし諭旨解雇と同様にやってしまった不祥事は提出する書類によって判明してしまう事もあります。以下に再就職する際はどのように履歴書に書けばよいのかを解説していきます。

諭旨退職は履歴書に一身上の都合と書けば良い

諭旨退職になってしまった場合は履歴書の職歴欄に「一身上の都合」と書けば良いでしょう。諭旨退職は前の会社による温情で自己都合による退職にしてもらえたので「一身上の都合」書けば問題ありません。

諭旨退職は面接時に自己申告不要

諭旨退職も諭旨解雇と同様に面接時に自己申告をする必要はありません。

離職票や退職証明書で諭旨退職だと判明してしまう

ただ、諭旨解雇と同様に離職票や退職証明書の提出で前職での諭旨退職が判明してしまいます。その場合は面接で詳しく話す事になりますので覚悟が必要になりますね。

まとめ

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いかがでしたか。今回は少し複雑な諭旨解雇と諭旨退職についての解説をしてきました。最後にもう一度諭旨解雇と諭旨退職について改めて確認していきます。

諭旨解雇も諭旨退職も懲戒解雇の一種でありながら、前の会社の温情により懲戒解雇よりも軽くしてもらえた処分です。

二つの違いは諭旨解雇には退職金と解雇予告手当と失業手当が出るのに対し、諭旨退職には解雇予告手当が出ない点と諭旨解雇は退職理由が「退職」で良いのに対し諭旨退職は「一身上の都合」による退職になる点が違います。

再就職への影響は諭旨解雇と諭旨退職のどちらも影響は同じで再就職は可能ですが、離職票や退職証明書により退職の理由が判明するので詳しく話す必要があります。

このように諭旨解雇と諭旨退職には共通点と大きな違いがある事がご理解いただけましたね。このような知識も覚えておくといつかどこかで役に立つ事もありますので覚えておきましょう。

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