印刷業界研究|「現状」「今後の動向・将来性」を知ろう!

書籍や雑誌、カタログなど、日常を彩るさまざまな印刷物。印刷業界に、華やかなイメージや憧れの感情を持っている方も、多いのではないでしょうか?今回は、印刷業界の現状や将来性について、ご紹介していきます。印刷業界への就職を考えている方や、業界研究をしているという方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

印刷業界研究:現状

まずは、印刷業界の基本情報を見ていきましょう。データとして印刷業界を見ていくことで、業界の現状を客観的に見ることができます。また、印刷業界企業のシェアランキングもご紹介していきます。

印刷業界の現状:基本情報

それでは、印刷業界の基本情報をご紹介していきます。以下は、平成25年~平成26年のデータです。

・市場規模:3兆8383憶円
・労働者数:34832人
・平均年齢:40.1歳
・平均勤続年数:14.3年
・平均年収:500万円

引用元:「業界動向.SEARCH.com(※1)」

注目すべきは、市場規模の大きさです。他の業界と比較すると、かなり規模が大きいと言えるでしょう。また、労働者数や平均勤続年数は、他の業界と比較して平均的です。平均年齢も、水準よりもやや高めと言ったところでしょう。

平均年収は、一般的な水準よりや、やや高めも500万円。ちなみに、2015年の労働者の平均年収は、440万円でした。(※2)

印刷業界の現状:業界シェア

続いて、印刷業界企業で特に高い業績を残している企業をご紹介していきます。以下は、平成25年~平成26年の各企業の売上高を元にしたランキングです。

・業界シェア1位:凸版印刷
・業界シェア2位:大日本印刷
・業界シェア3位:トッパン・フォームズ

引用元:「業界動向.SEARCH.com(※1)」

印刷業界企業シェアランキング1位に輝いたのは、凸版印刷。売上高は、1兆5320憶円でした。業界全体の市場規模を考えると、非常に高い業績であることが窺えます。

シェアランキング2位は、大日本印刷です。売上高は1兆4485憶円。1位と僅差の、こちらも大変高い業績です。

3位のトッパン・フォームズの売上高は、2614憶円でした。1位・2位と比較すると、大きく差を付けられています。このような背景から、印刷業界では業界シェアランキング上位2位が、所謂「2強」のような形で市場を独占していることがわかりますね。

印刷業界研究:動向

基本データを見てみることで、印刷業界の大まかな構造や現状が分かったと思います。続いては、印刷業界が抱えている課題や市場規模の推移から、より深く業界研究をしていきましょう。

印刷業界の現状:課題

まずは、現在の印刷業界が抱えている課題をご紹介していきます。印刷業界が今後更に成長していくには、どのような課題をクリアする必要があるのでしょうか?

・印刷業界の課題1:インターネットの存在

インターネットの普及は、印刷業界に大きな打撃を与えました。以前は、印刷業界の独壇場とも言えたセールスプロモーション市場が、現在はインターネット関連の企業や事業に奪われつつあります。印刷業界としては、インターネットとの差別化や新たなセールスプロモーション事業を展開していく必要があります。(※3)

・印刷業界の課題2:マーケットの縮小

近年、全国の市町村で合併や人口減少などが進んでおり、印刷業界のお得意様とも言えるマーケットが縮小し続いている傾向にあります。その結果、企業から注文を受けて広告やパンフレットを作成する「受注型営業」では、顧客を獲得することが難しくなりつつあるようです。今後の印刷業界では、新たなビジネススタイルである、「提案型営業」へと移行していく必要がありそうです。(※4)

・印刷業界の課題3:電子書籍事業への参入

上記でご紹介した「課題1」にも繋がりますが、インターネットの普及により、紙を媒体にした広告やパンフレット、雑誌などの市場は、徐々に縮小しています。このままでは、印刷業界全体の市場の縮小も進む一方です。そこで、現在注目されているのが、電子書籍事業への参入です。印刷業界が、紙からデジタルへと、活躍の場をいかに移行していくのかによって、業界の今後も変わってくるでしょう。(※1)

印刷業界の現状:市場動向

続いて、印刷業界の業界規模の推移や、将来性についてご紹介していきます。

印刷業界の市場動向:業界規模の推移

以下は、平成17年~平成25年までの、印刷業界の始業規模の推移をあらわしたグラフです。

引用元:「業界動向.SEARCH.com(※1)」

印刷業界の市場規模の推移は、平成17年~平成25年にかけて、多少の変動はあるものの、ほぼ横ばいと言えます。平成17年~平成19年までは、少しずつ成長を続けていましたが、平成20年以降は、徐々に減少しています。その原因として考えられるのは、やはりインターネットの存在でしょう。インターネットや電子書籍の登場により、従来の紙を媒体としている雑誌や本の売上が、落ちました。その結果、印刷業界の市場規模も減少に転じています。

平成24年~平成25年にかけて、若干の回復傾向に転じていますが、全体的には市場が伸び悩んでいる印象を受けます。

・印刷業界の現状:将来性

上記のグラフなどから、印刷業界の将来性について考察していきます。

市場規模が大きな印刷業界ですが、今後現状をキープしたり、成長したりしていくには、上記であげたいくつかの課題をクリアしていく必要があるでしょう。特に、インターネットや電子書籍の存在は大きく、これらのメディアの利用方法や差別化が、印刷業界の今後を左右していくと言えるでしょう。

しかし、実際に、既に電子書籍の分野へ参入している印刷業界企業も存在しているようです。従来のビジネスモデルにこだわらずに、新たな経営スタイルや市場の開拓をしていくことによって、印刷業界が今後成長していく可能性も、大いにあると考えられます。

印刷業界研究:業界研究本

最後に、印刷業界について更に深く学べる、おすすめの業界研究本をご紹介していきます。

1秒でわかる!印刷業界ハンドブック

印刷業界の基本的な知識から、最新の動向までを網羅している1冊。印刷業界への就職を考えているなら、1度は読んでおきたい内容です。

【新版】印刷業界大研究 (大研究シリーズ)

上記の書籍と合わせて、ぜひ読んでおきたい1冊。印刷業界の仕組みが学べるだけでなく、大手企業や主要企業の最新の動向を知ることもできます。

図解 よくわかる印刷発注のための実務知識

上記2冊は業界全体に関する内容でしたが、こちらの書籍は現場で働く際に役立つ、実践的な内容をまとめています。印刷業界で働くことがどのようなことなのか、現実的に考えることができますよ。

終わりに

いかがでしたでしょうか?いつの時代も、人々に最新の情報を伝え続けてきた印刷業界。現在は、インターネットや電子書籍の登場により、転換期を迎えていますが、これからも人々が情報を求め続けることには、代わりはありません。抱えている問題は少なくありませんが、何らかの形で解決し、再び大きな成長を遂げる日は、必ず訪れるでしょう。

そんな印刷業界に就職し、現状を打開するアイディアを生み出すのは、あなたかもしれませんよ!

[参考資料・引用元]