【業界研究】ITサービス業界の現状・今後の動向・将来性を学び尽くそう

日常生活で当然のように使用している、スマートフォンやパソコン、そしてそれらのさまざまな機能も、ITによる産物と言えますね。今回は、ITの技術を生み出し、開発や運営、管理などをしているITサービス業界に焦点を絞って、現状や動向、将来性などをご紹介していきます。

IT業界研究:現状

最初にご紹介するのは、ITサービス業界の現状です。基本情報や業界シェアなどのデータを通して、ITサービス業界の「今」を研究していきます。

ITサービス業界の現状:基本情報

まずは、基本情報から見ていきましょう。以下は、平成25年~平成26年にかけて統計・発表されたITサービス業界の各情報です。

市場規模:6兆0030憶円
労働者数:119378人
平均年齢:37.7歳
平均勤続年数:10.0年
平均年収:587万円
引用元:「業界動向.SEARCH.COM(※2)」

ITサービス業界は、市場規模が大きい点が特徴です。他の業界や産業と比較すると、まだまだ歴史が浅いITサービス業界ですが、市場規模はかなり大きい方だと言えます。また、労働者数の多さも特筆すべき点でしょう。市場規模が大きいので、それに見合っているとも考えられますが、他の業界と比較すると、かなり多い印象を受けます。「IT業界の人材不足」をよく耳にしますが、現状ではかなりの人数がITサービス業界に従事しているようです。

平均年収は、標準~やや高めと言える金額です。ちなみに今回は、「DODA 平均年収ランキング2015(※3)」で発表されている、440万円という金額を標準と考えていきます。その場合、ITサービス業界の平均年収587万円という金額は、標準を140万円前後も上回ることになります。業界全体の平均の為、もちろん587万円という年収よりも低い企業は存在するでしょう。しかし、そのことを差し引いても、なかなかの高額年収と言えそうです。

ITサービス業界の現状:業界シェア

続いて、ITサービス業界の業界シェアを見ていきます。ITサービス業界の市場に、特に大きな影響を与えている企業は、何処なのでしょうか?以下は、平成25年~平成26年のITサービス業界企業各社の売上高を参考にした情報です。

業界シェア1位:NTTデータ
業界シェア2位:大塚商会
業界シェア3位:野村総合研究所
引用元:「業界動向.SEARCH.COM(※2)」

ITサービス業界の市場に最も影響力のある高い業績をおさめているのは、NTTデータでした。シェア率22.4%、売上高1兆3473憶円で、業界首位を獲得しています。

業界シェア2位は、大塚紹介。シェア率9.4%、売上高5645憶円となっており、2位ではあるものの業界全体の市場の1割に近い売上高となっています。

続いて、3位の野村総合研究所は、シェア率6.4%、売上高3859憶円でした。1位のNTTデータは、唯一シェア率が2桁代となっており、市場を独占していることが窺える結果となっています。

ITサービス業界研究:動向

続いて、ITサービス業界が今、どのように変わりつつあるのか、動向を追っていきましょう。業界が現在抱えている課題や、業界規模の推移などを見ていき、将来性について考えていきます。

ITサービス業界の現状:課題

ITの需要は、日々増しており、これからも生活やビジネスにおけるITの割合や需要は上がっていくと考えられます。しかし、一見順調そうなITサービス業界も、課題や問題を抱えています。どのような課題を抱え、どうやって解決すべきか考えていくことで、ITサービス業界の将来性なども見えてくるのではないでしょうか。

ITサービス業界の課題1:成熟期の到来

ITサービス業界は、1970年代から産業として存在感を増すようになり、劇的な成長を遂げてきました。しかし、近年の動向や傾向などから、「ITサービス業界は成熟期に入った」という見方もされています。安定成長を遂げ、1つの産業として需要が一巡した今、更に産業として成長していくには、どのようにすべきか?将来性について業界全体で考えていく必要がありそうです。(※4)

ITサービス業界の課題2:働き盛り年代の減少

ITサービス業界の資格の1つとして有名な情報処理技術者試験ですが、2003年から減少傾向が続き、2006年の応募者数あ、2002年の時よりも、20万人も減少しているというデータがあります。その原因はいくつかあるとされていますが、特に「3K化」の影響が大きいとされています。3K化とは、長時間労働などによる「ITサービス業界=きつい」というイメージの定着を意味します。近年、マスコミによってITサービス業界の負の一面が報道されるようになり、世間に上記のような印象が定着してしまったのです。その結果、ITサービス業界を志望する人が少なくなり、働き盛り年代の減少に繋がっているとされています。(※5)

ITサービス業界の課題3:業界レベルの改善

日本だけでなく、世界でもIT化は進んでおり、近年はインドや中国の企業の活躍や参入が見られるようになりました。日本は、海外の企業とも競争していかなければならない状況に置かれています。海外企業に対抗できる経営力やビジネスプランを形成するにあたって、「知識集約型」という、仕事のスタイルを積極的に提案するモデルへと変更していく必要があるとされていますが、ITサービス業界企業各社では、なかなか仕事のスタイルを変えていくことが難しく、このままでは国際社会における競争力を高めることが難しいと見られています。(※6)

ITサービス業界の現状:市場動向

続いて、ITサービス業界の市場動向を追っていきましょう。近年の年度別の業界規模の推移を見ていき、最終的には将来性について考えていきます。

ITサービス業界の市場動向:業界規模の推移

以下は、平成17年~平成25年までのITサービス業界の業界規模の推移をあらわしているグラフです。

引用元:「業界動向.SEARCH.COM(※2)」

平成17年~平成20年にかけて上昇し続けたITサービス業界の業界規模。しかし、平成21年に急落してしまいます。とはいえ、この現象傾向はすぐに回復傾向へと転じ、平成22年からは再び増加傾向に。その後は順調に回復していき、平成25年には平成17年以降で最も大きな業界規模となりました。

ITサービス業界の業界規模が、平成21年に急落した原因は、リーマンショックや東日本大震災などが考えられています。また、平成25年に大幅な成長を見せた背景には、円安やアベノミクスが関係しており、IT投資の動きが再び活発になった為と見られています。

ITサービス業界の現状:将来性

これまでご紹介してきた現状や動向を元に、ITサービス業界の将来性について考察してみます。

日常生活やビジネスにおいて、「IT」が占める割合は、今後も増え続けるでしょう。ITサービス業界の需要も高まっていき、将来性としては明るいと考えられます。

しかし、課題は決して少なくありません。やはり、「3K」という言葉があるように、ITサービス業界で働くことへのマイナスイメージは強く、新たにITサービス業界で働きたいと志望する労働者は、減少しつつあるようです。現在、現場で活躍している年代が退職や引退をした際には、一気に人材不足に陥る可能性が高く、事業として回すことができなくなる企業もあると考えられます。そうならない為にも、労働環境の改善や、若い人材の確保・育成は急務と言えるでしょう。

また、ITサービス業界企業は、海外のIT企業と競争していく力を身に着けなければなりません。その為には、経営や事業、更にはビジネススタイルの見直しをする必要があります。

上記の課題に対して、今の段階からどれだけ取り組み、解決していけるかが、ITサービス業界の今後を大きく左右するポイントとなるでしょう。

ITサービス業界研究:業界研究本

最後に、ITサービス業界についてもっと深く研究したい!という方におすすめの、3冊の業界研究本をご紹介していきます。

1.世界一わかりやすい IT業界のしくみとながれ

ITサービス業界の基本的な仕組みやシステムについて、わかりやすくまとめられた書籍です。

2.就活、転職の役に立つ デジタル・IT業界がよくわかる本

「IT」「デジタル」などの、普段何気なく使っているものの、正確な意味が分からない言葉を、詳しく解説しています。また、大手IT企業のビジネスモデルやITサービス業界の今後などについても述べています。

3.【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド

ITサービス業界は、トレンドや常識の移り変わりが早く、変化が激しい業界です。近年、新たに注目を浴びるようになった「ビックデータ」や「クラウド」など、最新のトレンドや技術の意味や仕組みを詳しく解説している書籍です。

終わりに

いかがでしたでしょうか?今回は、ITサービス業界の現状や動向、将来性についてご紹介しました。

ITサービス業界は、今後も更に成長していく産業だと考えられます。また、最新技術やトレンドの移り変わりが激しいので、Itサービス業界への就職を検討している方は、情報収集を怠らずに、常に最新の情報を把握できるようにしておきましょう。

ITサービス業界の研究をしている方はこちらの記事で、より深く業界研究を行いましょう。

[参考資料・引用元]