医薬品業界研究|「現状」「今後の動向・将来性」を知ろう

今回は、医薬品業界について、現状や動向、将来性などをまとめていきます。医療や、製薬業界に興味があり、就活の企業研究をしているという方は、ぜひ目を通してみて下さい。目から鱗の情報があるかも知れませんよ!

医薬品業界研究:現状

始めにご紹介するのは、医薬品業界の基本情報です。市場規模や労働者数、平均年収などを具体的な数字を通して見てみることで、医薬品業界の「今」と客観的に向き合ってみましょう。

医薬品業界の現状:基本情報

以下は、平成25年~平成26年までの業界の情報を元にしたデータです。

市場規模:10兆2.509億円
労働者数:83.642人
平均年齢:41.0歳
平均勤続年数:11.7年
平均年収:710万円
引用元:「業界動向SEARCH.com(※1)」

注目すべきは、平均年齢の高さと、それに比べて低い平均勤続年数です。平均年齢は41歳と他の業界よりも年齢層は高くなっています。しかし、平均勤続年数は11年と他の業界よりもずいぶん短いです。これは医薬品業界が他の業界と違う点が影響しています。

医薬品業界に進むには大多数が医・薬学部といった難関学部を経て入社します。そのため、新卒で入社する際、既に平均年齢が他の業界に比べて高くなってしまいます。このため勤続年数が少なくても平均年齢が高くなる現象が生じます。自分の進退を決断する年数が少なくて済むといったメリットも生じます。

平均年収に関しては、他の業界と比較してもかなり高くなっています。2015年の一般的な労働者の平均年収は、440万円です。(※2)この値と比べて1.5倍ほど年収が高いことが分かります。これは大学で学ぶ期間が大きかったこと、それにより新卒入社の年齢が引き上げられることからも当然といえる流れです。

医薬品業界の現状:業界シェア

続いて、巨大な医薬品業界の市場が、どのような内訳で成り立っているのか、業界シェアを見ていきます。

業界シェア1位:武田薬品工業
業界シェア2位:アステラス製薬
業界シェア3位:第一三共

引用元:「業界動向SEARCH.com(※1)」

上記は、平成25年~平成26年の、医薬品業界企業の売上高を元にしたランキングです。

●武田薬品工業

医薬品業界の業界シェアトップは、武田薬品工業。その売上高は、1兆6.916億円。売上高シェアは16.5%です。1企業だけで国内生産の1割以上のシェアを獲得しています。

●アステアス製薬

続いて、2位にランクインしたのは、アステアス製薬でした。売上高は1兆1.645憶円。売上高シェアは11.4%です。1位に続いて大変高い業績を残しています。1位にはリードを許していますが、大差というわけではありません。今後の経営や展開次第では、逆転も狙えます。

●第一三共

3位の第一三共の売上高は、1兆1.187憶円でした。売り上げ高シェア10.9%です。こちらもそんなに差を付けられているようには感じません、1企業の業績としては十分高いものとなっています。

ちなみに、4位の大塚HD(医療関連事業)は、1兆350憶円(10.1%)。5位のエーザイは6.003憶円(5.9%)でした。4位までの企業は、売上高が1兆円を越えているということになります。医薬品業界の巨大な市場は、この4つの企業によって今は動いていると言えます。

医薬品業界研究:動向

次に見ていくのは、医薬品業界の動向です。今、医薬品業界ではどのようなことが起こり、業界はどのように変化しているのでしょうか?業界が現在抱えている課題や、業界規模の推移などから読み取っていきましょう。

医薬品業界の現状:課題

まず、医薬品業界が現在抱えている課題や問題点をご紹介していきます。

●医薬品業界の課題1:企業間の再編や合併の多さ

近年、医薬品業界は再編や合併を繰り返して企業を成長させてきました。

大きな動きとしては、まず平成17年4月に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併。アステラス製薬が誕生しました。それから同17年10月の大日本製薬と住友製薬が合併しての大日本住友製薬の誕生。さらに19年4月には三共と第一製薬が経営統合し、第一三共が誕生。その後もこうした動きは活発化し、今では企業間のけん制が当たり前のようになっています。

●医薬品業界の課題2:海外メーカーとの合併

企業間の合併は国内だけではありません。第一三共は平成20年11月、インドの後発薬大手のランバクシー・ラボラトリーズを子会社化しました。

19年4月には第一三共ヘルスケアがゼファーマを吸収合併。さらに、同19年10月、田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併し田辺三菱製薬が誕生。そして業界5位のエーザイは20年にMGIファーマ(米)を、21年9月には大日本住友製薬がセプラコール(米)を買収。

20年5月には武田薬品工業が米国バイオ医薬品会社ミレニアム・ファーマシューティカルズを買収。23年9月にはスイスの医薬品会社ナイコメッドを買収。さらに24年6月、米URLファーマ及び子会社19社を買収しました。

●銀行業界の課題3:強い海外メガファーマ

こうした再編や統合、買収を繰り返す背景として、海外企業への対抗が挙げられます。

ファイザー(米)、ノバルティス(スイス)、ロシェ(スイス)など売上高3兆円を超える海外企業に対抗するには、統合を繰り返し、資金力を蓄え、規模を大きくする必要があります。

しかし、国内首位の武田薬品工業でも海外ではトップ10圏外です。海外医薬品メーカーの規模の大きさ、層の厚さが分かります。

また、既存の企業を買収することにより、海外市場の開拓や新たな治療薬の開発を加速する狙いも当然あります。特に近年では、承認審査の厳格化や技術革新の停滞など、新薬の創出が難しくなっています。こうした背景により、既存企業を買収することにより新薬の研究を加速させ、新たな成長へと結びつけたい狙いもあります。

医薬品業界の現状:市場動向

次に医薬品業界の市場動向を見ていきます。業界規模の推移から業界の将来性を考察していきます。

医薬品業界の市場動向:業界規模の推移

以下は、平成17年~平成25年までの業界規模の推移を示したグラフです。

引用元:「業界動向SEARCH.com(※1)」

業界規模の推移としては、平成17年~平成25年まで、ゆるやかでありますが右肩上がりです。これはやはり医薬品という他の業界とは違う得意性が表れているのが分かります。

医薬品は国民が健康に生活するためにはなくてはならない大切なものです。このことから日本では国民皆保険制度が成立しています。医薬品を消費する際にも消費者一人ひとりが医薬品の負担額をすべて請け負うわかではなく、国民が分担して負担する仕組みが執られています。このことから病気やけがで医薬品が必要となった場合、いくら家計が苦しくても医薬品の使用を制限することはまずありません。今後も法律が変わらない限りは医薬品業過の市場規模は安泰となっていくのが確実です。

医薬品業界の現状:将来性

続いて基本情報や現状、業界規模の推移から医薬品業界の将来性を考察していきます。

アメリカの金融危機やリーマンショックにより落ち込んでいた業界が多かった昨今。しかし、医薬品業界に至っては違います。

この業界は最も潰れることのない安定した業界と言われています。しかし、業界の動向で分かった通り、再編や合併などの企業間の動きが激しい業界です。潰れることはなくても会社の名前は次々に代わっていくことが考えられます。職を失うことはないでしょうが一つの職場に墓を埋めるような昔ながらの働きは難しい業界とされています。

医療業界への転職を考えている人

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医薬品業界研究:業界研究本

最後に、医薬品業界について更に詳しく学びたい!という方に向けて、おすすめの業界研究本をご紹介していきます。

最新 業界の常識 よくわかる医薬品業界(最新・業界の常識)

記事番号:575/アイテムID:174717の画像

業界研究本と言えばこれ!と言われるほどの、定番のシリーズです。医薬品業界の仕組みやシステムについて学べます。

図解入門業界研究最新医薬品業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第5版]

記事番号:575/アイテムID:174733の画像

おなじみの図解入門シリーズです。入門編としては十分すぎる内容です。

MRサバイバル生き方・働き方を見直し、人間性で成功をつかめ

記事番号:575/アイテムID:174723の画像

これまでは、基本的な情報が書いてある本をご紹介をさせて頂きました。
こちらの本は、業界の裏側がわかる本です!
本気で知りたい方にお勧めの一冊になります!

終わりに

いかがでしたでしょうか?今回は、医薬品業界の現状や動向、将来性などをご紹介しました。皆さんの業界研究のお役に立つような情報は、あったでしょうか?

国民が文化的な生活をしていくためには健康が何よりも大切です。その健康を守るのは医薬品です。医療行為の基礎となるのは薬剤治療。皆さんの身近なところではいつも薬剤が生活を支えてくれています。何か体調に違和感を感じたらすぐに受診するように心がけましょう。

就活生の皆さん、医薬品業界で働く先輩方は、そんな人たちの生活を日々守るために従事しています。誇りとやりがいを持って毎日切磋琢磨しているこの業界に是非羽ばたいてみてください。

[参考資料・引用元]