「頂く」「戴く」の意味の違いと使い分け方・例文

敬語でよく使われる「頂く」と「戴く」。意味の違いや使い分け方に迷ったことはありませんか。2つの意味・使い方に基づく例文も幾つかご紹介します。敬語の「頂く」と「戴く」を上手に使い分け、ワンステップ上の社会人を目指しましょう。

「頂く」と「戴く」のそのものの意味

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社会人として、敬語でのコミュニケーションをする場面は多くあります。
また、文書においても同様に、敬語を用いる場合が多くあります。
しかし、間違った敬語を使ってしまうと、社会人としてちゃんとしていないという印象を
与えてしまいます。
そこで、今回は、敬語の中でもよく使われる「いただく」についてご紹介したいと思います。

まず、「いただく」(「頂く」・「戴く」)のそのものの意味は、以下のようなものがあります。

1 頭にのせる。かぶる。また、頭上にあるようにする。
2 敬意を表して高くささげる。頭上におしいただく。
3 敬って自分の上の者として迎える。あがめ仕える。

出典:https://kotobank.jp

「頂く」は行為に対して使う敬語

頂という漢字には、山頂や頂点のように、何かのてっぺん、トップという意味があります。
また、「頂く」には、「大切にする、敬い扱う」・「食べる、飲む」の謙譲語という意味があります。
つまり、「頂く」は、食べる、飲むという行為に対して使う敬語ということです。

それでは、「頂く」はどのように使われるか例文を見てみましょう。

お酒をもう一杯頂く

元の文は、「お酒をもう一杯飲む」です。
つまり、この「頂く」は、飲むの敬語(謙譲語)として用いられています。

ごちそうをお腹いっぱい頂く

元の文は、「ごちそうをお腹いっぱい食べる」です。
つまり、この「頂く」は、食べるの敬語(謙譲語)として用いられています。

「戴く」は物に対して使う敬語

戴という漢字には、「面を持ち上げてかぶせる」・「頭に物をのせる」という意味が
あります。
しかし、戴という漢字は、常用漢字ではないため、普段はあまり使われません。
また、「戴く」には、「ありがたく受ける」・「もらう」の謙譲語という意味があります。
つまり、「戴く」は、物に対して使う敬語ということです。

それでは、「戴く」は、どのように使われるか例文を見てみましょう。

頭に冠を戴く

元の文は、「頭に冠をもらう」です。
つまり、この「戴く」は、冠を「もらう」の敬語(謙譲語)として用いられています。

本を戴く

元の文は、「本をもらう」です。
つまり、こちらの「戴く」も「もらう」の敬語(謙譲語)として用いられています。

同じ文での使い分け方

「頂く」と「戴く」のそれぞれの意味や使い方についてお伝えしてきました。
ここでは、同じ文での使い分け方と意味の違いを、例文でご紹介します。

・松坂牛を頂く:(自分が)松坂牛を食べる
・松坂牛を戴く:松坂牛をありがたくもらう

ここでの「頂く」は食べるの謙譲語、「戴く」はありがたく受け取るの意味で使われています。
前者の文では、自分が用意した松坂牛を食べている場面でも使えますが、後者は、人から受け取るという意味合いなので、自分で用意したものではないということが分かります。

・トロフィーを頂く:トロフィーを大切にする
・トロフィーを戴く:トロフィーをもらう

ここでの「頂く」は大切にする、「戴く」はその場でもらったという意味の謙譲語として使われています。
前者の文では、その場でもらったわけではなく、受け取った後の取り扱いのことを表しています。
後者の文では、まさに今、人からトロフィーを受け取ったということを表しています。

このように、同じ文でも「頂く」と「戴く」の漢字の違いで、文の意味が変わってきます。
それぞれの意味、使い方をしっかり理解して、正しい使い方をしましょう。

「頂く」・「戴く」は尊敬語として使わない

ここまでにお伝えしたように、「頂く」・「戴く」はそれぞれ敬語の中でも、謙譲語として使われています。

どうぞ、いただいてください。

しかし、最近では、上の文のように、尊敬語として「頂く」・「戴く」を使う人が増えてきています。
この場合、「食べる・飲む」の尊敬語は、「召し上がる」、「もらう」の謙譲語は、
「お受け取りになる」です。

「頂く」・「戴く」を尊敬語として使うことは、間違った日本語であることを理解しときましょう。

まとめ

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いかがでしたか。「頂く」と「戴く」の意味の違いや使い分け方についてご理解いただけたでしょうか。

「頂く」は、行為に対して使われる敬語。「戴く」は、物に対して使われる敬語。
そして、「頂く」と「戴く」は、謙譲語として使われますが、尊敬語としては使われません。

これらのことを覚えておけば、「頂く」と「戴く」を正しく使い分けることができるでしょう。

「頂く」と「戴く」のように、同じ読み方をする漢字はたくさんあります。
それらを正しく使い分けることで、ビジネスシーンでちゃんとした人であるという印象を与えることができるでしょう。