女性が管理職になることのメリットとは?|女性管理職登用の現状と課題

近年では、女性が管理職まで上り詰めるケースが急増に増えています。みなさんの管理職のイメージはどのように写っているでしょうか?実は女性管理職はメリットがたくさんあります。今回は、そんな女性管理職について詳しく解説していきたいと思います。

女性管理職のメリットとは?

男性管理職とは異なる、女性管理職の特徴

そもそも、男性脳と女性脳では異なる特徴があります。一般的に、男性は「一つのことに集中することが得意」、女性は「観察することが得意」という違いがあります。女性のこの特徴は働く場において、「全体を俯瞰して観察することが出来る」ということになります。加えて、女性らしさという点では「気配り」が出来るという点もあります。

女性管理職のメリット

先に述べた、女性の特徴である「観察力」と「気配り」を合わせることで、女性管理職は会社全体、またはチーム全体を俯瞰しつつ観察することが出来ます。それにより、男性的な「体育会系のチームワーク」とは異なり、チームメンバーの全員の状態を観察しながら、チームをやんわりと、それとなく動かすことが出来るのです。

また、女性ということで、男女を問わないチームメンバーから仕事のこと、もしくはプライベートなことを「相談されやすい」ということもあります。メンバーの不安に「芽」の段階から対処することで、プロジェクトを円滑に進めることが出来ることも大きなメリットでしょう。

日本における労働人口の問題

超少子高齢化社会の日本において、これから受ける試練は「労働人口の低下」です。労働人口が絶対母数として減少していく未来において、成長もしくは存続を望む企業に必要なことは、「労働力の確保」になります。

ここでは「労働者」ではなく「労働力」と、敢えて記載しました。
総務省のHPにもありますが働くことのできる「生産年齢人口」は2013年末には7,883万にまで既に減少しており、2060年には4,418万人まで大幅に減少(2013年のなんと56%)することが予測されています。

ただ、注意したい点は「生産年齢人口=労働人口」ではないことです。生産年齢人口は働くことが出来る年齢の人口であって、この中には働いていない人も含まれます。こうした未来の日本の状況を見据えて大切なことは、どうやって「労働者」を生み出すのか、ということでもあります。企業としては「労働者」を確保すること、潜在的な労働者を顕在化するだけでは、競争には勝てません。

労働者が少なくることで、人件費(賃金)は上がるでしょう。そうした中、賃金に対して良いパフォーマンスを出す人材を確保することが「労働力の確保」なのです。

未来に向けて、女性管理職が必要

優秀な人材には男女の差はありません。これまでは男性の優秀な人材、つまりパフォーマンスが良く、長時間働ける人間が求められてきました。

しかし、これからは残業時間の制限など、日本における働き方が変わろうとしている中では
決められた時間内に高いパフォーマンスを出す人材が求められることになります。女性は一般的に家事や育児をこなす能力がある為、タイムマネージメントが得意な人も多く、決められた時間内で高いパフォーマンスを出すことが得意な人も多いのです。こうした会社において費用対効果の高い女性が評価され、管理職になることは、これからの世の中の変革にマッチします。

また、女性管理職がいることで、自分と同じような費用対効果の良い人材「良い労働者」「高い労働力をもつ人」を見つけ、評価するようになりますし、潜在している女性の労働者を顕在化させる、つまり働く女性を見つけやすくもなります。

そして、職場に女性が増えれば、さらなる女性管理職が生まれ、相乗効果が期待できます。

女性管理職が増えれば、企業にも良い効果が

現在、ダイバーシティが求められている社会で女性管理職が多い企業は、外部から高く評価される傾向にあります。こうして企業評価が高くなれば、更に良い人材も集まってきます。そうした面でも、企業には今、女性管理職を増やす努力、そして実際に増やすことが社会からも、そして企業自身の為にも求められているのです。

女性管理職登用の現状

先進国における日本の女性管理職登用の現状

日本における女性管理職の登用の割合が低い、というのはよく知られていますが、先進国の中において、日本がどれ程のレベルにあるかは、ご存知でしょうか。総務省統計局の「労働力調査」をベースに日本生命がまとめたデータによれば中堅企業における「経営幹部の女性比率」は、日本は7%で世界36カ国中最下位となっています。

日本社会における女性の位置

それでは、なぜ日本の女性管理職は少ないのでしょう?
それには、これまでの日本の社会背景にあります。一般的にいうところの「男は外で働き、女は家のことをする」こうした社会背景は、ジェンダーギャップインデックスからも見ることが出来ます。

日本における男女格差

ジェンダーギャップインデックス(GGI)とは、世界経済フォーラム(ダボス会議)で発表される、男女の格差を、経済、教育、健康そして政治の面からスコア化したもののことです。

1に近いほど、男女平等を示し、0に近いほど不平等であることを示します。内閣府男共同参画局に発表された2016年発表の2015年のデータによると北欧国が0.8以上をスコアしているのに対し、日本は0.67と145か国中101位でした。

しかも、このスコアを上げるのに貢献したのが、「妊婦の死亡率の低さ」という健康面であることも留意する必要があると思います。

なぜ、日本の女性管理職は少ないのか

日本において、女性管理職が少ない現状を生み出したのは、「男女が平等に働くことが出来る」、「働く女性を守り、働く女性を増やす」ために、これまで国の政策や予算が足りなかったこと、そして企業側の制度も遅れたことが大きな原因です。

このような対策の遅れは結果として、日本における管理職になる為の要件である「高い能力がある」かつ「勤続年数が長い」の両方を満たす女性が少ない現状を生み出してしまったのです。

海外における女性管理職を増やす取り組み

主に政治において導入されている国が多い「クオータ制」、これは政治等において、ある一定の割り当てを規定するものです。現在では主に女性の登用率を一定以上に規定する意味で使用されることが多いです。

例えば、1978年のノルウェーの男女平等法には、「公的機関が4名以上の委員会や、審議会、評議員会などを任命もしくは選任する際には男女はそれぞれ40%以上の比率で選出されなければならない。また、4名以下の場合は必ず両性が選出されなければならない。」と示されています。

そして、2003年ノルウェーは、この「クオータ制」を世界で初めて、大企業においても義務づけました。その後、特定の企業におけるクオータ制の義務付けはEUのフランス、スペイン、そしてドイツなどの国々にも導入されるようになりました。クオータ制には、否定的な意見もあります。それは、逆に「不平等だ」という意見や、純粋に有能な人材を登用する中で、女性だけ枠が決まっていることで、結果として、有能でなくても女性であれば登用されるという状況を生む、というものです。

しかしながら、導入国の現状を見ると、国から義務付けされたことで、女性管理職の数は確実に増え、また働く環境、ワークライフバランスが良くなったという結果につながっています。

日本における女性に対する取り組み

安倍政権は「女性活躍加速のための重点方針」を掲げています。2016年にはその内容が発表されました。内閣府男女共同参画局の女性の活躍促進のページには、それらの資料が掲示されています。この中では、女性が活躍する為、まず国レベルで実行し、地方自治体レベル、そして最終的には企業に「女性が活躍できる環境づくり」を促すことを目標としています。

内容は、女性の健康や安全、出産そして育児、男性と均等に働ける環境づくり、そして男性の育児参加促進、また、男性も含めて仕事と家事が出来る環境を作る為の、保育園や働き方改革(働き方の多様性、長時間労働の削減)などが示されています。

働く女性に対する、日本の取り組み

安倍政権は2016年8月28日に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」を国会で成立しました。この法律は、女性が働く環境において活躍できる社会を実現するため、数値目標を設定し、その行動計画の策定・公表が国や地方自治体、そして一部の民間企業(従業員301人以上)に義務付けるというものです。従業員300人以下の民間企業には努力義務が求められています。

つまり、働く女性について、組織は、その現状を把握し課題を分析し、活躍できるよに改善する為の計画を届け出、社内通知、公表し、女性の活躍状況を公表しなければならない、ということです。安倍政権はこの具体的な数字を2020年までに、指導的地位に占める女性の割合を30%にと公表しました(2030ニーマルサンマルとも呼ばれます)。

女性管理職登用の課題

現在の女性管理職の実態

実態として、未婚率が男性より高く、子供がいない率も男性よりも高くなっています。つまり、若い頃から男性と同様に、長時間バリバリ働いてきた女性が、管理職になっており、結婚し、子供を育てながら管理職についている女性は、まだまだ少ないと言えます。

女性社員と女性管理職

女性管理職がいることで、女性社員のモチベーションが上がり、また女性社員の勤続年数も上がると言われています。

しかし、その反面、一般的に女性社員が転職や退職を考える言われている27歳と35歳の時期・節目に、「現在の職場では自分のキャリアが見えない」という転職・退職の理由を作っているのも、現在の女性管理職であるのもことも事実です。

つまり、現在の女性管理職像では「仕事か結婚か」「仕事か子供か」の選択を迫られてしまう、というのが実態なのです。

新しい評価方法の導入が必要

今、企業に求められているのは、女性管理職が少ないことの原因を明らかにし、その課題に取り組むことです。その原因は様々なことが挙げられます。

しかし、どの企業においても共通に必要とされているのは、女性社員が憧れる「女性管理職」を増やすことです。President Onlineによれば、女性社員の82%が「管理職になりたくない」と答えています。その理由は、仕事と育児の両立が難しいことや、周りに女性管理職がいない、そして、女性は管理職になれない、というものです。これでは、いくら政府が女性活躍を推進し、義務化したところで、数値目標を達成することは難しいでしょう。

また、仕事も家事も両立しつつ、バリバリ働くことが出来るスーパーウーマンだけが、管理職になるのでは、他の女性社員のモチベーションを上げる事にはなりません。そこで、必要を迫られているのが、男性も含めた「働き方改革」です。長時間労働をしたから評価されるのではなく、仕事の内容で評価される、そして、フレキシブルな勤務形態の導入、ワークからライフへのサポート(男女の育児休暇の取得など)を加えて、ダイバーシティを認める職場の実現(男女間の偏見をなくすこと)などです。

こうした働き方改革の流れは先に述べた、日本における管理職になる為の要件である「高い能力がある」かつ「勤続年数が長い」の両方を満たさないと管理職になれない、という現状を変えることにつながるのです。

日本の女性管理職が増加が未来を変える

安倍政権が設定した「2030運動」(2020年までに女性管理職の割合を30%にする)は簡単な取り組みではありません。また、これは女性だけの問題でもありません。女性が社会で活躍するためには、家庭のサポートは不可欠です。

つまり、男性の働き方も見直さなければならないことを示しています。難しい問題ではありますが、これまでEU各国が女性参画を数字として義務付け、結果を出してきたように、日本も大きな変革を経て、この数字を達成出来るよう努力が求められています。今、社会全体で取り組むことが、超少子高齢化、労働力人口の減少に悩む日本の未来の為にも必要なのです。