自己開示が苦手な人の特徴・自己開示のメリットとデメリット

職場の誰とも仲良くなれない、人の話を聞くのは好きでも、いざ自分のこととなると何を話していいのかわからない……と悩んではいませんか?信頼できる関係作りには自己開示が必須です。仕事からプライベートまで役に立つ、上手な自己開示の方法をご紹介します。

自己開示で、人間関係を円滑にしよう

「自己開示」とは、簡単に言ってしまえば「ありのままの自分自身のことを相手に話すこと」です。
自分がどういう人間なのか、どんなことを大事にしているのか、あるいはどんなことが好きで嫌いなのかといったことを言葉で相手に伝えることで、相手は貴方を一人の個性ある人間として認識します。

さらに「自己開示」には「返報性」と呼ばれる特徴があります。
「返報性」とは、相手から何かもらったらお返しをしなければならない、という心理のこと。
つまり、「自分自身のことを明かす」ことによって、相手もまた心を開いて「相手自身のことを明かしてくれる」のです。

例えば東京に勤める貴方が、
「実は沖縄出身なんです、遠いでしょう?」
と明かした場合、相手が
「私も遠いですよ! でも私は正反対の北海道出身なんです!」
と返してくれたら、沖縄と北海道の違いで話が盛り上がり、それが相手と仲良くなるきっかけとなるかもしれません。

ビジネスにおいては、上司、同僚、取引先、顧客などあらゆる関係性の人間とコミュニケーションを取らねばなりません。どんな相手とでも円滑な人間関係を築き上げるために必要不可欠なものこそ「自己開示」なのです。

自己開示を仕事で上手く使った場合の具体例

仕事で自己開示をする一番最初のチャンスは自己紹介です。
入社時の自己紹介が嫌だという人は多いのではないでしょうか?
しかしなんといっても第一印象が決まってしまう大事な場面、ここで自己開示が上手くできるかできないかで、その後の人間関係に大きく違いが出ます。

例えば、
「○○です。よろしくお願いします」
では話し手の人間性が全く見えてきません。何も印象には残らないでしょう。

しかし、
「○○です。趣味は映画鑑賞です。よろしくお願いします」
と自分の趣味について一言加えるだけで、同じ趣味を持った人たちが近寄ってきてくれるかもしれません。

さらに、もしここで、
「○○です。好きなものはとにかく酒。酒はガソリン。でもご安心下さい、もちろん仕事中には呑みません。全力で頑張った仕事帰りの一杯が最高なんです。お酒好きの方一緒に呑みましょう!」
なんてやることができればちょっとしたユーモアも織り交ぜられる明るい人間だということが伝わり、飲み会などですぐに周囲と打ち解けることができるでしょう。

また、自己開示が鍵となるもうひとつのわかりやすい例に、「取引先や顧客とのやりとり」があります。
取引先や顧客とのコミュニケーションにおいて自己開示は必須といえるでしょう。

なぜなら、仕事を依頼する方にしてみれば、
「無愛想で仕事以外の話は一切しない、何を考えているのかわからない相手」
と、
「仕事以外の話もしやすい、いろいろ話せて無茶を言っても気まずくならない信頼関係のある相手」
では後者を選びたくなるのは当然のことだからです。

上司や同僚とは違い、社外の人間と接する時間は限られています。自分からどんどん自己開示していかなければ、信頼関係を得ることはできません。
貴方が仕事を取れるか否かは自己開示にかかっているのです。

自己開示を有効活用することでのメリット

自己開示が上手くできるようになるとどうなるのでしょうか? 特に仕事に関してのメリットを見てみましょう。

人間関係が上手くいきやすくなる

貴方自身の情報が多ければ多いほど、人は貴方に話しかけやすくなります。今まで話す機会のなかった人ともつながりを持ちやすくなり、豊かな人間関係を築き上げることができます。

相手から情報を聞き出すのが上手くなる

自己開示の特徴である「返報性」を利用すると、「うちではこうなんだけどね、そちらはどんな具合です?」というようにありとあらゆる相手の状況をさりげなく聞き出すことができます。

重要な仕事を任されやすくなる

仕事を任せるなら、何も情報がないよく知らない相手より、信頼のできる相手の方がいいのは当然です。
自己開示によって上司との間に「こいつならこの仕事を任せても大丈夫だろう」という信頼関係を築くことができれば、職場での貴方の立ち位置はより重要なものとなっていくでしょう。

自分の意見や考え方をまとめやすくなる

自分の中に「なんとなく」存在する意見を改めて口に出して相手に伝えることで、「明確な」意見へと変わります。これを繰り返すことで自分の中の考えがまとまっていくので、「自分はこういう人間だ」と自信を持って相手に伝えていくことができるようになります。
また、話下手な人については「何を話したらいいのかわからない」という悩みから解放されることでしょう。

自己開示をしないことのデメリット

では、自己開示をしないでいるとどうなってしまうのでしょうか。具体例をいくつか見てみましょう。

職場で遠巻きにされる

「あの人なんか付き合いづらいよね……」と思われて、誰からも話しかけられない、あるいは話しかけてくる人がどんどん減っていくなんて事態に。職場での居心地が悪くなってしまいます。

仕事が割り振られない

上司に自己開示しないでいると、「何が得意なのか」「何が苦手なのか」という情報が全くないために仕事を任されにくくなります。チームを組んで仕事にあたる場合でも、当たりさわりのない役割ばかり振られるでしょう。

人に覚えてもらえない

自己開示しないというのは個性が全く見えてこないのと一緒です。印象が薄くなりがちで、取引先や顧客に覚えてもらえず、とれる仕事もとれなくなってしまいます。

情報に疎くなる

同僚から同僚へ人づてに出回るような噂話や、取引先の人間からぽろりとこぼれる裏事情などは普通、仲のいい人、ここだけの話ができる人だけが聞けるものです。自己開示しないままでいるとこうした情報を手に入れることができなくなり、チャンスを逃してしまいます。

自己開示が苦手な人の特徴4つ

「なぜか人と仲良くなれない」そんな悩みを抱えてはいませんか?
実は、周囲に対する自己開示が不足しているのかもしれません。もしこれからご紹介する特徴にひとつでも当てはまっている場合は要注意です。

特徴1:自分の話をしない

相手に話させるだけで終わってしまい、気がつけば何一つ自分のことは話していないというタイプ。
自分の中に確固とした考えはあるものの、どう話していいのかわからない、あるいは相手に理解を求めることが少ないため、なかなか人と仲良くなれません。
こんな場合、まずは相手の話に対して返事がてら自分ならどう思うか、ということを少しずつでも織りまぜていくとよいでしょう。

特徴2:会話のキャッチボールができない

相手に何か話しかけられても「うん」とか「ふーん」とか、「ああそう」などの相槌ですぐに話を終わらせてしまういわゆる「会話が続かない」タイプ。
それ以上話題が盛り上がらないので、相手も話題選びに困って引いてしまいます。「昨日は暑かったね!」「へえ、暑かったの? 全然気がつかなかったな」なんていうように、最初はおうむ返し+何か一言からでもいいので、相手の話題を膨らませる努力をしましょう。

特徴3:話を振るのはいつも相手から

自分から何か相手と交流を持とうという積極性に乏しいタイプ。
常に相手からのアクションを待つことに慣れているため、いざ自分からとなるとどうしていいかわからず、結局また相手から話しかけてくれるのを待つ……というパターンを繰り返します。
しかし、いつまでも相手が声をかけてくれるとは限りません。たまには自分からも話しかけていくことで、相手に対して「ちゃんと貴方との話を楽しみに思っている」「貴方と仲良くなりたい」という意志をアピールしましょう。

特徴4:自分に自信がなく、いつもおどおどしている

相手の反応が気になってしまい、嫌われることを恐れて自分のことをさらけ出せないタイプ。
でも、自己開示のコツのひとつは「相手の反応は気にしない」ことです。まずは人それぞれ違って当たり前な「好きな食べ物」とか、そもそも好悪が発生しない「出身地」などの話から始めて、徐々にレベルアップしていくとよいでしょう。

自己開示のテクニックその1:まずは小さなことから話す

いざ自己開示していこうと思ってもどうしたらいいかわからないという場合、まずは小さな話題から始めてみることをおすすめします。具体例を挙げてみましょう。

・出身地「東京の人は冷たいって聞いていたので、九州から上京してくる時に少し怖かったんですけどね。こないだ駅までの道で迷っていたら、親切な人がわざわざ声をかけて教えて下さったんですよ! 嬉しかったなあ」

・家族構成「年末年始は熊本の実家に帰省予定です。実は妹が三人いるんですよ、もううるさいのなんの、ああ、別に兄妹仲は悪くないんですけどね。こっちではひとり暮らしだから、あの賑やかさが懐かしいですよ」

・好きな食べ物「そろそろ寒くなってきましたね、鍋が食べたいな。みんなで囲むと美味しいですよね。お酒はあんまり飲めないんですけど、この辺で美味しいお店があったら教えて下さい」

・ペット「ああ、今日は残業か……。実は最近子猫を拾ったんですよ、茶色のちっちゃいヤツ、もう可愛くて可愛くて! 早く帰って世話をしてあげたいし、さっさと仕事を終わらせなきゃ!」

いかがでしょう、話し手の人物像がちらりと見えたのではないでしょうか。人からの反応が気になる場合でも、こんなふうに当たりさわりのない話題であれば口に出しやすいはずです。

自己開示のテクニックその2:話題を膨らませる

小さな話題で自分のことに興味を持ってもらえたら、次はより深く掘り下げて話していきましょう。

一番最初に、自己開示には「返報性」という特徴があるとご紹介しました。自分のことを伝えれば相手も同じように返してくれるということですが、この「返報性」の現象には実は「お互い、相手の話に自分の話のボリュームを合わせる」傾向があります。

例えば「私は22歳です」と伝えれば、相手からは「私は25歳です」というように返ります。
例えば「私は22歳です。○○大学出身です」と伝えれば、相手からは「私は25歳です。○○大学出身です」というように返ります。

確かに、
「私は何歳で、どこの大学を出て、どんなことを学び、なにが趣味で、どんな仕事をしていて~」
なんて相手が話してくれているのに、それに対する返答が
「私は何歳です」
だけではあまりに会話として不自然ですよね。そうならないよう、私たちは無意識に相手から受け取る情報量と自分から発信する情報量とを釣り合わせる努力をしているのです。

これを利用することで、相手からより多くの情報を引き出し、会話を膨らませることができます。
相手との共通の話題が見つかったら、あるいは相手から聞き出したい話題ができたら、その話題についてどんどん自分のことを話していきましょう。そうすれば相手からも同じくらいの返答が得られるので、相手の返答をもとにまた自分のことをたくさん話していきましょう。これを繰り返していくことで自然と話は盛り上がっていくはずです。

ちなみに、話を盛り上げるのは構いませんが、話を盛ってはいけません。得意なことや好きなことを話す際についやりたくなる人もいるかもしれませんが、話を盛りすぎると自己開示ではなく自己顕示、つまり自慢話になってしまいます。相手の自慢話ばかりを聞いて楽しい人はいません。

等身大の姿にこそ、人は親近感を覚えやすいのです。

自己開示のテクニックその3:話題を自分の中にストックしておく

話が苦手な人ほど、話題のバリエーションに悩むことでしょう。いざ誰かを目の前にすると何の話題を振って良いのかわからなくなる、そんな場合はあらかじめ自分の話しやすい話題を自分の中にストックしておくのがコツです。

単純に「出身地」「育った学校のこと」「得意なこと」「好きなこと」「最近面白かったこと」「悲しかったこと」などお題を考えておくだけでもいいですし、初対面の人にはどんな話をする、上司には、同僚には……というように自分との関係性から分けて考えても構いません。

また、「そういえば」「実は」「今思い出したんですが」など、自分の話をするための話の振り方もいくつかパターンを覚えておくといいでしょう。

自己開示のテクニック上級編:失敗談

「完璧」「近寄りがたい」と思われている人ほどやってみると効果的なのが、自分の「失敗談」を語ることです。

例えば自分が上司の立場で、失敗した部下に注意するとします。そこで、
「自分も昔は君と同じ失敗をしてひどく落ち込んだことがある。でもこのままじゃいけないと思って努力したら、今の結果がついてきたんだ」
とやってみると、部下の方は「同じ失敗をしたことがある」という親近感や、「それを自分に教えてくれた」という特別感を得られ、より親密な人間関係を築くことができます。

しかし、このテクニックには注意しなければならない点があります。
それは、「初対面では絶対にやらないこと」。
初対面の相手にいきなり失敗談をぶつけてしまうと、特にビジネスにおいては頼りない人、信頼できない人と思われてしまう場合があります。ある程度お互いの信頼関係を築き上げ、雑談もするようになってから、あくまでエッセンスのひとつとして加えてみるとよいでしょう。

少しずつ始めよう!

自己開示というと、なんだかとても難しいことのように聞こえるかもしれませんが、実は多くの人がごく自然にやっていることです。しかし、その自然なことを意識して仕事でも取り入れていくことで、よりスムーズに仕事を進めることができるでしょう。
苦手な人も、少しずつでいいので挑戦してみて下さい。貴方が一歩を踏み出せば、必ず相手も一歩、踏み出してくれるはずです。