育児休暇の期間・延長方法+給付金の扱いは?男性でも取得できる?

育児休暇とはどの程度の期間取得することができるのか知っていますか?育児休暇は取りたいけれど、詳しいことがわからないという方も多いのではないでしょうか。延長する方法はあるのか、給与の扱いはどうなるのかなどいろんな視点で育児休暇についてまとめました。

育児休暇の期間

育児休暇の期間は、原則として子どもが満1歳になるまでの期間で取得することができます。
ただし、あくまでこれは最低限の期間として法律で定められている期間にすぎませんので、勤務先の企業が独自にそれ以上の期間の育休取得を認めている場合は、もっと長期間の取得が可能なケースもあります。逆に、本人の判断で早めに切り上げても問題ありません。
また、後述のように、法律の範囲内で延長する方法もあります。

公務員は育児休暇が3年も取得できるって本当?

はい、本当です。公務員については、地方公務員・国家公務員とも、最大で子どもが満3歳に達する日までの育児休暇取得が法律で認められています。民間企業に勤めている身からすると、とてもうらやましい話ですよね。
ただし、公務員でも非常勤職員については、民間と同様に原則1歳まで・最大1歳6ヶ月までと定められています。

非正規雇用でも育児休暇は取得できるの?

はい、実は非正規社員でも育児休暇を取得できる可能性はあります。契約社員や派遣社員、パートタイマーなどの非正規雇用であっても、以下に示す2つの条件にあてはまるようであれば、育休を取得する権利があるのです。

①育休取得の申し出時点で同じ事業主に過去1年以上継続して雇用されていること 
②子どもが1歳6ヶ月になるまでの間に契約更新の可能性があること 

従来は①と「子どもが1歳になった後も雇用継続の見込みがあり」「子が2歳になるまでの間に契約更新の可能性があること」をすべて満たさなくてはならず、非正規雇用での育児休暇取得は実質的に厳しい状況でしたが、平成29年1月1日から施行の法改正によって条件が緩和されることになりました。
確かに、かつては非正規社員には育児休暇取得が認められていなかった時代がありました。ですが、今は要件を満たせば育児休暇取得が可能な時代なのです。
万が一、勤務先の就業規則に非正規社員の育休取得を認めないという記載があったとしても、法律の最低基準を下回る内容は無効となります。非正規だからという理由だけで最初から諦めることはせずに、担当部署に問い合わせるなどの前向きな対応を試してみましょう。

育児休暇を延長する方法

育児休暇を延長する方法には、大きく分けて2つの方法があります。
まず1つ目は、子どもが満1歳に達した日以降の保育の目途が立っていないということを勤務先に申し出て延長してもらう方法です。この方法では、最大で満1歳6ヶ月まで育休の延長が可能です。

適用されるための条件として、
①保育所等の利用を希望して申し込みを行っているが、保育所の入所が不承諾となり入所できなかった場合(ここでいう「保育所」とは認可保育所のことを指します。認可外保育施設は該当しません) 
②子どもが満1歳に達した後に子どもを養育する予定だった配偶者が、死亡・負傷・病気・離婚などのやむを得ない理由で養育が困難となった場合 のいずれかにあてはまっている必要があります。

2つ目は、「パパ・ママ育休プラス制度」という制度を利用する方法です。
この制度は、父親と母親が両方とも育児休暇を取得する場合、本来は原則満1歳までである育児休暇の期間が満1歳2ヶ月まで延長されるというものです。

「パパ・ママ育休プラス制度」を利用する場合、パパとママの育休取得タイミングは、同時でもそうでなくてもかまいません。たとえば、満1歳まではママが取得して、満1歳から満1歳2ヶ月まではパパが取得、という組み合わせも可能です。

会社で雇用保険に加入しており、育児休業給付金の支給要件にあてはまるパパなら、ママの場合と同様にお給料の一定割合が育児休業給付金として支給されますので、パパの会社が育休取得に前向きであれば検討すべき制度です。

男性でも育児休暇は取得できるの?

はい、もちろん男性も育児休暇の取得が可能です。政府も男性の育休取得率が上昇するように、さまざまな取り組みを行っています。
男性が育児休暇を取得する場合に適用される条件は、女性が取得する場合とほぼ同じです。唯一異なるのは、ママの育休は連続した1回の取得に限られていますが、パパがママの産後8週間以内に育休を取得した場合については、合計で1年を超えない範囲で再度の育休取得が認められている点です。

かつては、ママが専業主婦(もしくはパパが専業主夫)など子育てに専念できる配偶者がいる場合については、育休の対象外とすることが法律で許可されていました。しかし、平成22年6月の法改正によって、たとえ配偶者が専業主婦(専業主夫)であっても育休取得の申請を拒むことができなくなりましたので、法律上では、男性でも申請さえすれば必ず育休を取得することが可能となっています。

ちなみに、パパとママの両方が育休を取得する場合には、「パパ・ママ育休プラス制度」が適用となりますので、育休の期間を満1歳2ヶ月まで延長することが可能です。

給与の扱いはどうなる?

基本的には勤務先の就業規則の内容次第ということになりますが、一般的には育休期間中は無給というところが多いのではないでしょうか。
でも、安心してください。育児休暇を取得する人が一定の条件を満たしていれば、育児休業給付金として手当を受給することができます。

育児休業給付金って何?

育児休業給付金とは、一定の条件を満たす育児休業取得者に対し、雇用保険から支払われる給付金のことです。
育児休業給付金を受け取るための条件は、

①雇用保険加入者であること 
②育児休暇開始前の2年間に、1ヶ月あたり11日分以上の給与が支払われた月が12ヶ月以上あること 
③育児休暇期間中に休業前の8割以上の給与が支払われていないこと 
④育児休暇期間中に就業している場合、1ヶ月ごとの就業日数が10日以内か、10日を超える場合は80時間以内であること(育休終了日が含まれる1ヶ月の場合はそれに加えて休業日が1日以上あること) 

の4点です。
ここでいう「1ヶ月」のカウントが始まるのは、出産した日からではなくて、産後8週が経過して産後休業が終了した後からとなりますので、計算する時などは気をつけてくださいね。まぎらわしいですが、産休中の出産手当金は健康保険から支給されるのに対し、育休中の育児休業給付金は雇用保険から支給されるために、そのような決まりになっているのです。

育児休業給付金っていくらもらえるの?

育児休業給付金の金額は、【育休開始前6ヶ月の給与の合計÷180×30】で算出される「賃金月額」によって決定されます。
育休開始~6ヶ月までは「賃金月額」の67%、それ以降(最大で子どもが満1歳6ヶ月になる前日まで)は「賃金月額」の50%が1ヶ月あたりの支給額となります。例えば、「賃金月額」が220,000円の場合は6ヶ月まで147,400円、以降は110,000円という計算です。ただし、「賃金月額」には上限と下限の額がそれぞれ定められており、上限が424,500円、下限が68,700円となっています。

上記の説明ですでにお気づきかもしれませんが、育児休業給付金の給付は最大でも子どもが1歳6ヶ月になる前日までです。しかも、この1歳6ヶ月というのは保育所に入れなかったなどの理由で育休を延長した場合の期間です。
つまり、勤務先独自の制度や公務員などでそれ以上の期間の育休を取得する場合は、子どもが1歳を迎えた後は完全に無収入ということになってしまいますので注意が必要です。

職場復帰は可能?

もちろん、育児休暇取得後の職場復帰は可能です。
そもそも育休は職場復帰を前提として定められた制度ですから、どうしても保育所に入れなかったなどのやむを得ない場合は仕方がありませんが、職場復帰しない予定なのに育休を取得するという行為は、育児休業制度本来の趣旨に反してしまうということを知っておきましょう。

また、事業主には産休・育休取得などを理由として不利益な取り扱いをすることの禁止や、いわゆるマタハラの防止措置が義務づけられています。もしそのような扱いを受けた場合、それが法律に反する行為であり、泣き寝入りする必要はないということもぜひ知っておきましょう。

参考