海外のフロントエンドエンジニアの平均年収

IT業界、エンジニアの仕事のことでよく言われることですが、日本ではエンジニアの給与は低いと考えられがちです。日本と違ってエンジニアが専門職としてきちんと評価される、給料も高いなどと言われますが、本当にそうなのでしょうか?今回は、海外のフロントエンドエンジニアの平均年収やその理由について、調べていきます。

日本と海外のフロントエンドエンジニアの年収の違い

まずは、今回のテーマの根幹となる部分からです。日本のエンジニアの給与は安い、海外エンジニアの給与は高いといったものの、具体例がなければ実感はわきづらいでしょう。今回は、GoogleやYahooでの検索結果や様々な就活サービスに掲載されたフロントエンドエンジニアの求人情報のまとめを参考に考察していきます。

1番安いフロントエンドエンジニアの年収は、およそ280万。とはいえここまでのものは流石に異例と思われます。会社によって多少変わりますが、最も多かったフロントエンドエンジニアの年収は、300万~600万、400万~800万といった範囲です。つまり、この辺りが平均年収と考えられそうですね。

ほかにも「年収ラボ(※1)」という様々な職業の年収データをまとめているサイトでは、エンジニアは平成20年からの年収推移が約540万~590万、プログラマは同じ年数の推移で約370万~440万以内で前後していると調べています。全体的な平均年収としては、450万~500万あたりになるでしょうか。大手ですと1000万に届くこともありますが、ほとんどありません。

上記のデータは、フロントエンジニアではなくシステムエンジニアとプログラマという大雑把なくくりですが、参考にするのには充分でしょう。

日本と海外の年収の違い-海外の平均年収

一方で、海外の求人情報や、海外での同職業年収をまとめたサイトを見てみると、平均年収の金額は大幅に違います。

例えば「paiza開発日誌(※2)」によると、アメリカは(ここはフロントエンドに限らずエンジニア全体の平均ですが)円換算で平均年収およそ900万、イギリスではおよそ700万、フランスで500万、シンガポールでおよそ500万といった結果が出ています。物価の違いを鑑みて、より日本での円の価値に近づけたグラフを見ても、軒並み日本より上です。その他の情報としては「WirelessWireNews The Technology and Ecosystem of theIoT.(※3)」によると、殆どのエンジニア系の給与が1000万以上など、そう珍しくないことのようです。当然、中小企業に勤めている場合も当てはまります。

また、もう1つ。海外は上記のように日本と比べて大分給与が高いですが、日本以上のハードワークを強いられるかというと、そのようなことはありません。サービス残業やデスマーチはありませんし、有給もきちんと消化できる環境が整っています。有給が年3週間以上あるというのもざらですし、有給で連休をとるのも当然自由です。

何故このような差が生まれたのか

日本とそれ以外の国の給与の差を、簡単に見てきましたが、何故このような差が生まれるのでしょうか?上記の通り、海外エンジニアは日本のエンジニア以上の過酷労働だから、といった理由はありません。

そこで海外のエンジニア事情について調べてみると、そもそも日本と海外では、エンジニアに対する考え方そのものが違うことがわかります。例えば、海外の場合は、そもそもこのエンジニアという職業が、コンピュータサイエンスに長けた、高度な学問知識を必要とする専門職という扱いです。日本と比べると、エンジニアの職業内容はより細分化されており、深い知識が必要とされる場合が多く、エンジニアとしてやっていくならスキルは必須。日本のように、入社してから学んで実績を積んでいく、というのが厳しい環境です。

上記のような、職業そのものへの定義の違いも1つの原因でしょう。しかし、最たる理由はやはり、エンジニアという職業に対する、それぞれの国の企業の認識が違う、というところに落ち着きます。日本では、その点は昨今では改善されつつあります。しかし、「ITエンジニア=とにかく大変」というイメージが社会的に根付くような、評価の低い職業であったのです。その点、海外ではビル・ゲイツのような元エンジニアの社長といった存在などもあり、エンジニアという職業に対する印象や評価が、日本とまるで違いました。

最後に

上記のような理由から、海外ではフロントエンドエンジニアに限らず、エンジニア全般が高給取りです。言ってしまえば、海外のエンジニア環境は、よりレベルの高い人間がよりたくさんの報酬を、実力に見合った分確実にもらえる環境ということです。海外の企業に転職すれば……という話はよくありますが、それをするにはまず、自分自身が実績やスキルを積み、向こうにアピールしなければなりません。しかし、そられらの条件さえクリアできれば、海外でエンジニアになるというのは、「報われる為の手段」として非常に優秀です。

また、最近ではついに、日本でも変化があらわれてきたようです。スマホの普及やソーシャルゲームの流行、UIなど、フロントエンドエンジニアの腕の振るい処が増えてきたのもあり、その重要性は増しています。海外のエンジニアの平均年収と日本のエンジニアの平均年収、今はまだまだ差がありますが、今の流れによってこの認識の違いが埋まれば、その差がなくなる日もくるのかもしれません。


[参考資料]