想像力を鍛える方法|想像力が豊かな人と欠如している人の違い

世の中には想像力の豊かな人と、そうでない人がいます。想像力の豊かさは、じつは仕事や人間関係の豊かさにつながります。なぜでしょうか。想像力を鍛えることはできるのでしょうか。想像力を鍛えるトレーニングにぜひトライして、あなたの人生を豊かにしましょう!

想像力の豊かな人

人間は考える動物である、といいますね。見たり聞いたり触れたりして捉える事象をもとに、人はだれでも様々なことを考えます。既知の事柄をもとにして推し量ることが「想像」です。この力を鍛えることができるのでしょうか。まずは「想像力」についてウィキペディアを調べてみましょう。

想像力とは

想像力(そうぞうりょく、英語: Imagination、フランス語: imagination)は、「想像する能力」とも呼ばれ、心的な像、感覚や概念を、それらが視力、聴力または他の感覚を通して認められないときに、作り出す能力である。想像力は、経験に意味を、知識に理解を提供する助けとなり、人々が世界を理解する基本的な能力である。そして、学習過程で鍵となる役割も演じる。想像力のための基本的なトレーニングはストーリーの語り(物語)を聞くことで、選ばれた語の正確さが「世界の喚起」に基本的な要因である。

出典:https://ja.wikipedia.org

想像力が豊か・想像力が足りない、などとよく言われます。人間は、身体的な感覚がほかの動物よりも劣る部分が多いので、それを補う想像力は、物事を認識するのに不可欠な能力といって良いでしょう。
人は誰でも、ある程度の想像力を持ち合わせています。想像力の欠如は、病気に要因がある場合がありますが、この記事ではそちらには触れず、人の「パーソナリティ」として想像力が豊か、またはそうでないことについてお話ししましょう。鍛える方法もわかります。

想像力豊かな典型は,子ども

この世に生まれ出た子どもは、想像力のかたまりです。見えるもの聞こえるもの全てが初めて、何も知らず、渇きや、眩しいとか寒いとかの微かな知覚から、これは何々と、認識できるまで様々な、予測と想像と、体験を繰り返します。
母親など周りの「人」から掛けられる声などの音色から、こどもは言葉の意味を想像します。話し始めるまで数年間は、フル稼働した想像力のトレーニングを自ら行っているのです。

「三つ子の魂、百まで」とも言われます。子どもはその気にならないと絶対に「学習」しないものです。しかし一旦覚えたことは忘れないので、子どもは自発的学習の天才なのです。想像力を鍛えるシステムは、3歳の子の自発的学習法をお手本にできるでしょう。

1. 予測する(Plan)
2. 実行する(Do)
3. 評価する(See)

これはスイスの発達心理学者ピアジェの考え方により「PDSサイクルシステム」と呼ばれます。ここで重要なのは、このスタート地点が「興味を持つ」ということです。想像力による自発的学習は、興味を持つことで大きなベクトルを得るのです。

興味からエネルギーを得て自由に行動する

興味を原動力に、心のおもむくままに行動する子どもの学習能力は、われわれ人間が持って生まれた力です。世の中の文明というものは、すべてここから発生していると言っても過言ではありません。
クリエイターは変わり者といわれることも多いですが、常識からしばしば逸脱するからです。現代人は、既にある知識を継承していく必要性から、系統立てた常識の構築という枠にはまってゆきますが、その過程で想像力を失っています。だから鍛える必要があるのです。

新しいことを創り出す力が失われたら、文明は衰退します。「常識とちがうこと」「他人と違うこと」を排除するほうに、どうか向かないように、現代人は心に留めておかなくてはいけません。幼い子どもをお手本に、想像力を鍛える方向性を、おとなは忘れないようにしたいものです。

相手の立場にたって物事を考えられる

学習・創造・文明という観点のほかに、想像力は「心の豊かさ」のものさしにもなります。こちらは、片言が話せるようになる2、3歳ではまだ自己中心的で、スタートできていません。文章を組み立てられる10歳のころまでに、周りからの丁寧なコミュニケーションや様々な人との関わり、物語との触れ合いなどよって育まれます。

想像力がないとダメなこと

人間関係が壊れる

人の気持ちを推し量れない。自分の言動の結果が、相手にどう影響するかがわからない。

これらは、未発達な子どもに見られる特徴ですが、大人の社会にも現実に蔓延している現象です。現在は特にネットなど、「知らない者同士」傷つけあってしまう状況がみられます。
また、文化の違いからくる排除、自己の利益追求を優先するあまりの軋轢、こういうことが進行すると戦争になります。自分とは違う他者を受け容れ、ともに幸福になることを求めていきたいものですね。

人工知能の台頭により、多くの仕事が必要なくなる

興味という、自分を中心軸にした想像力は、学びと創造に必要なことです。これが無いと、仕事をする上でも常に「指示待ち人間」になってしまいます。
指示されたことを、正確に遂行することはもちろん仕事で必要です。それよりもなお必要なのは「何をすべきか」を考え出すことなのです。なぜなら、指示遂行の正確さやレベルは、いまや機械に取って代わられようとしているからです。

日本では労働人口の約半分が、機械や人工知能により代替可能になるという推計が出ています。

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授およびカール・ベネディクト・フレイ博士*1との共同研究により、国内601種類の職業*2について、それぞれ人工知能やロボット等で代替される確率を試算しました。この結果、10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果が得られています。

出典:https://www.nri.com

自分の職場にいる人の約半数が、ロボットやAIで代替可能な仕事をしていると考えると恐ろしいですね。隣の人かあなたのどちらかが、10年後くらいに会社からいなくなる計算なのですから。

また、アメリカの研究機関によると20年後に機械に奪われる可能性のある仕事と確率が、具体的に示されており、例えば上位には

 ・経理:97.6%
 ・調理師:96.3%
 ・ウェイター/ウェイトレス:93.7%

などがあるのです。

想像力の育て方は、子どもの育み方にヒントがある

互いにいがみ合ったり、機械に仕事を取られたりでは、人間社会は健全といえません。私たちが人間の幸福をかち得ていくために、想像力を育むことがいかに大切か、一人一人が気付いていかなければなりません。

そのためには、子どもが生まれ持っている自発的学習能力をみとめ、子どもの学び方・育ち方から我々は学んでいく必要があります。みずから楽しみを生み出していく自由を、潰さない・壊さないことが大人としての心がけです。

また、人どうしが大切にし合うよう、気持ちをくみとる心の育ちを、おとなが大切にしなければなりません。

先に述べた「三つ子の魂」を大切に育てるためには、次のことに留意するよいといいます。

 ・もっとも近くの人間関係(親子・家族)で心を通わせる
 ・もっとも近くの人間関係のなかで、豊かなことばの掛け合いをする
 ・興味をもったことを応援する

スマホなどの機械に依存しないこと

iPhoneの発明者スティーブ・ジョブズが、我が子にそれを与えなかったことをご存知ですか?
彼は子どもたちのハイテク利用を制限し、画面を見つめるスクリーンタイムよりも、フェイス・トゥ・フェイス(面と向かった)の家族の会話を大切にしていました。

UCLA大学の研究によると、数日間、電子機器利用を禁止しただけで、子どもたちの社交スキルが向上したという発表もあります。

「毎晩、スティーブは決まって、キッチンの長いテーブルで夕食をとり、本や歴史や様々なトピックについて話し合うのです。誰もiPadやコンピューターを使いません。子どもたちはデジタル機器中毒になっているようには全く見えませんでした。」

だから、アップルやサムソンや他のハイテク企業が、最新の小型ハイテク機器がなければ人生物足りないと感じさせるような宣伝を暗にしてきたとしても、そうした機器の創始者が全く違う考えだった事を忘れないで欲しい。

(翻訳 新美真理子 ソース http://singaporeryugaku.blogspot.jp/2014/09/iphone-ipad.html)

出典:http://www.ccore.co.jp

この事実が語っているように、スマホやゲームの虜になることは、想像力をいかに阻害することか、開発者は知っていて我が子にはそうさせなかったのです。
人間関係を壊し、仕事も奪っていく電子機器に私たちが支配されていっては、未来がありません。家庭ではおとなが主導して、夜にはスクリーン(テレビ、ゲーム、パソコン、スマホ)を禁止するようにしましょう。

想像力には勇気が必要!

与えられた環境で、安定的な生活を送っていると、人間の行動はパターン化しますので、想像力を鍛えることはできません。

今一度、生まれたての赤ん坊のことを考えてみましょう。何も知らない世界に、身一つで放り出されました。だからこそ、少ない手がかりだけで精いっぱい想像していく力を発揮できたのです。想像力を鍛えるためには、新しい物事に取り組み、様々な角度から刺激を与えていくことが必要です。

想像力を鍛えるためには日常から距離をおく

知らない土地を旅行する

とくに外国へ行くことは、文化や言葉の違いに直面しますから、刺激をうけますし、普段の価値観を大きく見直す機会になります。
遠くへ行き、いつもと違う経験をすることによって、様々な考えや生き方を受け入れる器が大きくなるのです。

旅行ができなくても、普段の通勤でいつもと異なる路線を利用したり、電車のかわりにバスに乗ったり、いつもと違う道を通ったり、一つ前の駅で降りて歩くようなことでも、行動パターンの変化となり、想像力を鍛えることができます。

習い事をする

おとななら、仕事に直接関係のない、趣味の習い事をお勧めします。子どものように、物事に興味を持つこと・楽しむために習うこと、それが感性を養う、想像力の鍛え方です。あなたの器を大きくし、仕事でも違った角度からアプローチできる力となるでしょう。

本を読む

読書は、手っ取り早く新しい世界に出向く手段です。世界旅行ができなくても、知らない世界に連れて行ってくれます。本の中で、様々な疑似体験ができます。子どもには、ぜひ絵本を読んであげましょう。
おとなはつい、自分の好みや狭い領域の中で本を選んでしまうので、想像力を鍛えるためには、あえて普段は手に取らないような本を読んでみましょう。自分の枠から出て、ほかの人格になったつもりで、興味がなかったような本も選んでみます。幅が広がり、旅するように発見があり、想像力を鍛えることにつながります。

物語を耳で聞く

冒頭で紹介したウィキペディアに述べられていたように、ストーリーの語りを聞いて想像力を鍛える方法はとても有効です。
映画など動画では視覚的に刺激の強すぎるものがあります。スクリーンは情報を与えられすぎて受け身になり、かえって想像を阻害します。語り部のような人から聞く物語、またはラジオドラマなどは、視覚という感覚を制限するため、ことばに集中し、ことばや声音、効果音から登場人物の気持ちや、場面を自由に想像できるのです。これも胎児や生まれたての子どもが、耳からことばを吸収していく方法にならったものですね。

勇気を出すには安心も必要!

あたたかい胎内から生まれ出た子どもは、不安でいっぱい。だから泣いています。それでも本能的に、生きていくために想像力を働かせ、精いっぱいPDSサイクルを稼働させて知識をつけていきます。暗いところを怖がったり、眠たい時にまた泣くのは、また違う世界に行く不安からそうなるのです。そんなとき、しっかり抱っこしてあげる、子守唄をうたってあげる、つまり親子のコミュニケーションが、子どもに安心をもたらします。
これを日常的に繰り返して、子どもは新しい世界を旅し、自分や他者という存在を認識していきます。

こうしてみると、安心して冒険に出るためには、日常的な繰り返しも大切だということがわかります。

おとなが、仕事で新規事業開拓といっても、新しい事にチャレンジしたり人と違ったことをするのに怖さはありますよね。まちがっていないのか不安になります。いきなり、世界のどこにもないものを作り出すのは難しいことです。
まずは、型どおりしっかりやる、きちんと繰り返す、ということも想像力を鍛える方法です。ルーティンを繰り返すことで安心し、生みの苦しみを乗り越えられるということです。
そして、職場やチームといった周りの人間関係を優しさで満たし、安心できる場にしておくことも大切です。

「出る・こもる」が想像力を鍛える

まず、興味を持つことが想像力のスタートだと述べてきました。つまり、目的を持ちます。先生なら生徒のために、演出家や俳優なら観客のために、商品開発なら消費者のために、価値を創り出す。この力を発揮する方法としては、

 ・あえて違う世界に体を移動して、全く知らないところで価値を創る鍛え方
 ・狭いところにこもり情報を遮断し限って、集中することで思考を飛ばす鍛え方

この二つの対照的な鍛え方を組み合わせるのが効果的です。

想像力を鍛えると仕事にも良い効果

人間の気持ちに配慮した仕事を実行できれば、人工知能に勝ることができますね。目的としては

 ・相手の状態(困っていること・欲しがっていること)が分かる
 ・解決手段を提供できる

このような提案ができることです。課題を解決することでお金を得られるのが仕事ですからね。歩いているとき、電車など交通機関の中、横断歩道で待つ人などを見ながら、上の2点に思いを馳せてみても、想像力を鍛えることができます。

保育園が足りない問題、避難民へのイジメの問題など、社会で話題になっている事柄も、一度は自分の問題として考えてみるのも、想像力を鍛えることにつながります。

まとめ

想像力の豊かさは、人間社会の幸福にとって、とても必要であるのに、今それが危機をむかえています。技術の進歩のあまり、便利と利益を追求してきた結果、人間が機械に押し出し負けをくらいそうな時代だからです。この危険性と、想像力の鍛え方を知りましょう。人が生まれ持っているもともとの力、想像力は人工知能にはないものです。それまでも負けるときがこないように、機械に征服されないために、人間の尊厳として、想像力を鍛えることがいま求められています。