内定と内々定の法的拘束力と労働契約での違い・取り消しは可能?

就職活動における重要ワードである「内定」と「内々定」。どちらも似た意味のように思えますが、どういった違いがあるのでしょうか?「内定」と「内々定」の意味と違いと併せて、それぞれが取り消されてしまうケースも説明します。就活をこれから始める方は参考にしてください!

「内定」と「内々定」の違いとは?

就職活動中によく耳にする「内定」と「内々定」という2つの言葉。「どちらも似た意味にとれるけれど、具体的にはどう違うの?」と不安になっている方も多いのでは?
今回はそれぞれの意味と違いを徹底解説します。これを読めばあなたも安心して就職活動に臨めること間違いなし。全就活生にとって必見の内容です!

「内定」には法的拘束力が伴う!

就職活動における重要ワードである「内定」。「内定」を獲得することは、すなわちどのような意味を成すのでしょうか? その疑問から解説していきます。

就活生が目指すは「内定」の獲得

そもそも「内定」とは、該当企業への入社前時点での雇用契約の成立状態を指します。わかりやすく言うと、該当企業に「採用」される前段階です。そのため、就職活動では採用してほしい企業の「内定」を獲得することが第1目標になります。

「内定」では労働契約が成立する

「内定」が成立すると、そこには法的な拘束力が伴うようになります。つまり、もし企業側が「内定」を取り消すと、それは事実上の「解雇」となります。「採用」の前段階とは言っても、「内定」を獲得すればそれは「採用」されたことと同義なのです。

「内々定」は“ただの約束!?

「内定」とともによく聞く言葉である「内々定」。似ているようで、2つの言葉には明確な違いがあります。「内々定」を獲得する意味とは?

「内々定」は「内定」への前ステップ

「内々定」とは、企業側が該当者を「内定」することを約束すること。「内定」の前段階であり、そこに法的拘束力は発生しません。“内定予定の通知”と捉えることができます。そのため、就活生の目標は「内々定」の獲得ではなく、あくまでも「内定」の獲得です。

法的拘束力が無くても侮れない!

「法的拘束力がないなら、獲得しても意味がないんじゃないの?」と思えますが、そうとも言い切れません。企業側は「内定」を与えたい就活生に「我が社を入社希望の候補から外さないでほしい!」という思いで「内々定」を出します。そのため、余程のことがない限り企業が「内々定」が覆すことはありません。

企業が「内々定」を出す理由

前述から“ 内々定 → 内定 ”という流れはわかりましたが、それでは企業側があえて「内定」と分けて「内々定」を出す理由とは何でしょうか?

経団連の指針に則っている

日本経済団体連合会(経団連)の『採用選考に関する指針』に、以下の1文があります。

正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする。

出典:http://www.keidanren.or.jp

2015年12月7日改定

経団連は、様々な活動のなかで国内の就職活動におけるルールの呼び掛けを行っている団体です。その経団連が、大学卒業予定者や大学院修士課程修了予定者といった新卒者の採用選考にあたり「企業の皆さん、内定は10月1日以降に出してください!」と指針を発表しているため、企業側はそれに倣っています。

企業側は「内定」を出せない代わりに「内々定」を出す

しかし、優秀な学生を囲い込みたい企業からすれば、「内定」をなるべく早く出せることに越したことはありません。優秀な学生であれば他社からも引く手あまたである可能性が高いため、その学生の気が変わってしまうと自社を検討しなくなるかもしれないからです。もし目をつけていた学生が他社に取られてしまうと、企業は求めていた人材を採用できないばかりか、代わりの学生を選考するためのコストを要することになってしまいます。
そのため企業は、自社に入社してほしい学生に対して「まだ10月1日になっていないから内定は出せないけれど、内々定を出すから、もう就職活動はしないでほしい!」と考えます。そうして、他社に先手を打つべく「内々定」を出すのです。

「内々定」を獲得しても就職活動は続けられる

先にも触れたように、「内々定」には法的拘束力が伴いません。「内々定」自体が経団連が示した「内定」のルールに対してグレーゾーンに位置していることも理由の1つです。そのため、「内々定」をいくら獲得しようと、学生は就職活動を続け、何社でも希望の企業を検討することができます。しかし、企業側が選考の手間をもって「内々定」を出しているのは「内定」と変わりありません。辞退する際は、「内定」の辞退と同じように企業に対して真摯な対応を心がけましょう。

「内定」も「内々定」も取り消される可能性がある!

法的拘束力が伴う「内定」はもちろんのこと、「内々定」も企業側がれっきとした理由をもって出すため覆る可能性は低いですが、それでも取り消されてしまう場合があります。それぞれのケースごとに解説していきます。

会社の業績不振

企業側が「経営難に陥ったから、やっぱり採用できない!」と判断したとき、取り消しが行われることがあります。しかし、これは企業側の一方的な手続きであるため、それが法的に認められることは稀です。もしこのようなケースに遭遇し、その企業に就職したかった場合は、取り消しの通達の書類やメール、電話の録音を証拠として残しておきましょう。大学の就職課や担当機関などにそれらを提示して相談すれば、その取り消しに違法性がないかどうかを一緒に精査してくれます。

学生の健康上の理由

企業は人一倍たくさん自社に貢献することができる人材を求めています。そのため、大ケガや大病、また妊娠といった、業務に大きな影響が及ぼされることが懸念される健康上の事態が発覚した場合、採用の取り消しが行われることがあります。業務に支障がないことを証明できる医師の診断書などがあれば、それらを提示して取り消しを撤回してもらえないか交渉しましょう。

学生の留年

「単位が危ういなか、なんとか採用をもらえた!」と思いきや、単位が足りず留年へ…。新卒者を求めている企業からすれば、卒業していない就活生を採用するわけにはいきません。採用は取り消されてしまいます。しかし、そこで諦めてしまうのは早計です。企業によっては、「熱意は伝わってくるし、卒業まで待とう」と考えてくれるところもあります。留年の旨を採用をもらっていた企業に伝える際には、卒業まで待ってもらえないか打診してみましょう。

学生の資格取得不足

専門性の高い業種であれば、必要な資格を取得していなければ業務に従事できない場合があります。そのため、企業側が設定した期日までに必須資格を取得できていない対象者は、採用を取り消されてしまいます。必要な資格に関する情報は事前にしっかりと確認しておきましょう。

学生の素行不良

何か事件を起こしたり、問題を起こした場合、企業内の環境やイメージが損なわれることなどを理由に採用が取り消されることがあります。採用がもらえたことで浮かれても、羽目を外さないように日ごろから注意しておきましょう。
SNS上でのお酒の失敗が心配な人は、アカウントを非公開か限定公開に設定しておくと安心です。犯罪行為や誹謗中傷などの過激な発言は書き込んでいるか否かに関わらず問題ですが、お酒の勢いでの些細な書き込みの1つ1つも採用担当者の目に留まっているかもしれないという可能性を頭に入れておきましょう。

学生の虚偽申告

就職活動時の経歴詐称が発覚した場合、当然ですが採用は取り消されます。また、該当企業の採用を受け、それを前提に手続きを進めていたのに、実はまだ就職活動を続けていたことが該当企業側にバレてしまった場合にも、採用が取り消されることがあります。後者のケースは交渉の余地があるので、納得がいかなければ取り消しの通達の書類やメール、電話の録音を証拠として残しておき、大学の就職課や担当の行政機関などにそれらを提示して相談してみましょう。

「内定」と「内々定」の違いをしっかり理解すべし!

「内定と内々定、ようは同じような意味なんでしょ?」というザックリとした認識ではなく、「内定は契約の一部で、就活の目標とすべきはこっち!」「内々定は内定の前約束で、経団連の指針が影響している」というように、双方の違いをしっかりと知っておきましょう。そうすれば、いざ「内々定」を獲得したときも混乱せずに済みます。万全の態勢で就職活動に励みましょう!

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