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「ほっこり」は誤用?・本来の京都弁の意味との違い・使用例

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「ほっこり」という言葉を最近よく目にする機会があるでしょう。この「ほっこり」とは、どんな意味なのでしょうか。またどういった使い方をするのでしょうか。「ほっこり」の意味と使い方、本来の意味と現在の意味の違いなどについてまとめましたので、ご参照ください。

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「ほっこり」は誤用?

「ほっこり」という言葉を雑誌の特集などでよく見かけるようになりました。ほんわかするようなこの「ほっこり」という言葉の意味やその由来をご紹介します。

「ほっこり」の意味、間違って覚えてない?

「ほっこり」という言葉の使い方ですが、最近ではよく「ほっこりカフェ」、「ほっこりする雑貨特集」、「ほっこり画像特集」など、店名や雑誌の特集でこの「ほっこり」が使われています。可愛くて、どこかほんわかと微笑ましい、ほっとする、そんな意味合いで使われている「ほっこり」ですが、実は本来の意味は全く違います。

「ほっこり」の本来の意味

「ほっこり」は、心癒されるというような意味ではなく、本当は「適度に疲れる」という意味です。京都が語源の「ほっこり」ですが、「エライ目にあった」とか「しんどかった」「疲れた」という意味で使うため、「今日はほっこりしたわー。ゆっくり休もう。」などの使い方が正しいものとなります。 しかし、現在では、この「ほっこり」の意味が違ってきています。誤用だと言われますが、既に辞書にも「ほかほかとあたたかいさま」とか「ほっとしたさま」という意味で載っています。日本語は、本来の言葉の意味から進化して、今では意味が変わってきている言葉が多く存在します。この「ほっこり」もその一つだと言えるでしょう。

「ほっこり」の最近よく使われる意味

前述しましたように、「ほっこり」は最近では「ほっとしたさま」「ほかほかとあたたかいさま」「癒される」などの意味で使用されています。その使い方は、雑誌での特集だったり、店名だったりと多岐に渡り使用されており、既に誤用の範囲を超えています。誤用ではなく進化と言っても良いのではないでしょうか。ここでは、現代における「ほっこり」の使用例文をみてみます。

「ほっこり」の最近よく使われる意味;ほっとする

現在では、「ほっこり」は、「ほっとする」の意味で使用されています。例えば「ほっこりcafe」などです。ここでの「ほっこり」の意味は、「ほっとする」という意味で、ほっとするcafeということになります。

「ほっこり」の最近よく使われる意味;癒される

「ほっこり」は、「ほっとする」「落ち着く」という意味の他にも「癒される」という意味でも使われます。「ほっこり雑貨」などは、その例です。「ほっこり雑貨」とは、「癒される雑貨」ということになります。 また、ほっこりには、ほかほかという意味も含まれています。「ほっこり鍋セット」とか「ほっこりとしたお芋を食べる」などのように、ほかほかとした意味合いもあります。

最近よく使われている「ほっこり」の例文

では、最近よく使われる「ほっこり」の例文をみていきます。 (例文:ほっとする) 1.「あたたかい言葉をかけていただき、気持ちがほっこりした」 2.「ペットと遊んで、ほっこり気分を味わった」 (例文:癒される) 3.「私は、忙しいときに飼い猫と触れ合うと、ほっこりする」 4.「友人から誕生日プレゼントにほっこりする雑貨をもらった」 5.「子供達の笑い声を聞いて、心がほっこりした」

「ほっこり」は元々京ことば

「ほっこり」という言葉は、元々は京言葉です。しかし、若い人で本来の意味で使っている人はあまりいないのではないでしょうか。京都弁本来の意味での「ほっこり」とは、「疲れた」とか「しんどい」とか「エライ目にあった」という意味です。 例えば、「今日は忙しくて、ほっこりしたわー。ゆっくり休もう」とか、「ほっこり、ほっこり」(疲れた、疲れた)といった風に使われます。ここでいう、疲れは、適度な疲れを指します。もう動けないほどに疲れているという場合ではなく、ほどよく働き、「あー、疲れた」というときに使います。

「ほっこり」の京都弁での本来の意味

「ほっこり」という言葉が京言葉であることは前述しましたが、語源としては、「ホコル(物を焼く)」というところから来ています。体を動かし、体が温かくなった、体がホコル(暖かくなって、満たされた)というところが「ほっこり」という言葉の語源だと言われています。 京言葉で「ほっこり」が疲れたという意味なのは、こういったところからで、その意味としては、体を動かして心と体が満たされたが発展して忙しい、疲れたとなったと考えられます。

「ほっこり」の京都弁本来の意味;適度に疲れる

「ほっこり」という言葉が京都弁がルーツだということがわかりましたが、このニュアンスとしては、心地よく疲れた、適度にちょうどよく疲れたという意味合いがあります。この「心地よく」の部分と、音的なニュアンスからも「癒される」「ほっとする」という意味合いへと転じたのではないかと考えられています。 今では、本来の意味とは違って、「ほっとする」「落ち着く」「癒される」という意味合いの方が一般的になっていますが、語源としては京都弁で「疲れた」という意味だということは覚えておきましょう。

京都での「ほっこり」の使用例

京都弁で「ほっこり」を使う場合の使用例文をご紹介します。 (例文1)「今日は、仕事でほっこりしたわー。しっかり休もう。」 (例文2)「ほっこり、ほっこり。やってられへんわー。」 (例文3)「ほっこりした焼き芋を食べた」 (例文1)と(例文2)の「ほっこり」は疲れたという意味です。(例文3)の「ほっこり」は、温かいの意味です。関西では、焼き芋屋が「やきいもー、ほっこりー」と掛け声をかけることがあるとのことです。ここでいう「ほっこり」は、前述の「ホコル(焼く)」から来て、ホコホコ、ホカホカ、ポカポカなどのように発展したのと同じ語源だと言えます。

「ほっこり」にはあたたかいの意味も

「ほっこり」の語源が「ホコル」という言葉にあることは説明しました。この「ホコル」とは、「火凝る」と書き、火力が集中して焼けるという意味です。この他動詞である「火凝る」の連用名詞形である「ホコリ」に促音便「ッ」を加えた言葉が「ほっこり」だと言われています。 この「ホコリ」を変化させて「ほかほか」とか「ぽかぽか」に変化したことは前述しましたが、その他にも「ひなたぼっこ」の「ぼっこ」がこの「ホコリ」から変化した言葉だと考えられています。京都弁で「疲れた」との意味の他に、「あたたかい」という意味はもともとありました。「ほっこり、おいもだよー」などと焼き芋屋が叫んでいたことからもわかります。

結局、今の「ほっこり」の使い方は誤用なのか

今の「ほっこり」の使い方が誤用だとは断言できません。確かに、京都で昔から「ほっこり」を「疲れた」という意味で使っている人から見れば、最近の使い方は間違っていると言いたくなるでしょう。 しかし、もともとの意味からすれば「ほかほか」「ぽかぽか」「ひなたぼっこ」の元となった「ホコリ」という言葉が同じ語源であることを考えれば、現在の「癒される」「ほっとする」といった意味合いも強ち誤りでもないのではないでしょうか。 言葉は進化するもので、例えば江戸時代に使っていた言葉で現在とは全く違う言葉などは多数存在しますが、それが誤用だとは言われません。それと同じで、今は使われ始めて数年程度しか経ってないため、年配の方には定着しないだけなのではないでしょうか。 言葉は世間で主流の意味にシフトしていきます。あと数十年すれば、現在の意味が正式な意味となっている可能性があるということです。

「ほっこり」のように意味合いが変わった言葉

「ほっこり」が本来は、京都弁で「疲れた」とか「忙しい」という意味だったが、ここ数年で「癒される」「ほっとする」という意味で使われるように意味が変化したということがわかりました。このように本来の意味とは異なった意味で現在使われている言葉は他にもあります。ここでは、「ほっこり」と同じく、意味が変わった言葉をご紹介します。

本来の意味とは変わった言葉;「まったり」

本来は、近畿方言として、主に味覚を表す擬態語として使われていました。「まったり」とは、「まろやかでコクのある味」を表現します。しかし、1990年代からのんびりと落ち着いた様子や気分、のんびり、ゆったりといった意味を表す言葉として全国に定着し始めました。

本来の意味とは変わった言葉;「微妙」

「微妙」とは、本来の意味としては「極めて優れている」ことを指します。微妙とは、趣が深く、言葉では言い表せない美しさや味わいのことをいいます。しかし、現在使われている「微妙」という言葉には、このような意味合いは含まれていません。 優れているどころ、もうちょっとのところ、とか惜しいという意味、またはむしろあまり良くないという意味でも使われます。例えば、「あの先生の講義、微妙だったね」などです。これはとても良かったという意味ではなく、何だか良いか悪いかわからないという意味で使っています。

本来の意味とは変わった言葉;「煮詰まる」

この言葉も本来の意味とは異なる使い方をされています。「煮詰まる」とは、本来ではそろそろ結論が出るという意味です。何かを似ていて煮詰まって水分が抜けた状態から来た言葉で、話し合いなどで、考えやアイデアが出尽くしてそろそろ結論が出る段階という意味です。 しかし、現在では、「煮詰まる」とは、アイデアがなかなか出なくなって、八方塞がりな状態を表す言葉として使われます。この意味の違いから、上司と若い社員で言葉の捉え方の相違が起こり、トラブルとなるケースも考えられます。きちんとした意味をしっかりと知って、わかりやすく答えるようにしましょう。

本来の意味とは変わった言葉;「失笑」

「失笑する」という言葉もよく使われる言葉ですが、本来の意味は違います。「失笑する」は、思わず笑い出す、おかしさのあまり吹き出すことを意味します。しかし、現在では、「あきれて全く笑うことができない」という意味で使われています。 この「失笑」とは、笑いを失うと書きますが、「失う」という漢字には誤ちという意味が込められています。つまり、「失笑」とは誤って笑ってしまうという意味です。

「ほっこり」の意味は、複数ある

いかがでしたか。「ほっこり」は、最近では雑誌の中や店名などでも多用されていますが、本来は京都弁で別の意味で使われていたことがわかりました。京都の人にとっては誤用に感じるでしょうが、既に「癒される」「ほっとする」という意味で全国に知れ渡っているという事実を見れば、誤用とも言い切れず、既に意味が変わってきていると見るべきなのでしょう。 その証拠に、辞書でも「ほっこり」には、「ほかほかとあたたかいさま」とか「ほっとしたさま」という意味が載っています。言葉は時代によって、意味合いが変わるものがあります。そういった言葉の代表が「ほっこり」なのでしょう。しかし、本来の意味もちゃんと覚えておくと、京都に行ったときにも誤った解釈をせずに済むので、きちんと覚えましょう。

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