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振込手数料は会社負担なのか・負担をお願いする文章|法律/民法

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皆さんは振込手数料は全額負担していますか。「本当にそうなの?」と疑問に思う振込手数料についてクローズアップしてみます。一言で振込手数料と言っても、料金体系は様々です。一覧を掲載しておりますで、比較検討の材料としながら振込手数料について考えてみませんか。

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振込手数料は会社負担なの?

現在のビジネスにおいて、決済方法の大半が金融機関などを介したオンライン決済でしょう。以前は集金のために営業マンが取引先に領収書を携えて奔走した時代もありました。その手間がないことは現金回収に伴う時間と労力の削減が図れ、あり難いことでもあります。 そこで問題となってくるのが、振込手数料です。30,000円を境に手数料は異なりますし、自分の取引している金融機関でない場合は振込手数料は割高になります。 インターネットが普及し、インターネット経由で決済する方法が多くなってきているため、手数料も安価になっていますが、一日に何十件も決済する企業サイドとしては、仮に300円を一件当たりの振り込みに要するとすれば、100件で30,000円、1,000件であれば300,0000円もの手数料負担が生じます。 普段の商慣習では、支払う側が負担しているケースが多いでしょう。本来は売り手なのか買い手なのか気になるところです。今回はこの振込手数料の負担先は誰なのかに迫っていきます。

民法ではどうなの?

民法ではどのように規定されているのでしょうか。法律で代表的な民法の第485条に規定されています。 弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする(口語表現に変更されています)。 法律用語で難しく感じるでしょう。簡単にいえば、振り込む側(支払う側)が負担するとされています。

法律としてはどうなの?

現在の商慣習では、債務者(買い手)側が負担するのが一般的でしょう。本来、代金は売り手(債権者)が買い手(債務者)から回収するのが本筋です。つまり、直接集金できない代わりに振り込んでいただいている、と考えれば売り手が負担する、というロジックもあります。 集金にかかる人件費などのコストが削減されるため、負担分は当然と考える考え方です。それを法律としてどうかと、具体的な罰則はなくあくまでも一つの基準はそうであっても、実務上は相手との力関係に大きく影響される部分です。

振込手数料の負担をお願いするには?

振込手数料を相手に負担してもらうためにはまずは相手に対して依頼をしなければなりません。今まで自分が負担していたとしたら、このタイミングでなぜ負担をお願いするに至ったのかを説明する必要はあるでしょう。

文書が一般的

一番多いのが文書でお願いをするパターンででしょう。どのような内容にすればよいのかを考えていきます。まず、①なぜ負担をお願いすることになったのか②いつからお願いをするのか、この2点をはっきり相手に伝えましょう。 例)貴社におかれましては、益々のご発展のことと存じます。さて、当社の業績はおかげ様で堅調に推移し、これも貴社をはじめ多くのお取引様の御蔭と感謝申し上げます。しかしながら、昨今の円高に加え、原材料の高騰により調達コストは年々増加しております。 当社といたしましてもできる限りの努力を続けて参りましたが、年々コストアップが避けられない状況下、心苦しいことではありますが貴社を始めとする各お取引様に対し、手数料のご負担をお願いする運びとなりました。つきましては、平成〇〇年〇〇月〇〇日分のお振込み分から手数料をご負担いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。

請求書に記載

一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。請求書の金額欄の近くに控えめな字体で記載している場合もあります。

振込手数料を負担する方法って?

振込手数料を負担する方法はどのようなものが考えられるでしょうか。

手数料分を差し引き

取引で多いのが振込手数料を差し引いて振り込みをする方法です。例えば、200,000円を振り込む際に手数料756円を差し引き199,244円が振り込まれます。

手数料を別納

一般的に商慣習として続いている方法です。相手の取引銀行に口座がない場合には手数料も大きな負担となります。

振込手数料の仕訳って?

振込手数料の仕訳について考えます。

手数料を支払う側

手数料を支払う側は、支払手数料の勘定科目で処理するのが多いでしょう。中には雑損勘定で処理する場合もあります。

手数料を支払ってもらう側

反対に、振込手数料を払ってもらう側は、受取手数料で勘定処理します。売掛金の振込手数料を相手方が支払う場合、売掛金勘定も減るため、同勘定で相殺処理をします。

振込手数料の負担金額って?

振込手数料の負担金額は1件当たり、どのくらいになるでしょうか。以前はペーパーで相手先や金額などを記載したリストや振込依頼票が存在し金融機関に持ち込んでいましたが、現在ではATMでの振込やインターネットバンキングの普及が進み、事務も大幅に軽減されました。 金融自由化の波で、ネット銀行(無店舗型の金融機関)も登場し、振込手数料が不要のサービスなど振込手数料は一律のものでなくなっています。

振込手数料には違いがある

振込手数料の金額の種類として、大きく分けて4つあります。 1つ目は、窓口やATM、インターネットバンキングと振込に利用する手段で手数料の金額が異なります。これはコストの問題が一番に挙げられます。 2つ目は、振込金額が30,000円未満か以上かで振込手数料の金額が異なります。 3つ目は、振り込む口座が自分の取引している金融機関であるかないかでです。 4つ目は、電信扱か文書扱かにより異なります。振込と言うとその日に振り込まれるものだとイメージされる方が多いでしょう。電信扱と呼ばれます。文書扱は郵送でやり取りをする振込方法で、数日かかるのが特徴です。

振込手数料一覧

振込手数料の一覧となります。銀行の窓口で行う振込や、ATM、インターネットで行う振込など種類が多くありますので、比較検討する良い材料となるでしょう。振込手数料は金融機関間で異なっているため、一例として挙げています。

金融機関振込方法振込種類振込金額振込手数料
都市銀行窓口本支店宛3万円未満324円
都市銀行窓口本支店宛3万円以上540円
都市銀行窓口他行宛3万円未満648円
都市銀行窓口他行宛3万円以上848円
都市銀行ATM本支店宛3万円未満108円
都市銀行ATM本支店宛3万円以上216~324円
都市銀行ATM他行宛3万円未満216~432円
都市銀行ATM他行宛3万円以上432~648円
都市銀行インターネット本支店宛3万円未満無料
都市銀行インターネット本支店宛3万円以上無料
都市銀行インターネット他行宛3万円未満216円
都市銀行インターネット他行宛3万円以上432円
ネット銀行インターネット本支店宛3万円未満無料
ネット銀行インターネット本支店宛3万円以上無料
ネット銀行インターネット他行宛3万円未満無料~174円
ネット銀行インターネット他行宛3万円以上無料~278円

振込手数料の負担は契約書に書くべき?

契約書に記載する場合はある

売買契約書などに記載する場合はあります。よく言われるのが「甲の乙に対する支払いは甲がこれを負担することとする」という文言です。中には「甲の乙に対する支払いに関する一切は甲がこれを負担する」という文言になっている場合です。この記載がある場合は、振込手数料も含めて負担してくださいね、というニュアンスとなります。

支払う側の考え方に委ねるケースが一般的

実際は、支払う側の考え方に一任するケースが一般的です。経理担当者が売掛金の入金と請求書の照合を行う際に、差異がある場合はまず振込手数料をチェックします。中には丁寧に振込手数料は別納となっている場合もあれば振込手数料を差し引いて入金しているケースもあったりと、対応がまちまちとなっていると手を煩わせてしまいます。

振込手数料は適切に

振込手数料とはいえ、年間に換算するとかなりの負担になることがお分かりになるでしょう。自分が売り上げたものは全額振り込んで欲しいし、買ったものは振込手数料を差し引きたいというのは当然の心理です。 しかし、商慣習以上に今までの取引の実績だったり信頼であったり、金額では見えない部分で相手にどれだけ期待値があるのかによって対応が異なるでしょう。継続して取引している方にはそれなりのサービスを提供することで取引が今後も続くようにしていくべきですし、スポットとしての取引には全額負担させる方法から徐々に取引高を見ながら弾力的な対応を行えばよいです。 こうして考えると振込手数料は取引の一つのバロメーターな存在になり得る可能性を秘めています。振込手数料を上手に取引アイテムとして活用してはいかがでしょうか。

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