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フリーランスの確定申告のやり方|白色/青色・経費にできるものは

確定申告・税金

毎年、フリーランスの人に訪れる「確定申告」。フリーランスとして働き始めた人には「確定申告のやり方がわからない」、「そもそも確定申告がどんなものかわからない」という人もいるでしょう。この記事ではフリーランスにとって欠かせない確定申告について説明していきます。

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フリーランスの確定申告のやり方

毎年、フリーランス(個人事業主)の人に訪れる「確定申告」の時期。フリーランスとして働き始めた人で「確定申告のやり方がわからない」という人は多いでしょう。中には「そもそも確定申告がどんなものかわからない」という人もいるでしょう。 この記事ではフリーランスの確定申告のやり方や、確定申告の際に気をつけるべき点について紹介します。フリーランスで働く際に避けられない確定申告について正しく理解していきましょう。

確定申告の必要があるのにしなかったらどうなる?

個人事業主として働くフリーランスには、基本的に確定申告をする義務があります。フリーランスの確定申告のやり方を紹介すると言いましたが、その前に、確定申告する必要があるのにしなかった場合にどうなるかを知っておきましょう。 フリーランスの人が、確定申告の必要があるのにもかかわらず確定申告を行わなかった場合、「無申告加算税」や「延滞税」が発生する可能性があります。また、故意に申告書を提出しない行為などは「ほ脱」となります。ほ脱とは、納税の義務がある者が所得の悪質な偽造などの不正な手段により各種の納税義務を逃れることをといい、犯罪となります。

無申告加算税

無申告加算税は、確定申告の申告書を期限内に提出しなかった場合に課せられる附帯税です。納めるべき通常の税金に加えて、無申告加算税が課されます。文字どおり、「申告しなかったこと」によるペナルティです。 ただし、期限後の申告であっても、確定申告の期限からひと月以内に自主的に行われている場合や、確定申告に係る納付すべき税の全額を期限内に納付している場合は、無申告加算税は課されません。 以前は2週間以内でなければなりませんでしたが、平成27年度の税制改正において「法定申告期限から2週間以内に申告されたもの」から「法定申告期限から1か月以内に申告されたもの」に改正されました。 無申告加算税は原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合が上乗せされます。「50万円以上は20%」ではなく「50万円を超える部分は20%」であることに注意しましょう。 なお、税務署から調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合は、この無申告加算税が5%の割合に軽減されます。期限後の申告によって納める税金は、その申告書を提出した日が納期限となるため、その日に納める必要がある点にも注意しましょう。

延滞税

延滞税は、期限までに税金を納付しなかった場合に課せられる附帯税です。延滞税は無申告加算税と違いがないように感じますが、こちらは税金の納付の「遅れに対する利息」の意味合いがあり、無申告加算税は明確に異なります。なので、無申告加算税と延滞税のどちらかが課せられるのではなく、両方とも課せられることになります。 延滞税の計算方法はやや複雑です。期限日の翌日から完納する日までの日数に応じて額が変わります。 延滞税の額 = 納付すべき本税の金額 × 延滞税の割合 × 滞納した日数 ÷ 365 国税庁のホームページにて延滞税を計算できるので、こちらを利用して延滞税の額を計算するのが間違いないでしょう。

確定申告の種類

確定申告を行わなかった場合、ペナルティが課せられることがわかりました。確定申告の必要性がわかったところで、次は確定申告の種類について見ていきましょう。 確定申告は「白色申告」と「青色申告」の2つの種類があり、この2つのどちらかで申告する必要があります。白色、青色のどちらの場合でも「確定申告書B」を使用することには変わりありませんが、他に必要な書類が異なっていたりします。これについては後述します。 フリーランスの人が何も申請をしなければ、自動的に白色申告の扱いとなります。青色申告を行う場合は事前申請が必要になります。3月15日までに「青色申告承認申請書」を、確定申告書類の提出先と同じ所轄税務署に提出しなければなりません。青色申告をする人は早めに申請しておきましょう。 青色申告の方には特典があるので、青色申告で申告するのが望ましいですが、フリーランスとしての経験が浅い人などは比較的簡単な白色申告でもよいでしょう。

白色申告

白色申告では「収支内訳書」と「確定申告書B」を提出する必要があります。白色申告は青色申告に比べて「簡単」であることが特徴です。 白色申告は複式簿記をつけなくてよいというメリットがあります。複式簿記の書き方はやや難しくなるため、その知識がない人やフリーランスになり始めたばかりの人などは白色申告にするのもよいでしょう。 しかし最近は青色申告のための会計ソフトやクラウドサービスが充実し、あまり知識のない人でも複式簿記をつけることができるようになってきています。青色申告に適用される特典を受けたいけれど複式簿記の知識がないというフリーランスの方は、こういった会計ソフトやクラウドサービスを利用してみることも考えてみましょう。

青色申告

青色申告では「所得税青色申告決算書」と「確定申告書B」を提出する必要があります。 青色申告は、前述したように複式簿記をつけなければならないデメリットがありますが、白色申告では得られない特典を受けられるメリットがあります。いくつかの特典がありますが、その中でも特徴的なのは青色申告特別控除でしょう。 青色申告特別控除を適用すると、所得金額から10万円または65万円を控除できます。65万円の特別控除を適用するには要件があり、その要件のいずれか一つにでも該当しないものがある場合は10万円の特別控除が適用されることになります。65万円の特別控除を適用するには次の3つの要件を満たしている必要があります。 ・不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること ・正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳していること ・確定申告の必要書類を法定申告期限内に提出すること

フリーランスは収入がいくらから確定申告をするのか

個人事業主として働くフリーランスには、基本的に確定申告をする義務があると説明しました。基本的に、というのはフリーランスであっても所得が38万円以下であれば、実は確定申告は必要ではありません。ですがフリーランスのほとんどの人は所得が38万円を超えるでしょうし、これからフリーランスを目指す人で所得38万円以上を想定しない人もいないでしょう。なのでフリーランスで確定申告の知識は必須だといっていいでしょう。 余談になりますが、フリーランスでなく会社に勤める給与所得者であっても、年収が2000万円を超える人は会社からもらう源泉徴収票をもとに確定申告が必要になります。また副業、つまり給与以外の所得金額が20万円を超える場合も確定申告をする必要がありますが、この記事では割愛します。

収入ではなく事業所得

フリーランスの人は、年間の事業所得が38万円を超えた場合に確定申告を行う必要があります。事業所得とは、売上などの収入から必要経費を差し引いた金額のことを指します。 事業所得 = 収入 − 必要経費 収入から必要経費を引いたものが38万円を超えた場合に納税の義務が発生し、フリーランスの人は確定申告を行う必要が出てきます。

フリーランスが確定申告をするのに必要な書類

確定申告を行う場合、確定申告書のほかに給与所得や公的年金などの源泉徴収票、医療費の領収書などが申告内容に応じて必要になってきます。

フリーランスは確定申告書「B」

確定申告のための申告書は2種類、確定申告書Aと確定申告書Bがあります。そして所得の種類によってAとBのどちらの申告書を使って確定申告するかが分かれます。 サラリーマンなどの給与所得者や年金所得者である人は「確定申告書A」を使用して確定申告する必要があります。フリーランスや分離課税対象の所得がある人は「確定申告書B」を使用して確定申告する必要があります。 以下の国税庁ホームページのリンクから確定申告書および関連する書類をダウンロードすることができます。

収支内訳書または青色申告決算書

白色申告か青色申告かで、必要となる書類が異なります。白色申告を行なう際には収支内訳書が、青色申告を行う際には青色申告決算書が必要となります。 以下の国税庁ホームページのリンクから収支内訳書や青色申告決算書をダウンロードすることができます。(先ほどのリンクと同様)

源泉徴収票

フリーランスであっても給与所得や年金の受給がある場合は、源泉徴収票を提出する必要があります。

控除を受けるための各種証明書

社会保険料(国民年金保険料)の控除証明書や、控除対象であれば、住宅ローン控除や医療費控除などを受けるための各種書類を用意します。

必要経費の領収書

必要経費の領収書やレシートなどは大切に保管しておきましょう。なお、電車やバス、タクシーなどの基本的に領収書がもらえない交通費などの出費、結婚祝いや香典などの慶弔費、そのほか領収書を紛失してしまった場合などには出金伝票を起こす必要があります。 出金伝票を起こす際には、次の4つの情報を記載します。 ・取引した日付 ・金額 ・支払先 ・取引内容(何に使ったか) ただし出金伝票は、本人自らが作成するものであるため、証憑(しょうひょう)として強くはありません。そのため、出費の証憑となる書類など(これを「証憑書類」という)がある場合は、捨てずにきちんと保管しておきましょう。

フリーランスが確定申告で経費にできるもの

経費として扱えるか、扱えないかの判断基準は、事業に関係するものかどうかです。「事業に関係するものは経費として扱うことができる」というのが基本的な考え方となります。 必要経費にできるもの(勘定科目)はさまざまありますが、会計ソフトでは勘定科目の項目が用意されているので、それに合わせて必要経費をまとめていくのがおすすめです。

経費の按分

プライベートと事業で同じものを使用している場合、その料金は必要経費として扱えるのでしょうか。例えば、スマートフォンを1台しか持っておらず、家族や友人との連絡に使用することもあれば、取引先の相手との連絡にも使用する、なんてこともあるでしょう。 この場合は、料金の全てを経費としては扱わず、その何割かを通信費として計上することになります。割合は使用状況によって決めることになります。

確定申告をするためのおすすめのソフト

「MFクラウド確定申告」

フリーランスのための確定申告のためのソフトは色々あり、それぞれ独自の強みを持っています。また、それぞれのソフトの特徴以前に、インストール型であるかクラウド型のどちらであるかはとても重要なポイントとなるでしょう。 クラウド型はOSを選ばないという特徴があります。また、インターネットにつながればいいので、端末を選びません。確定申告に限らず、さまざまな方面で最近はクラウド上でサービスを提供する形が主流となりつつあります。逆に、インターネット上で作業したくない場合はインストール型を選びましょう。 確定申告はフリーランスにとって重要な作業の一つです。フリーランスの本業とは関係はなくとも、フリーランスの重要な作業の一環だという認識を強く持ってソフトを選びましょう。

「MFクラウド確定申告」はクラウド型の確定申告ソフトです。確定申告書B、青色申告決算書などのフリーランスに必要な確定申告の書類が自動作成できます。 プランは3種類あります。 ・「フリープラン」 ・「ベーシックプラン」: 800円 /月または8,800円 /年 ・「あんしん電話サポート付きベーシックプラン」: 17,200円 /年

「freee(フリー)」

「freee」はクラウド型のクラウド会計ソフトで、確定申告の機能も含まれています。 プランは3種類あります。 ・「無料お試し」 ・「スターター(フリーランス・副業の人向け)」: 980円 / 月(税抜)または9,800 / 年(税抜) ・「スタンダード(飲食/小売/理容などの店舗、EC運営など)」: 1,980円 / 月(税抜)または19,800 / 年(税抜)

「弥生シリーズ」

「弥生シリーズ」はインストール型、クラウド型のどちらもあり、豊富なラインナップで確定申告をサポートします。自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。

「みんなの青色申告」

「みんなの青色申告」はインストール型の確定申告ソフトです。Windowsにのみ対応しており、Macには対応していません。使いやすさ重視のソフトになっています。 小売価格は9,800円(税抜き)となっています。30日間の無料体験も可能です。

「やるぞ!青色申告確定申告」

「やるぞ!青色申告確定申告」はインストール型の確定申告ソフトです。 「やるぞ!青色申告」と「やるぞ!確定申告」に分かれており、「やるぞ!青色申告」はさらに「節税申告フルサポートパック」と「フリーランス・個人事業主のかんたん節税申告パック」に分かれています。いずれもWindows、Macの両OSに対応しています。 ・「やるぞ!青色申告 - 節税申告フルサポートパック」:2ライセンスで10,800円(税込) ・「やるぞ!青色申告 - フリーランス・個人事業主のかんたん節税申告パック」: 2ライセンスで8,800円(税込) ・「やるぞ!確定申告」: 1ライセンスで4,980円(税込)

「ツカエル青色申告」

「ツカエル青色申告」はインストール型の確定申告ソフトです。Windowsにのみ対応しており、Macには対応していません。シンプルで使いやすさを重視したソフトです。 体験版と製品版があります。初めに体験版で使い勝手を試してみるとよいでしょう。製品版は5,400円(税込)となっています。

「フリーウェイ経理Lite」

「フリーウェイ経理Lite」はインストール型の確定申告ソフトです。Windowsにのみ対応しており、Macには対応していません。 プランは3種類あります。 ・無料版 ・企業版(有料版): 月額利用料は3,000円(税抜) ・顧問先版(会計事務所とデータ共有): 料金は相談

「Macの青色申告」

「Macの青色申告」はインストール型の確定申告ソフトです。名前のとおりMacにのみ対応しており、Windowsには対応していません。 青色申告特別控除の65万円を受けるのに必要な複式簿記による記帳や貸借対照表などの作成をサポートする青色申告用のソフトとなります。入力補助機能を使用すれば、マウスだけでの入力が可能なのが特徴です。 標準価格は10,800円(税抜)となっています。 また、Mac対応というだけあって専用のiPhoneアプリ「iChoubo」との連携が可能となっています。

税務調査に備えて帳簿などは保存しておきましょう

いかがでしょうか。フリーランスの確定申告について説明してきました。フリーランスにとって確定申告はとても大切な作業の1つです。しっかりと確定申告を理解し、毎年正しく確定申告を行いましょう。 なお、白色申告、青色申告ともに、各種帳簿や書類の保存期間が定められています。例えば、白色申告の場合、収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)の保存期間は7年、業務に関して作成した法定帳簿以外の帳簿(任意帳簿)や請求書、納品書などの保存期間は5年となっています。 青色申告の場合も保存期間が7年のものもあれば5年のものもあります。税務調査において必要になるので捨てずに保存しておきましょう。 「5年経ったから捨てる」という考え方は持たずに、最低でもどの書類も7年は保存しておくことが、税務調査においての失敗を犯さずに済むポイントとなります。フリーランスの人は税務調査にも気を配っておきましょう。 確定申告を理解すれば、あとは本業で力を発揮するのみです。確定申告を難なくこなし、一流のフリーランスを目指しましょう。

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