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民生委員の報酬額(自治体別)|課税/源泉徴収・申告は必要?

年収

民生委員とは、1948年(昭和23年)に制定された「民生委員法」に基づいて、厚生労働大臣が任命する非常勤の地方公務員のことです。民生委員の主な任務は、地域の生活者の「社会福祉に関する相談・援助」ですが、全員が「児童福祉法」による「児童委員」も兼ねています。

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民生委員の委嘱

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民生委員は、都道府県知事または政令指定都市の市長若しくは中核市の市長が推薦し、厚生労働大臣が委嘱することにより決定します。また、民生委員の身分は、地方公務員の「非常勤特別職」として取り扱われます。 因みに、民生委員の職務に関する指揮監督は都道府県知事が行い、民生委員の職務に関して必要な指導は市町村長が行うのです。なお、民生委員に委嘱されるための要件は、大前提として「日本国籍を持つ者」でありますが、その以外にも以下のような要件が必要とされています。

(1)居住する市町村議会議員の選挙権を有する者であること。 (2)人格および見識が高く、広く社会の実情に通じている者であること。 (3)社会福祉の増進に熱意がある者であること。 ちなみに、民生委員は事実上公職としての活動と、民生委員・児童委員としての活動の区分が困難であることから、他の公職との兼職はできないことになっています。

民生委員の報酬(弁償費)

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しかし、法律の定めにより「奉仕者(ボランティア)」の位置づけとなっているため、国から給与は支払われることがなく報酬はありません。 ただ、民生委員には自治体から交通費・通信費・研修参加費などに対し、一定程度の活動費用の弁償費が交付されています。なお、交付額は地方自治体によって異なりますが、実態的には概ね1人1年間当たり全国平均で8万円弱(月額6,700円)くらいです。 なお、民生委員・児童委員に対する報酬(弁償費)は、求められる活動の労力やや責任の重さの対価としての妥当性が指摘されています。また、民生委員が所属する地区の協議会に自治体から研修活動費が交付されていますが、その報酬(弁償金額)も決して多くはないのが実情です。

民生委員の職務

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民生委員は、地域に住む住人で援助が必要とする者に関する資料を作成し、管轄の市町村長に提出します。 また、都道府県知事が市町村長の意見を聞き取り、管轄する地域毎に民生委員協議会を組織し、その協議会において民生委員の職務に関する連絡調整をや、担当区域内では以下の職務を行っています。

(1)住民の生活状態を適切に把握しておくこと。 (2)援助を必要とする者が自立的な日常生活を送れるように、生活に関する相談に乗ることや助言や適切な援助を行うこと。 (3)生活の援助を必要とする者が適切な福祉サービスを利用できるように、必要な情報を提供することや援助を行うこと。 (4)社会福祉事業を経営する者や社会福祉活動を行う者と密接に連携し、その事業や活動を積極的に支援すること、また福祉事務所や他の関連する行政機関の業務に協力すること。 (5)それ以外に関連する法律に則り、「老人福祉」「生活保護」「身体障害者」「知的障害者」「売春防止」などの法の施行に関し、所管する行政官庁に協力すること。 (6)児童福祉法に基づき、「児童委員」を兼ねること。

自治体別の民生委員の報酬(活動費用弁償費)

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(株)日本総合研究所の全国1,262自治体を対象とした、「民生委員・児童委員」の活動に対する報酬(活動費用弁償費)の調査(2012年度)によると、1人当たり年額で78,234円です。 全体の度数分布の結果で見ると、「4万円~6万円」のクラスが23.0%、「6万円~8万円」のクラスが19.3%、「8万円~10万円」のクラスが17.3%、と上位3クラスが全体の約70%を占めています。ちなみに、弁償費用が「0円」の自治体が0.6%、「20万円以上」が1.7%です。

全国平均の報酬(弁償費)の分布

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全国1,262の自治体の平均報酬(弁償費)の分布は、以下のようになっています。 (1)4万円未満:11.8% (2)4万円以上~6万円未満:23.0% (3)6万円以上~8万円未満:19.3% (4)8万円以上~10万円未満:17.3% (5)10万円以上~12万円未満:13.6% (6)12万円以上~14万円未満:5.2% (7)14万円以上:4.6% (8)無回答:5.2%

人口50万人以上の都市・特別区の報酬(弁償費)の分布

全国35の人口50万人以上の政令指定都市・特別区の報酬(弁償費)は、以下のようになっています。 (1)4万円未満:20.0% (2)4万円以上~6万円未満:17.1% (3)6万円以上~8万円未満:17.1% (4)8万円以上~10万円未満:2.9% (5)10万円以上~12万円未満:25.7% (6)12万円以上~14万円未満:11.4% (7)14万円以上:2.9% (8)無回答:2.9%

人口20万人以上都市の報酬(弁償費)の分布

全国30の人口20万人以上の中核都市の報酬(弁償費)は、以下のとおりです。 (1)4万円未満:3.3% (2)4万円以上~6万円未満:13.3% (3)6万円以上~8万円未満:23.3% (4)8万円以上~10万円未満:23.3% (5)10万円以上~12万円未満:20.0% (6)12万円以上~14万円未満:10.0% (7)14万円以上:3.3% (8)無回答:3.3%

人口10万人以上の都市の報酬(弁償費)の分布

全国173の人口10万人以上の都市の報酬(弁償費)は、以下のようになっています。 (1)4万円未満:9.8% (2)4万円以上~6万円未満:19.7% (3)6万円以上~8万円未満:16.2% (4)8万円以上~10万円未満:19.7% (5)10万円以上~12万円未満:23.1% (6)12万円以上~14万円未満:3.5% (7)14万円以上:5.8% (8)無回答:2.3%

人口10万人未満の都市の報酬(弁償費)の分布

全国415の人口10万人未満の都市の報酬(弁償費)は、以下のようになっています。 (1)4万円未満:10.8% (2)4万円以上~6万円未満:23.9% (3)6万円以上~8万円未満:18.1% (4)8万円以上~10万円未満:19.5% (5)10万円以上~12万円未満:15.2% (6)12万円以上~14万円未満:5.5% (7)14万円以上:2.8% (8)無回答:4.1%

町の都市の報酬(弁償費)の分布

全国502の町の報酬(弁償費)は、以下のとおりです。 (1)4万円未満:11.4% (2)4万円以上~6万円未満:26.1% (3)6万円以上~8万円未満:21.5% (4)8万円以上~10万円未満:16.3% (5)10万円以上~12万円未満:9.2% (6)12万円以上~14万円未満:4.6% (7)14万円以上:5.2% (8)無回答:5.8%

村の都市の報酬(弁償費)の分布

全国107の村の報酬(弁償費)は、以下のようになっています。 (1)4万円未満:20.5% (2)4万円以上~6万円未満:15.0% (3)6万円以上~8万円未満:18.7% (4)8万円以上~10万円未満:12.1% (5)10万円以上~12万円未満:7.5% (6)12万円以上~14万円未満:6.5% (7)14万円以上:6.5% (8)無回答:13.1%

民生委員の報酬(弁償費)に対する課税はどうなるの?

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民生委員・児童委員は、厚生労働大臣から委嘱され、都道府県知事の指揮監督の下に必要な業務を行いますが、基本的にはボランティア活動なので国からの報酬はありません。 ただ、民生委員・児童委員の活動費用に対して地方自治体から報酬(弁償費)が支払われますが、この報酬(弁償費)は個人の収入扱いにならないので課税対象になることは無いです。従って、報酬(弁償費)から源泉徴収されることもありませんし、報酬(弁償費)を確定申告する必要もありません。

民生委員の職務と報酬の在るべき姿

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「民生委員法」は、1948年(昭和23年)に制定され既に70年を経過しようとしています。この法律の制定当時の社会環境は、今日の「核家族化」「少子化」「高齢化」などの社会問題など想定外であり、その意味で「民生委員制度」が機能不全に陥り形骸化が心配されます。 また、民生委員の委嘱要件には、「人格や見識が高く」「広く社会事情に通じ」「社会福祉に熱意がある」など高邁な人格者像が求められていることから、報酬の問題も含め中々引き受け手がいないのも頷けるでしょう。 しかも、民生委員の職務は、社会福祉・老人福祉・身障者・知的障害者・生活保護・児童福祉など多岐に亘ります。一層のこと有為な人材確保の観点から、一定程度の報酬を条件に専門知識を有した者の公募制も検討に値するかも知れません。

民生委員制度を維持するためには、必ずしも委嘱方法や報酬だけの問題ではありませんが、現実的には「崇高なボランティア精神」と「高邁な理念」だけでは解決できません。報酬の妥当性を含めて幅広い国民的議論が望まれます。

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