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ボーナスにかかる税金は・ボーナスの額と税金/手取りの計算例

確定申告・税金

ボーナスの支給は、ワクワクする出来事の一つですが、明細を見ると額面に対しての手取り額の少なさに驚く人も多いでしょう。ボーナスから差し引かれるものにはどんなものがあるのか、またどうやって計算すれば手取り額が算出できるかについてまとめましたので、ご参照ください。

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ボーナスにかかる税金は

夏と冬の2回、ボーナスの季節があります。初めてボーナスを貰う方の中には、この賞与の手取り額と額面の金額の開きに驚く方もいらっしゃるでしょう。ボーナスも通常の給与と同じように、税金や保険料が差し引かれているからです。 この差し引かれる税金と社会保険料とは、どういった内訳でどのように計算されるのでしょうか。ここでは、ボーナスから差し引かれる税金や保険料の内訳と、計算方法、いつから差し引かれるようになったかなどについてみていきます。

ボーナスとは

会社員の方は、月給のほかに年二回のボーナスが支給される方が多いでしょう。中には、まったくボーナスが支給されないという方もいるでしょう。このボーナスとは、いったい何なのでしょうか。

ボーナスはその人の月給が基本

ボーナスは、従業員の毎月の月給額が基本となります。基本的には、この月給額に対して、2ヶ月分とか1.5ヶ月分という形でボーナスは支給されます。ボーナスが月給額の何ヶ月分となるのかは、その企業により異なります。一般的には、2ヶ月分と定めている企業が多いですが、中には4ヶ月分と定めている企業もあります。 しかし、ボーナスは企業業績によって支給率は上下することが可能で、場合によっては支給しなくても企業側は特に咎められることはありません。企業側は、ボーナスを必ずしも支払わなければならない義務はないということです。

ボーナス支給日

ボーナスは、夏と冬の年2回支給されます。公務員の場合は、ボーナス支給日は6月30日と12月10日ですが、民間企業の場合は自由に支給日を設定できます。

ボーナスにかかる税金-高いと感じる理由

待ちに待ったボーナス支給日、明細を渡されて「やったー」と喜んでいると、よく見ると差し引かれている金額にビックリなんてことあるでしょう。最初は、何かのミスかなと思う人もいるくらい、結構な金額が差し引かれて、手取りが少ないと感じる方も多いでしょう。しかし、ボーナスから差し引かれるのは、税金の他にも社会保険料が差し引かれています。ボーナスで引かれる項目は、以下のようになります。 1.健康保険料 2.介護保険料(40歳以上) 3.厚生年金料 4.雇用保険料 5.源泉所得税 このように、ボーナスからは、1.~4.の社会保険料と5.の税金(所得税)が引かれてから、実際の手取り額となります。普通に毎月の給与からも差し引かれている社会保険料や税金(所得税)ですが、毎月の給与からは、さらに前年の収入によって決まった住民税も差し引かれています。 ボーナスからは、支給される際には住民税は差し引かれていません。ただし、ボーナス支給額分の住民税は、年収と合算して計算されて次の年の住民税として毎月の給与から差し引かれることになります。 では、なぜボーナスにかかる税金が高いと感じるのでしょうか。それは、ボーナスから差し引かれる社会保険料が以前はもっと低かったからです。昔のことを知っている人にとって、現状のボーナスは、額面と実際の手取りが余りにも違っていて、税金が高いと感じるのでしょう。

ボーナスのかかる税金-いつからかかった

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ボーナスにかかる税率や差し引かれる社会保険料が高くなったのは、2003年に導入された「総報酬制」というシステムからです。それまでは、ボーナスには社会保険料はかかりませんでした。 しかし、ボーナスに対してほどんど課税されないとなると、同じ年収だとしてもボーナスの支給額が低く毎月の給与が高い人よりも、ボーナス支給額が高く毎月の給与が低い人の方が、税金がかからなくて済むという不公平が発生します。その不公平を是正しようということで、ボーナスへの税金も平等にする総報酬制に移行しました。 とはいえ、この「総報酬制」によって、全体として徴収される税金が増えたわけではありません。給与のみに社会保険料をかけていたのを、ボーナスを含めた年収に対して社会保険料をかけるという方式に変えました。よって、毎月の給与にかかる社会保険料の保険料率は、総報酬制導入前よりも低くなっています。 ・総報酬制導入前:給与に対して17.35% ・総報酬制導入後:給与に対して13.58%

ボーナスから実際に差し引かれる税金額と保険料額

では、ボーナスから差し引かれる社会保険料や税金はどのくらいなのでしょうか。 1.社会保険料 社会保険は、健康保険と厚生年金から構成されています。 (1)健康保険料 標準賞与額×保険料率  (2)厚生年金 標準賞与額×保険料率 ※賞与総額から1,000未満切り捨て ※東京都の健康保険料率は、9.91%(介護保険対象者の場合は、11.56%)で、厚生年金保険料は18.182%(ただし、坑内員・船員は、18.184%)となっており、この保険料率は各都道府県によって異なります。また、この保険料率は企業と従業員の折半となっているため、実際に差し引かれるのは、この料率の1/2になります。 2.雇用保険 雇用保険は、保険料率が0.9%(ただし、農林水産・清酒製造は1.1%、建設は1.2%)だが、そのうち従業員が負担するのは、0.3%(農林水産・清酒製造・建設事業は、0.4%)となっています。賞与支給額(額面額)×0.3%(農林水産・清酒製造・建設事業は、0.4%) 3.源泉所得税 ボーナスにかかる所得税は、社会保険料と雇用保険料を差し引いた後の支給金額と、扶養親族人数によって変動します。

ボーナスの額と税金・手取りの計算方法

ボーナスから差し引かれる税金や社会保険料についてみてきましたが、実際にボーナス支給額に対してどの程度の税金が差し引かれて、手取り額がいくらになるのかをみていきます。 前述のように、健康保険料率と厚生年金料率は、全国の自治体毎に違っていますし、健康保険については加盟している団体によっても掛率が変わります。そのため、ここでは、健康保険料と厚生年金料については、東京都の金額を基準にして計算します。 また、源泉所得税については、前月の社会保険料控除後の給与額(手取り)と扶養人数によって税率が違ってくるため、以下の条件のもと計算します。 ・年齢42歳  ・男性 ・会社員(坑内員、船員以外) ・社会保険料控除後の前月の月給30万(ただし、ボーナス50万までの計算において) ・扶養家族一人 ※扶養人数や前月の月給額によって、所得税率が変わるために、差し引かれる税金が変わるために、ボーナスの手取り額も変わります。

ボーナスの額と税金・手取りの計算-10万

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1.健康保険料:10万円×5.78%=5,780円 2.厚生年金:10万円×9.091%=9,091円 3.雇用保険:10万円×0.9%=900円 4.源泉所得税:上記1.~3.の社会保険料を差し引いた金額、10万円-5,780円-9,091円-900円=84,229円 扶養家族1人で、前月の給与額(社会保険料控除後)が30万の場合は、6.126%が税率となるため、84,229×6.126%=5,159円(税金)、84,229円-5,159円(税金)=79,070円よって、額面10万円の場合の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は、79,070円となります。

ボーナスの額と税金・手取りの計算-20万

1.健康保険料:20万円×5.78%=11,560円  2.厚生年金:20万円×9.091%=18,182円 3.雇用保険:20万円×0.3%=600円 4.源泉所得税:上記1.~3.の社会保険料を差し引いた金額、20万円-11,560円-18,182円-600円=169,658円 扶養家族1人で、前月の給与額(社会保険料控除後)が30万の場合は、6.126%が税率となるため、169,658円×6.126%=10,393円(税金)、169,658円-10,393円(税金)=159,265円 よって、額面20万円の場合の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は、159,265円となります。

ボーナスの額と税金・手取りの計算-30万

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1.健康保険料:30万円×5.78%=17,340円 2.厚生年金:30万円×9.091%=27,273円 3.雇用保険:30万円×0.3%=900円 4.源泉所得税:上記1.~3.の社会保険料を差し引いた金額、30万円-17,340円-27,273円-900円=254,487円 扶養家族1人で、前月の給与額(社会保険料控除後)が30万の場合は、6.126%が税率となるため、254,487円×6.126%=15,589円(税金)、254,487円-15,589円(税金)=238,898円 よって、額面30万円の場合の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は、238,898円となります。

ボーナスの額と税金・手取りの計算-40万

1.健康保険料:40万円×5.78%=23,120円 2.厚生年金:40万円×9.091%=36,364円 3.雇用保険:40万円×0.3%=1,200円 4.源泉所得税:上記1.~3.の社会保険料を差し引いた金額、40万円-23,120円-36,364円-1,200円=339,316円 扶養家族1人で、前月の給与額(社会保険料控除後)が30万の場合は、6.126%が税率となるため、339,316円×6.126%=20,786円(税金)、339,316円-20,786円(税金)=318,530円 よって、額面40万円の場合の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は、318,530円となります。

ボーナスの額と税金・手取りの計算-50万

1.健康保険料:50万円×5.78%=28,900円 2.厚生年金:50万円×9.091%=45,455円 3.雇用保険:50万円×0.3%=1,500円 4.源泉所得税:上記1.~3.の社会保険料を差し引いた金額、50万円-28,900円-45,455円-1,500円=424,145円 扶養家族1人で、前月の給与額(社会保険料控除後)が30万の場合は、6.126%が税率となるため、424,145円×6.126%=25,983円(税金)、424,145円-25,983円(税金)=398,162円 よって、額面50万円の場合の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は、398,162円となります。

ボーナスの額と税金・手取りの計算-100万

ボーナス100万というと、月給50万くらいが妥当なため、月給50万、他の条件(42歳、扶養家族一人)は同じとして計算します。 1.健康保険料:100万円×5.78%=57,800円 2.厚生年金:100万円×9.091%=90,910円 3.雇用保険:100万円×0.3%=3,000円 4.源泉所得税:上記1.~3.の社会保険料を差し引いた金額、100万円-57,800円-90,910円-3,000円=848,290円 扶養家族1人で、前月の給与額(社会保険料控除後)が50万の場合は、16.336%が税率となるため、848,290円×16.336%=138,576円(税金)、848,290円-138,576円(税金)=709,714円 よって、額面100万円の場合の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は、709,714円となります。

ボーナスの額と税金・手取りの計算-150万

ボーナス150万であれば、月給70万くらいが妥当なため、月給70万、他の条件(42歳、扶養家族一人)は同じとして計算します。 1.健康保険料:150万円×5.78%=86,700円 2.厚生年金:150万円×9.091%=136,365円 3.雇用保険:150万円×0.3%=4,500円 4.源泉所得税:上記1.~3.の社会保険料を差し引いた金額、150万円-86,700円-136,365円-4,500円=1,272,435円 扶養家族1人で、前月の給与額(社会保険料控除後)が70万の場合は、20.420%が税率となるため、1,272,435円×20.420%=259,831円(税金)、1,272,435円-259,831円(税金)=1,012,604円 よって、額面150万円の場合の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は、1,012,604円となります。

ボーナスの額と税金・手取りの計算-200万

ボーナス200万であれば、月給100万くらいが妥当なため、月給100万、他の条件(42歳、扶養家族一人)は同じとして計算します。 1.健康保険料:200万円×5.78%=115,600円 2.厚生年金:200万円×9.091%=181,820円 3.雇用保険:200万円×0.3%=6,000円  4.源泉所得税:上記1.~3.の社会保険料を差し引いた金額、200万円-115,600円-181,820円-6,000円=1,696,580円 扶養家族1人で、前月の給与額(社会保険料控除後)が100万の場合は、30.630%が税率となるため、1,696,580円×30.630%=519,662円(税金)、1,696,580円-519,662円(税金)=1,176,918円 よって、額面200万円の場合の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は、1,176,918円となります。

ボーナスの額と税金・手取りの計算-300万

ボーナス300万であれば、月給150万くらいが妥当なため、月給150万、他の条件(42歳、扶養家族一人)は同じとして計算します。 1.健康保険料:300万円×5.78%=173,400円 2.厚生年金:300万円×9.091%=272,730円 3.雇用保険:300万円×0.3%=9,000円 4.源泉所得税:上記1.~3.の社会保険料を差し引いた金額、300万円-173,400円-272,730円-9,000円=2,544,870円 扶養家族1人で、前月の給与額(社会保険料控除後)が150万の場合は、35.735%が税率となるため、2,544,870円×35.735%=909,409円(税金)、2,544,870円-909,409円(税金)=1,635,461円 よって、額面300万円の場合の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は、1,635,461円となります

役員ボーナスへの税金の注意点

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役員ボーナスには、注意が必要です。役員に支払う報酬としては、「役員報酬」と「役員賞与」があります。役員に対する賞与および退職給与以外のものを「役員報酬」といい、臨時的に支給されるもので退職給与以外のものを「役員賞与」と呼び、これが役員ボーナスにあたります。 注意が必要なのが、役員報酬は明らかに高いものを除き、損金にできるのですが、役員ボーナスの場合は、原則として損金にできず、所得税や住民税、法人税まで課されてしまうという点です。経営者に近い立場にある役員が、突発的な賞与が損金として認められてしまうと、利益操作になりかねないことから、このようなルールとなっています。

役員ボーナスを損金で処理するには

役員賞与は損金で処理できないため、源泉徴収対象となるということは前述しましたが、実は役員賞与という形ではなく、役員に支払う方法があります。以下が損金処理されずに役員に給与を支払う方法になります。

1.定期同額給与

役員ボーナスを損金扱いにする方法の一つ目が「定期同額給与」です。これは賞与のように臨時的支給ではなく、定期的に定額支給する方法です。国税庁ホームページにおいて、「定期同額給与」とは「その支給時期が1ヶ月以下の一定期間ごとである給与」で、「その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの」、「継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定」であるとされています。 この定義にあてはまるように、計画的に役員への給与として与えれば、役員賞与とはみなされずに、役員報酬となって損金計上が可能となります。ここでのポイントは、「定期的に同額」を支給するという点です。この報酬額面が変わってしまうと、役員賞与とみなされてしまいます。

2.事前確定届出給与

この「事前確定届出給与」とは、支払を行う前に、金額確定して、支払時期と金額を税務署にあらかじめ届け出ておき、その届出通りに支払を行うことです。「定期同額給与」とは違って、書類を作成して事前に提出しなければならないのですが、支払金額を毎回同額にする必要がありません。ただし、この届出と実際の支給額が違う場合は、損金処理ができません。

源泉徴収票への賞与の記載

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月の給与と賞与が確定すると、年明けに源泉徴収票が会社から発行されます。源泉徴収票には上記で計算した手取り額ではなく、「支払金額欄」に給与と賞与の合算額が記載されます。そして、「社会保険料等の金額」欄に、給与と賞与から差し引かれた社会保険料と本人申告の社会保険料の合算額が記載されます。 源泉徴収額の欄には、年末調整対象から外れた人の場合は、給与と賞与から差し引かれた源泉徴収額が記載されますが、年末調整対象者であれば取りすぎの場合は還付され、不足していれば追加徴収されて税額が精算されます。そして、精算後の正確な源泉徴収額が源泉徴収票に記載されています。 賞与から差し引かれている社会保険料は前月の給与を基準として計算された概算額ですので、実は年収を基準にした正確な税額ではありません。そのため、賞与は年末調整対象者であれば、源泉所得税額については精算終了といえますが、年末調整対象者ではない者については、源泉所得税額の精算が済んでいない状態であるということが言えます。その点をきちんと把握しておくことが大事です。

ボーナスにかかる税金は、金額が大きいほど大きくなる

いかがでしたか。ボーナスとはどういったものか、ボーナスにかかる税金と社会保険料の種類と計算方法がわかりました。税金については全国一律ですが、健康保険料と厚生年金保険料については、地域であったり企業が加盟している健康保険団体により、その保険料率は異なるため、各地の算出率に合わせて計算しなければなりません。 ボーナス金額に照らし条件を設定し、およその手取り額を計算してみると、金額が大きいほど差し引かれる税金の大きさに驚いたでしょう。2003年以前から勤めている方にとっては、途中からボーナスから差し引き税金額が多いと感じるでしょうが、実は全体の年収として考えると、同じ税率で差し引かれているということがわかりました。 もし、自分のボーナスの差し引かれている金額が多いと感じる場合は、上記の内容からご自分にあてはめて税金と保険料を計算してみてはいかがでしょうか。

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