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日本人は働きすぎと言われる理由・海外との比較・問題と対策

転職ノウハウ

日本人は働きすぎと言われるけど、本当のところ海外と比較してどうなのでしょう。働きすぎな日本人なら気になるデータを、働きすぎから生まれる弊害や、日本は1人当たりGDPが世界第何位なのか、またその改善策はなど、気になる角度から迫ります。

更新日時:

日本人は働きすぎと言われる理由

なぜ働きすぎといわれるの?

日本人はなぜ、働きすぎといわれるのでしょうか。 昨今、日本国内でも「新しい働き方」が議論されるようになり、某大企業の若手社員の自殺で長時間労働の是正に本格的に政府が動き始めていますが、民間企業で働く日本人としては、政府の方針が変わったところで、何も変わらない…と嘆く人も多いです。 それではなぜ、日本社会では働きすぎが定着し、平成のこのモノや情報があふれた時代に、死に物狂いで必死に働いているのでしょうか。その要因を探っていきましょう。

いつからこんなことに?

日本は、敗戦後の高度経済成長期、焼け野原となった東京を見事に復活させ、敗戦国から先進国へと成長しました。「働きすぎなほどがむしゃらに働き、成功した」という認識が日本人の根底にあることが理由のひとつでしょう。 その時代に日本社会で成功したビジネスモデルの大企業が、今もなおその働き方をしてきた幹部を、次々に日本社会の縮図である年功序列の登用をした結果、上司が部下にその働き方を教育推進して、経済が成長しきった現代でも、過剰な労働を強いている現状があるのでしょう。

原因

日本の有名企業の社長のインタビューの中でもそれを原因として指摘する声があります。戦後、もしくはそれ以前から続く過剰ともいえる労働を美化する文化が、働きすぎの原因とみている経営者は一定数います。

【大和証券グループ本社 会長 鈴木茂晴氏(以下、鈴木)】はっきり言えば、そういう労働環境で育ったワーカホリックなDNAの人が上司にいるということですね。私の若いころは朝7時に来て夜9時とか10時、下手したら11時ぐらいまで仕事をしていました。当然体が持たないので、夏でも冬でもまず喫茶店、夜は残業に備えて小一時間は外で食事。それらを合わせると3時間ぐらいになる。まったく生産性が低い働き方だったんです。

【LIXIL 社長 藤森義明氏(以下、藤森)】私も文化がいけないんだと思いますね。どんなスポーツでも制限時間があって、たとえばサッカーは90分です。仕事も同じで、制限時間の中でどれだけ勝てるかという感覚で働かなくては。「仕事は8時間勝負」という文化をつくっていかないといけません。

海外の反応

■働きすぎ。ドイツ人は仕事と休みのバランスがいいと思います(ドイツ/男性/40代前半)

■会社に思いっきり尽くす人たちが多すぎて、不健康。日本には有給があっても取らない人たちが多すぎる。フランスは仕事も大事だが、家族と健康は大事。人生のプライオリティを考えながら仕事をしている(フランス/女性/20代後半)

■真面目、働き過ぎ。時間いっぱいかかるけど、細かいところをきちんとやるのが得意。母国は効率よく働くつもりで短時間でやり、逆に失敗する人が多い(イラン/女性/20代後半)

上記の例は一例ですが、調べてみると、明らかに海外各国の人たちも、「日本人は働きすぎ」と認識し、「もう少し家族を大切にしたら?」などと不思議に思うようです。 日本では会社で働くと年間1回1週間程度の夏休み制度のようなリフレッシュ制度がありますが、(もちろんそんな制度すらないブラック企業も存在することは確かです)「福利厚生がいい」と世間から言われる日本の企業でさえ、1週間程度の長期休暇の取得が一般的ですよね。 しかし、海外各国では、1か月程度の長期休暇がとれる制度がある国も多く、その休暇の取得の仕方や、労働時間の長さから、海外から見ると「日本人は働きすぎ」と言われてしまうのです。

日本人は本当に働きすぎているのか

海外との比較

海外から「日本人は働きすぎ」と言われてしまう日本人の働き方ですが、実際海外の働き方はどのようになっているのでしょうか。いくつかの国を例に見てみましょう。

ドイツ

ドイツでは、連邦休暇法で社員に対して最低24日間の年次有給休暇を義務づけている。しかし、多くの会社では連邦休暇法より6日多い年間30日に設定している。有給を取得する際は、日曜を挟むので、連続で休む日はさらに長くなる。ドイツでは、4週間続けてバカンスを取るのは珍しくない。断っておくが、病欠は有給休暇とは別の休暇である。病気のときは、病欠を取ればよい。医師の診断書があれば、最長6週間までは病欠でき、その間は給料も支払われる。有給休暇は、あくまでも楽しみ・休養のために使うものなのだ。

ノルウェー

仕事と子育ての両立支援も盤石だ。1993年にノルウェーが導入した「パパ・クオータ制度」は、両親とも育休を取得することが前提。父親が育休を取得しないと母親が育休を取得する権利を失う。しかも育休中(44週間以内)の給料は100%支給され、ノルウェーでは父親の9割が育児休暇を取得する。

福祉国家が多い北欧や、ヨーロッパの国々では、仕事よりも家族を大切にしているようですね。ノルウェーでは父親が育休を取得しないと母親の育休取得権利が失われるというのも驚きです。 そのような休暇の制度が日本と比べて段違いな海外の国々ですが、その国民一人当たりの名目GDPはノルウェーが189か国中第3位、ドイツが第19位と日本の第22位より高いです。 このランキングや上記の国々の働き方を見ても、日本人は働きすぎと言われているのに、その労働時間に対して明らかに生産量が低いことが分かります。日本人の働きすぎは、結果として非効率な経済活動を生み出しているといえます。

参考 GDPとは

GDPとは国内総生産(Gross Domestic Product)の略称で、1年間でその国内で生み出した財やサービスの総称です。一人当たりGDPとはGDPを人口で割った数です。

日本人だけ働きすぎは嘘?

一方で、日本と比べてみたい国がもう一つあります。それは、アメリカです。日本が戦争に敗れ、現在もその経済力や軍事力に頼っている、アメリカ。実際にどのような働き方をしているのか、見てみましょう。

アメリカ

アメリカでは、企業従業員が年次有給休暇を取る権利は保障されていない。祝日分の給料が支払われない場合すらある。この基本的な福利厚生の付与を企業に義務づけていない、唯一の先進国なのだ。

言うまでもなく、アメリカ人であっても、高所得を得ている層の多くは、報酬パッケージとして有給休暇が付与されている。しかしそれ以外の人々は、病気の時でさえ休む余裕がない。ましてや1、2週間の休暇など論外だ。

上記の文章から、驚きの結果が出ています。なんとあの経済大国アメリカでは、有給休暇などの福利厚生が日本よりも制度が整っていないように感じます。しかしながら、日本とアメリカでは実際に会社にいる時間、いわゆる拘束時間が違うようです。以下の文章を見てみましょう。

アメリカの社会ですと、基本的に『結果』がもっとも重要視されます。 アメリカの場合は人によりますが、7:30-9:00くらいに会社に来て、夕方5:30にはほとんど全員社員は帰宅してます。 最近は特にいい季節になってきたので、16:00ころから帰り始める人もいます。 ただ、勤務時間内はかなり『濃い仕事』をします。 ランチしながら打ち合わせをしたり、3-5分の立ち話で結論をだしたり、会議も全員集まってだらだら何時間もすることはなく、必要なパートが終わったら退出して、別に必要な人が入れ替わりに入ってきたり、せわしい感じもしますが、特別な会議を除いて会議は長くても最大1時間です。 実際に一人の人が会議で使われる時間は数十分程度なので、不必要に長い時間会議に参加するということはあまりないです。 また帰宅してからもメールチェックは大体皆さんしているので、次の日の朝までには必要な回答は来ていることが多いです。 そういった意味では会社での拘束時間は少ないですが、自分にあったペースで仕事をして、時間の使い方、価値というものをとても大事にして、さらに結果を重視していると感じます。

日本では、一般的に朝の9時から17時等の拘束時間があったら、その間に帰る人はいません。しかし、アメリカではそれが出来る場合があります。つまり、結果さえ出していればクビにはならないし、仕事が終わっているなら帰ればいいという考え方です。 ちなみに、アメリカの1人あたり名目GDPは世界第8位で、さきほどの日本と比べても、生産性ではアメリカのほうが高いです。

日本人の働きすぎることで起きる問題とその対策

毎日のようにニュースで聞く、日本人の働きすぎによる過労死問題をはじめ、日本人の働きすぎの影響はもはや社会問題として取り上げられています。自殺とまではいかないまでも、働きすぎによるストレスや過労から体調を崩したり、病気になってしまい、休職や退職をする日本人が後を絶ちません。では、どんな方法で日本人の働きすぎを改善していけばよいのでしょうか。

改善

今、日本社会で問題になっている日本人の働きすぎ、いわゆる長時間労働問題は、高い税負担でありながら、国が福祉に力を入れ、国民の働き方も柔軟であり、なおかつ国民1人当たりの名目GDPが高い北欧諸国にヒントがあるのではないか、そう考えて、働き方を詳しく調べてみました。

北欧諸国の働き方

労働組合が厳しく目を光らせる北欧では、所定の時間内で効率よく働くことを第二次世界大戦後から求め、「長時間労働」を排除してきた。週40時間労働制と、制度自体は日本と違いはないが、残業する概念がない上、最低5週間の有給休暇取得が法律で義務付けられている。デンマークとノルウェーも週平均33時間労働だ。

上記の文章からすると、制度自体は週40時間労働制というのは日本人の働き方と変わりませんが、「残業をする概念がない」というのが一つのポイントのです。 日本人の働き方は、「残業ありき」な働きすぎ万歳、なのだと言えるでしょう。そのうえ、有給休暇の取得が最低で5週間ということは、年間最低でも35日間はお休みを取らないとその会社は法律に抵触するということです。素晴らしいホワイト企業です。

一人当たり名目GDPを比べると…

2016年の一人当たり名目GDPは日本が38,917.29USドルですが、ノルウェーは70,391.57USドル、デンマークは53,743.97USドルです。 平均で週33時間の労働時間に抑えることができ、日本人が仮に週40時間働いているとすれば、週あたり7時間の差がありますので、だいたい週4日程度の労働時間で、大幅に日本人の生産量を上回っているという計算になります。 週40時間労働の会社なんて存在するのかというくらい、9時から17時の定時で上がれる日本人は少ないでしょう。そうだとすれば、もっと非効率な生産量ということになります。

なぜ、こんな働き方が可能なの?

「フィンランド人は役職や性別にかかわらず、夕方4時を過ぎると皆、次々と帰ってしまうのです」 その理由は「息子をサッカークラブに送っていく」「習い事の送迎がある」とプライベートなことが多い。一方で仕事はきっちりとこなす。時間も自由に使い成果を出すことが、なぜ可能なのか? 「第一に、社員に権限と裁量が与えられているからです」

上記の文章にもあるように、北欧では、部下に仕事の裁量が与えられていることで、部下が上司に仕事の進捗状況を報告するのではなく、定期的に上司が部下に確認をすることで仕事の状況を把握できるのです。 また、日本でありがちな、大会議でほとんどの人が発言をしないといった「無駄な会議」は存在しないので、時間を会議に取られることもありません。 さらに、トップダウンの日本社会と異なり、組織体制はフラットで、日本の管理職が10~20人ほどをまとめるのに対し、2~3人程度をまとめるので、部下の細かい状況にも対応がしやすく、また、評価もしやすくなっているそうです。

合理的な考え方が必要

日本人の働きすぎ問題を解決するには、まず、合理的な考え方が必要と言えそうです。仕事が終われば帰って良いのに、上司が残るからといってそれに合わせて退社時間を調整するなど、上司に合わせる日本人は多いのが現状です。 その背景には、日本社会で昇進のため、とか会社同士の付き合いとか言われていた「飲みにケーション」という文化など、日本人が「仕事の一環」という名目で社内外でのコミュニケーションに時間を割いていることも関係しているのではないでしょうか。

日本人、働きすぎは変わらない?

北欧諸国からは、「そんなの、合理的じゃないよ!家族との時間は?」と言われてしまうでしょう。あくまで、会社は仕事に対して適切な対価をもらい、社会にその成果物を提供して、経済を潤し、その結果で自分たちの暮らしを豊かにできるといった考え方だからです。 しかしながら、長い間「長時間労働万歳」といった社会の文化が根強いため、伝統を重んじる日本人は、今後も「日本人は働きすぎ」と言われたまま、さまざまな弊害を生み出し続けるのでしょう。

日本人の働き方は変わるのか

最近では、日本国内でもベンチャー企業などで、「決められている労働時間を働けば何時から何時に来てもいいですよ」といったフレキシブル制度が導入される会社が出てきたり、フリーランスで好きな時に好きなだけ家族と家にいながら仕事をしたりする人が増えています。 また、多様な働き方も徐々に増えてきており、日本で働きすぎと言われる位働くなら、少ない月給でも発展途上国でリッチに暮らしたいという移住女子が出てきたり、都会の喧騒を離れて田舎で農業を始める人が居たり、若い人たちをはじめ、いわゆるスローライフをエンジョイする人が増えてきました。 一辺倒に新卒で入社した会社に終身雇用で働き続けるといった従来の日本人の働き方は徐々に変わり始めているようです。今後の日本人の働き方に注目です。

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